予告 | |
ユキ | …ねぇ |
あなた… 大丈夫? | |
岡部 | …うぅ |
ユキ | 大丈夫? 意識は はっきりしてる? |
岡部 | ここは… どこだ…? |
いったい何が 起こっている…!? | |
ユキ | ど… どうしたの? |
岡部 | なぜだ… なぜ 俺はここにいる… |
…ぐっ | |
俺は… | |
俺は… 何をしていたんだ…? | |
ユキ | …え? |
多極巾箱のコンバージェンス 消滅都市 × Steins;Gate | |
世界線変動率 5.523258 | |
コラボクエスト STEINS;GATE 多極巾箱のコンバージェンス | |
12月10日 14:00 配信開始 |
あの日からずっと―― 私には "想い"があった |
何もかもが失われた世界で… それだけを頼りに生きてきた |
だから私は… |
誓ったんだ |
時を越えて―― |
世界線を越えて―― |
この"想い"を 必ず遂げてみせると |
………… |
やっと 会えた |
岡部―― |
岡部倫太郎―― |
![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() |
無数の並行世界のそのまたひとつ | |
ここは そんな ありえたかもしれない 世界線―― | |
夕刻 "ロスト区域" 入口付近にて | |
ユキ | ついに ここまできたのね… |
タクヤ | …ああ |
ここを越えると ロストにたどりつく | |
ユキの父親にも もうすぐ 会えるかもしれないな | |
ユキ | …そうね |
ユキ | このあたりにも 敵がいるみたいね |
タクヤ | …そのようだ |
そこまで強いタマシイでは なさそうだが… | |
気は抜けないな | |
ユキ | ええ… |
特に リーダースキルには 気をつけたいところね | |
タクヤ | 特に有用な リーダースキルは… |
タマシイの攻撃力を 2倍以上にするもの | |
確か そうだったな? | |
ユキ | …その通りよ |
タマシイを編成する際は 注意しておきましょう |
タクヤ | …そういえば |
さっき ギークから 連絡があった | |
いまから向かう ロストだが… | |
どうやら 先客がいるらしい | |
ユキ | ………… |
"謎の組織"かしら | |
タクヤ | いや… それが |
ギークによれば 幽霊が出るとか… | |
ユキ | …え? |
タクヤ | 目撃情報にはブレがあって… 男だったり女だったりする |
年齢も さまざまだ | |
20代に見えたとか 10代にも満たないとか… | |
ユキ | …何よそれ |
全然 役にたたない 情報じゃない | |
そもそも 幽霊ってなに? タマシイじゃないの? | |
タクヤ | 詳しいことは 俺もわからないさ |
とにかく… ロストは普通の場所じゃない | |
それこそ 幽霊だって いたっておかしくない | |
ユキ | ………… |
タクヤ | 俺たちは これから 世界を救うんだ |
気を引きしめるに こしたことは ないだろう? | |
ユキ | …そうね |
ユキ | 指揮者のタマシイ… また現れたのね |
タクヤ | ユキ… 集中しろ |
ここを突破すれば… ロストは近い! |
タクヤ | ついに見えたぞ… ロスト区域の入口だ |
ここから先… さらに 厳しい状況が予想される | |
ユキ… 覚悟はできてるか? | |
ユキ | …もちろんよ |
私… 戦う! |
………… | |
…… | |
こ… | |
ここは…? | |
…! | |
もしかして… | |
成功… した…? | |
………… | |
…あは | |
あはは…! | |
あはははははははははは ははははははははははは…! | |
予告 | |
岡部 | ………… |
…ん? | |
ユキ | どうしたの? |
岡部 | いや… |
メールが 2通届いたんだが… | |
その内容が… | |
一通目 | |
sub:(件名なし) ――――――――――――― 消滅した都市 | |
二通目 | |
sub:(件名なし) ――――――――――――― で待っている | |
紅莉栖 | ………… |
…ねぇ | |
私… 思うんだけど… | |
岡部 | …紅莉栖 |
お前が考えてるのは こういうことだろう? | |
このままだと… 恐らく | |
世界が… 終わると | |
ロスト区域に侵入したユキとタクヤ そして 二人の前に現れた謎の男 | |
彼らに待ち受ける出会い そして敵とは―― | |
世界線変動率 5.523258 | |
コラボクエスト STEINS;GATE 第1話「出会い」公開中 |
早朝 "ロスト区域" 入口にて | |
タクヤ | ここが ロスト区域… |
噂には聞いていたが… ひどい状況だな | |
それに… さっきから | |
頭が 割れるように 痛てぇ…! | |
やはり これは… | |
ユキ | ねぇ タクヤ… |
このあたりって 一般人は 立ち入り禁止よね | |
タクヤ | まあ… そうだろうな |
ユキ | でも… |
人影が… 向こうに見えるわ | |
タクヤ | …なんだって? |
もう 敵が現れたのか? | |
ユキ | それが… 倒れてるみたいなの |
たぶん 一般人よ | |
ちょっと 様子を見てくるわ | |
タクヤ | おい ユキ… |
ユキ | …ねぇ |
あなた… 大丈夫? | |
岡部 | …うぅ |
ユキ | 大丈夫? 意識は はっきりしてる? |
岡部 | ここは… どこだ…? |
いったい何が 起こっている…!? | |
ユキ | ど… どうしたの? |
岡部 | なぜだ… なぜ 俺はここにいる… |
………… | |
…まさかこれは | |
"機関"の妨害工作か!? | |
ユキ | ちょっと 落ちついて… |
岡部 | これが落ちついて いられるか! |
俺には… 重要な作戦が… | |
そう… とても重要な… | |
…ぐっ | |
さ… | |
作戦…? | |
俺は… | |
俺は… 何をしていたんだ…? | |
ユキ | …え? |
多極巾箱のコンバージェンス 消滅都市 × Steins;Gate | |
岡部 | なんだって!? "機関"に動きがあっただと!? |
なるほどそれなら… この状況も頷ける | |
………… | |
ああ… 確かに状況は厳しいが | |
これもシュタインズゲートの 選択だと言うのなら… | |
俺は その中で 最善を尽くすしかないだろう | |
…落ちついたら また こちらから連絡する | |
さらばだ… | |
エル・プサイ・コングルゥ | |
………… | |
…待たせたな | |
すまない 俺に何か用か? | |
タクヤ | ………… |
"機関"だと…? | |
それに… いまの暗号は…!? | |
岡部 | …エル・プサイ・コングルゥ |
意味を知ってしまったら… お前はもう | |
"普通の生活"には 戻れなくなる | |
それでも… 構わないのか? | |
タクヤ | ………… |
………… | |
構わない | |
覚悟はとうにしてきたさ… | |
"全て"を捨てるという 覚悟をな! | |
岡部 | よかろう… ならばついてこい |
我が名は狂気の マッドサイエンティスト… | |
鳳凰院凶真だッ!! | |
タクヤ | 頼もしいな キョーマ! |
さあ… | |
俺を導いてくれ! | |
隠された 古代帝国へ! | |
ユキ | ねぇ タクヤ… |
あの人が さっき話していた 携帯なんだけど… | |
タクヤ | …どうした? |
ユキ | あの携帯… |
どう見ても… | |
電源が切れていた みたいだったけど? | |
タクヤ | ………… |
………… | |
………… | |
…なんだって!? | |
ユキ | …そんなことより |
あなた… どうやって ここに来たの? | |
普通の人は 入れないはずだけど… | |
岡部 | ………… |
…わからない | |
ユキ | …え? |
岡部 | なぜ… 俺は こんなところにいるんだ |
ユキ | …ねぇ |
もしかして… あなた | |
記憶が―― | |
岡部 | …? |
ユキ | これ… 携帯の着信音? |
岡部 | おっと… すまない |
メールが来ていたようだ | |
………… | |
…ん? | |
ユキ | どうしたの? |
岡部 | いや… |
メールが 2通届いたんだが… | |
その内容が… | |
一通目 | |
sub:(件名なし) ――――――――――――― 消滅した都市 | |
二通目 | |
sub:(件名なし) ――――――――――――― で待っている |
タクヤ | …本当についてくるのか? キョーマ |
岡部 | …ああ |
記憶は定かではないが… 状況から考えて | |
俺も おそらく 向かってたんだと思う | |
二人と同じく… ロスト中心部へ | |
タクヤ | ………… |
岡部 | さっき届いたメール… |
あれは恐らく 未来から送られたものだ | |
タクヤ | …なんだって? |
岡部 | ロストには きっと 何かがあるんだ… |
俺が… 成さねばならない 何かが |
岡部 | な… |
なんだ こいつらは!! | |
まさか… "機関"の刺客か!? | |
ユキ | バカなことを 言ってる場合じゃないわ! |
気をつけて… キョーマ | |
タマシイは… 私たちが引きうける! |
岡部 | お… おい |
いったい いま… 何が起こったんだ? | |
ユキ | …説明してなかったわね |
彼らはタマシイ… | |
消滅に巻きこまれた人の "想い"が具現化したものよ | |
岡部 | タマシイ…? |
"想い"…? | |
この 狂気の マッドサイエンティストにも… | |
理解できないことが あるとはな | |
ユキ | ………… |
…バカみたい | |
いいから 先に進むわよ |
岡部 | …くっ |
ユキ | …なに? |
今度は秘められし力でも 解放しそうなのかしら? | |
岡部 | …いや |
………… | |
そうだな… 秘められし力の解放なら | |
喜んで… 行いたいところなのだが… | |
ユキ | いい加減にしてよ |
あなたの 冗談に 付きあっている暇はないわ | |
…次の敵が来る! |
ユキ | 写真家のタマシイ… |
強い"想い"を感じるわ | |
タクヤ | ああ… 簡単には進めなさそうだ |
だが こんなところで 立ちどまっていられない… | |
行くぞ! ユキ! |
タクヤ | 敵は去ったか? |
ユキ | …そのようね |
一段落… といった ところかしら | |
岡部 | ………… |
ユキ | キョーマ… 大丈夫? |
あまりの出来事に 腰でも抜けちゃったかしら? | |
岡部 | …ぐっ |
ユキ | …? |
どうして… | |
どうして そんな つらそうな顔をしてるの? | |
岡部 | う… ぐ… |
ぐああああっ! | |
ユキ | …え? |
まゆり | …あっ |
ダルくん トゥットゥルー | |
どうしたのー? なにかあった? | |
ダル | ま… まゆ氏… |
あ… | |
ありのまま 今 起こったことを話すぜ… | |
まゆり | んー? |
ダル | オカリンと一緒に お台場にいたんだけど… |
突然 すごい音と光がして… 気づいたら | |
お台場が… 崩壊していた件 | |
紅莉栖 | 岡部… |
聞いた? 橋田の話… | |
岡部 | お台場崩壊の話か? |
紅莉栖 | …そうよ |
岡部 | ダルに聞くまでもない… |
テレビでもネットでも いまや その話題で持ちきりだ | |
紅莉栖 | ………… |
…ねぇ | |
私… 思うんだけど… | |
岡部 | …紅莉栖 |
お前が考えてるのは こういうことだろう? | |
このままだと… 恐らく | |
世界が… 終わると |
ユキ | …ねぇ |
ねぇ 大丈夫? | |
岡部 | ………… |
…くっ | |
ユキ | どうやら 意識は あるみたいね |
ゆっくりでいいわ… 体を起こして | |
岡部 | まゆり… |
ユキ | …え? |
岡部 | まゆり… なのか? |
ユキ | 誰…? マユリって |
岡部 | え… いや |
すまない… 勘違いだったようだ | |
ユキ | …? |
岡部 | それよりも… もしかしてあれは |
俺の記憶… だったのか? | |
タクヤ | 世界が終わる… |
記憶の中のお前は 確かに そう言ってたんだな? | |
岡部 | ああ… 間違いない |
そして 思考を巡らせた結果… | |
この事態の 元凶が判明した | |
タクヤ | …なんだって? |
岡部 | …そう これはすべて |
我が宿敵 "機関"による陰謀である!! | |
タクヤ | ………… |
岡部 | ならば今こそ… |
狂気のマッ――ド サーイエンティストゥ… | |
鳳凰院凶真の出番だッ! | |
フゥ―――――――――― ―――――ハッハッハッ!! | |
タクヤ | クソっ… |
あいつを信じた 俺がバカだった… | |
俺のロマンを… | |
男のロマンを 踏みにじりやがって! | |
ユキ | ………… |
ねぇ タクヤ… | |
今の話だけど… | |
少し… 信じてみても いいかなって思う | |
タクヤ | …え? |
ユキ | キョーマの記憶が 少し見えたの |
みんなが崩壊した 都市のことを話してて… | |
世界の終わりについて… 深刻な顔で話してた | |
タクヤ | ………… |
ユキ | もしかしたら キョーマの言っていること… |
本当のことなのかも しれないわ | |
to be continued | |
第2話「記憶」 12月11日 20:00公開 |
リーディ シュタイ の 走が… | |
違う 界線 観測し… | |
観測に 世界の 定化… | |
やっぱり 無理なのかしら… | |
違う世界線に 記憶を飛ばすなんて | |
多極巾箱のコンバージェンス 消滅都市 × Steins;Gate |
岡部 | …ぐっ |
ユキ | ………… |
キョーマ… 本当に大丈夫? | |
岡部 | ああ… 大丈夫 だ |
どうも… 先ほどから 頭痛と幻覚がひどくてな | |
ユキ | ………… |
岡部 | これは… もしや前兆か…? |
"目覚めの刻"が来てしまった… ついに ヤツが… | |
ユキ | …もう |
私は本当に 心配してるのに…! |
重な あってる か… | |
もし して… エヴェレ ト 釈… | |
岡部 | …っ |
ぐっ… くそっ… | |
ユキ | …本当に |
本当に大丈夫なの…? | |
岡部 | 大丈夫だ… 別に… 大したことはない… |
俺に構わず… 先に進むんだ… |
ユキ | ねぇ タクヤ… |
キョーマが… さっきから | |
すごく つらそうなの | |
タクヤ | ………… |
敵の数も増えている …すぐには止まれない | |
ここを切りぬけたら 一度 休もう | |
ユキ | …そうね |
ユキ | キョーマ? 調子はどうかしら? |
岡部 | ………… |
ユキ | …キョーマ? |
岡部 | ………… |
…観 が… | |
リー … シュ ナー… | |
ユキ | ねぇ キョーマ…! |
タクヤ | ユキ! 気持ちはわかるが… |
いまは集中しろ! | |
…敵が来るぞ! |
タクヤ | デザイナーのタマシイか… 厄介な敵だな |
ユキ | 待っててキョーマ… この敵は |
私たちがすぐに 倒してみせる! |
岡部 | ………… |
ユキ | キョーマ… 大丈夫…? |
岡部 | ………… |
リーディング… シュタイナー… | |
ユキ | …え? |
岡部 | リーディング・シュタイナーの 暴走が… |
ユキ | キョーマ…? |
岡部 | ぐっ… |
観測による… 世界の固定化…! | |
ユキ | ねぇ キョーマ… |
岡部 | やめろ… |
やめろおおおおっ!! | |
俺の… 俺の中に… | |
俺の中に 入ってくるな!! | |
ユキ | キョーマ! |
to be continued | |
第3話「多極巾箱」 12月12日 20:00公開 |
―――ここは どこだ | |
俺は… 誰だ | |
まゆり | オカリン! |
まゆしぃはオカリンの 人質だから… | |
紅莉栖 | 岡部! |
もう… 心配させないでよ… | |
そうだ… | |
キョーマなんて名は… 厨二病だった俺の設定にすぎない | |
俺の名は岡部倫太郎 | |
まゆり… | |
俺の幼なじみで… 誰とでも すぐ仲良くなろうとするやつだった | |
まゆり | …あっ |
トゥットゥルー | |
綯ちゃん おはよー | |
綯 | トゥットゥルー! |
まゆりおねえちゃん おはよう! | |
まゆり | えっへへー |
綯ちゃんは 今日も元気だねー | |
誰にでも 人当たりのよかったまゆり… | |
そんなまゆりを… 俺は救うことができなかった | |
俺が 興味本位で… | |
あのマシンの 実験さえしなかったなら…! | |
俺たちは偶然にも 革命的なマシンを開発してしまった | |
その機能は二つ… "Dメール"と"タイムリープ" | |
任意の過去に送れるメール それが"Dメール" | |
そして 過去に行くことを可能にする "タイムリープ" | |
これらを"開発してしまった"ことで 俺たちは ある機関に狙われた | |
そのさなか… | |
まゆりは殺された | |
………… | |
タイムリープを 何度 繰り返しても… | |
あらゆる手段を講じても…! | |
まゆりは… 助けられなかった…! | |
――アトラクタフィールドの収束 | |
普遍の定理… 世界を貫く法則 | |
"世界線を移動しない限り 事象は必ず一つの結果に収束する" | |
この世界線で まゆりの死は確定してしまった | |
だから俺は…! | |
誓ったんだ…!! | |
たとえ 思い出が失われていっても… | |
たとえ それが誰かの死に繋がったとしても…! | |
世界線を越えて… まゆりを救うと!! | |
まゆり | オカリン… |
顔色が悪いけど… 大丈夫? | |
まゆり…? | |
この記憶はいったい… | |
岡部 | …問題ない |
それより まゆりよ… 残念だったな | |
なんだ これは…? | |
こんな会話… 俺は知らない | |
岡部 | コミマが 中止になるのだろう? |
前から 準備していたからな… 悔しさもあるだろう | |
まゆり | うーん… そうだねぇー |
でも コミマの会場が なくなっちゃったから… | |
まゆしぃも 仕方ないと 思うのです | |
心配してくれてありがとー オカリン | |
これは… 俺の 失われた記憶なのか? | |
それとも… | |
この "岡部倫太郎"は 俺とは 別人なのか? | |
だとしたら… | |
多極巾箱のコンバージェンス 消滅都市 × Steins;Gate |
お前は… 誰だ… | |
俺の… 俺の中に… | |
ユキ | キョーマ!! |
タクヤ | いったい 何が どうなっている… |
突然 苦しみだしたと 思ったら | |
今度は… 力を放ちはじめた | |
ユキ | …え? |
この力の感じ なんだか… | |
タクヤ | …どうした? |
ユキ | ………… |
似てるのよ… この力が | |
向こう側の存在と | |
タクヤ | …なんだって? |
シュレディンガーの猫… |
エヴェレットの 多世界解釈… |
リーディング・シュタイナー… |
観測による 世界の固定化… |
シュレディンガーの 猫… |
タクヤ | …わからない |
さっきから… あいつは いったい | |
何を ぶつぶつ 言っている? | |
ユキ | シュレディンガーの猫…? |
それに エヴェレットの 多世界解釈って… | |
タクヤ | シュレディンガーの猫? |
それは… 前にユキが言ってた 量子なんとかの話か? | |
ユキ | …ええ |
私もあまり 詳しいわけじゃないけど… | |
エヴェレットの多世界解釈も 量子論の話よ | |
タクヤ | …さっぱりわからねぇ |
ユキ | でも… いったいなんで |
キョーマが こんな話をしてるの…? |
…ぐっ | |
あ… が…… | |
ユキ | キョーマ! |
自分を見失わないで… しっかり"想い"を持って! | |
あなたも 目的があって ロストに来たんでしょう! | |
ロス… ト… | |
お… 俺は…… | |
ユキ | …? |
反応… した? | |
タクヤ | ユキ… ここが正念場だ |
キョーマに声をかけつづけ… そして | |
奴を正気に戻してくれ! |
お… 俺は… |
俺は… 誰だ…? |
お前は… 誰だ…? |
…ぐっ |
ぐ… あ…っ |
な… 何の話だ… |
一体… 何が… |
何が… どうなっている…? |
岡部 | 世界線が重なりあっている? |
紅莉栖 | これは仮説でしかないけど… |
私たちの世界線と 重なりあう形で | |
もう一つの世界が あったんじゃないかしら | |
岡部 | …なるほどな |
それが 都市が消滅する世界線… | |
紅莉栖 | …ええ |
原因はまったく わからないけど… | |
その世界線では 都市が消滅した | |
本来 エヴェレットの 多世界解釈では… | |
重なりあう世界線が 交わることはないはずなの | |
岡部 | ………… |
"シュレディンガーの猫"の 例えを使うなら | |
箱の中に入れられた 生きた猫は… | |
別の世界にいる 死んだ猫を観測できない | |
自分自身の別の可能性だ… 観測できるわけがない | |
…そういうことだな? | |
紅莉栖 | …その通りよ |
でも もし… イレギュラーな要素によって | |
箱の中にいる猫が "観測者"になったとしたら? | |
岡部 | …なんだと? |
紅莉栖 | 箱のなかにいたまま… 生きた猫のまま… |
死んだ猫を"観測"できる イレギュラー | |
岡部 | …まさか そんな |
リーディング・シュタイナーが… 暴走したというのか? |
岡部 | …! |
そう… だったのか…! | |
タクヤ | お おい… |
すぐ 立ち上がって 大丈夫なのか? | |
岡部 | 俺がここにいる理由… ここに来た方法… |
わからなくて当然だ | |
さっき 流れ込んできた記憶で はっきりとわかった | |
俺は この世界線の 人間ではない | |
俺は… | |
この世界には… | |
居場所のない人間なんだ | |
タクヤ | ………… |
………… | |
…確かにそうかもな | |
だとしたら… | |
今すべきなのは 現状を 思い悩むことではなく… | |
並行世界を越える 方法なんじゃないか? | |
岡部 | ………… |
ユキ | …そうよ |
私たちにも 大切な人たちがいるように… | |
あなたにも もとの世界に… | |
大切な人が いるはずでしょう? | |
岡部 | ………… |
ユキ | …力になりたいの |
だから… | |
知っていることを すべて教えて | |
私たちが… | |
必ずあなたを 救ってみせるから! | |
to be continued | |
第4話「真相」 12月13日 20:00公開 |
――あのとき | |
俺は あるレトロPCを追っていた | |
世界線を変えるべく… ある女の Dメールを取り消そうとしたが失敗し | |
状況を打開するために… 彼女の上司を探していた | |
ダル | …ねぇ |
オカリン… これいつまで続けるん? | |
そろそろラボに戻って アニメでも見たい件 | |
………… | |
…確かに | |
この受けわたし作業… まったく終わりが見えない | |
いったい いつまで続ける気だ…? | |
アナウンス | えー |
次はー 東京テレポート 東京テレポート… | |
東京テレポート? お台場の最寄り駅か… | |
こいつらを追うのに必死で 意識していなかったが | |
お台場まで来ていたのか… | |
な… | |
なんだ…!? | |
そのとき 俺は 突然 世界が揺らいだような衝撃を覚えた | |
立ってはいられず… 思わず 膝をついた | |
ダル | オ… |
オカリン!! | |
な… なんだ… これは…!? | |
この… 世界が揺らぐような感覚は… | |
まさか… | |
世界線移動…!? | |
…馬鹿な!? 携帯を受けたわけでも | |
Dメールを送ったわけでもないのに…!? | |
リーディング・シュタイナーの暴走か!? | |
何度も連続して タイムリープを繰りかえしたから…? | |
記憶の保持だけでなく 違う世界線の観測まで…! | |
いったい 俺は… | |
俺は どうなってしまうんだ…!? | |
多極巾箱のコンバージェンス 消滅都市 × Steins;Gate |
ユキ | 違う世界線から来た…? |
つまりキョーマは… 自分の力だけで | |
並行世界を移動した っていうこと? | |
岡部 | …ああ |
そもそも… 以前 俺がいた世界では | |
都市の消滅などという事態は 起こっていなかった | |
これを俺の力と 呼べるのかは微妙だが… | |
世界線を移動したことは 間違いない | |
ユキ | …凄い話ね |
そんなことって ありえるの? | |
岡部 | ………… |
…最近 俺は さらに凄い人物と出会った | |
ユキ | …え? |
岡部 | その女性はだな… タマシイとやらを呼ぶ力を持ち |
それによって 敵と戦っているという | |
しかも その目的の1つは… なんと 世界の救済 | |
それと比較すれば… 俺の事情はありがちな話だ | |
…そう思わないか? | |
ユキ | …ふふっ |
お得意の冗談も 復活したようね |
タクヤ | それより… 今の話には |
いくつか わからない点があった | |
リーディング・ シュタイナーとやら… | |
いったい何なのか 説明してくれないか? | |
岡部 | リーディング・シュタイナーと いうのは… |
世界線変動の際に 記憶を保持する能力だ | |
逆に言えば… 世界線が変動した際 | |
前の世界線の記憶は 俺以外 誰にも残らない | |
タクヤ | ………… |
さっぱりわからん |
ユキ | …確かに 難しい話ね |
これまでの話をまとめると… | |
キョーマは ある機械で 過去を変えることができる | |
でも普通の人は… 過去を変えた際に | |
変える前の世界のことは 全て 忘れてしまう | |
でも キョーマだけは 前の世界を覚えていられる | |
…そんなところかしら | |
岡部 | …ああ |
その理解で 全く問題ない | |
タクヤ | そうか… |
………… | |
…なるほどな | |
ユキ | ………… |
…本当にわかってるの? |
ユキ | …そういえば |
キョーマは 過去へ 移動できるのよね? | |
それって どういう 仕組みなの? | |
岡部 | タイムリープの方法は… 記憶の上書きだ |
現在の記憶を過去に飛ばして 過去の記憶に上書きする… | |
それによって… 主観では | |
未来の記憶を 思いだした状態になる | |
…そういう仕組みだ | |
ユキ | …ふぅん |
タクヤ | まるでSFだな… |
映画の話をしてる みてえだ | |
岡部 | …だが事実だ |
いつの日か… お前自身も | |
似た経験をする可能性 だって 充分にある | |
タクヤ | …まさか |
俺はSFものが苦手でね… | |
是非とも ご遠慮頂きたいところだな |
岡部 | ぐっ… |
ユキ | …大丈夫? |
並行世界からの 記憶の流入… | |
まだ 止まらないの? | |
岡部 | …ああ |
俺自身 違う世界線の存在だからか… | |
ひっきりなしに 記憶が流れこんでくる | |
ユキ | …やっぱりそうなのね |
岡部 | …例えるなら |
開頭されて 海馬に電極を ぶっ刺されてる気分だよ | |
ユキ | …え? |
岡部 | …いや |
…何でもない | |
ユキ | …? |
ユキ | ハッカーのタマシイ… |
岡部 | ハッカー… |
俺の友人にも ハッカーはいるが | |
奴とは 似ても 似つかない姿だな… | |
ユキ | 彼の高速タイピングは 強力よ |
攻撃のスキを与えると… | |
一気に攻めこまれるわ! |
岡部 | う… ぐ… |
くそっ…! | |
ユキ | キョーマ… |
岡部 | すまない… 気力の… 限界だ… |
…ぐあっ | |
ダメ… だ… 意識を… | |
意識を… 保っていられない… | |
少し… 少しだけでいい… | |
やすませ… て… | |
く… | |
………… | |
ユキ | キョーマ!! |
ダル | あのときは マジでぶったまげた罠 |
電車に乗ってたら 突然 オカリンが倒れちゃうし… | |
オカリンが追ってた 変な人たちには気づかれるし… | |
しかも その直後 地震が起こって | |
お台場崩壊の現場に 立ちあうっていう | |
オカリンは気を失ってたから… 背負ってここまで来たけど | |
正直 生きて帰れたのは ラッキーだと言わざるを得ない | |
まゆり | …でも お台場では特に 地震なんてなかったって |
テレビのニュースでは 言ってるよー? | |
ダル | なんか… 僕の調べたところだと |
崩壊したお台場と 崩壊してないお台場が | |
出たり消えたりしてる らしいんだよね | |
現にお台場付近は 今も 立ち入り禁止だお | |
まゆり | うーん… |
つまりー… どういうことー? | |
なんだか難しくて まゆしぃには よくわからないのです… | |
ダル | 何が起こってるかは まだ 誰にもわかってないんじゃね? |
しかも お台場にはいま 幽霊が出るって噂もあって | |
刃物を持った ヤンデレ幼女の幽霊が… | |
誰もいなくなったお台場で ひとり獲物を狙ってるらしいお | |
まゆり | うわー… それは怖いねー |
ダル | でも 刺してくるのが 幼女なら… |
我々の業界では ご褒美です! | |
岡部 | わけのわからん話で 脇道にそれるな! |
幽霊の話は ダルみたいな オタクの妄想だろう | |
第一 幽霊なのに なぜ刃物を持っている | |
紅莉栖 | 幽霊の話は 置いておくとしても… |
いまお台場で 不思議な 現象が起こっているのは | |
誰の目から見ても 間違いないでしょうね | |
岡部 | …ああ |
そして実は… 俺には ダルが言うところの | |
お台場付近で 倒れた記憶がない | |
なぜなら俺は… タイムリープを使って | |
少し先の未来から 来たからだ | |
それまで俺がいた世界は… こんな状況ではなかった | |
この世界線の俺だけに イレギュラーな事態が起きた… | |
そう考えるのが自然だろう | |
紅莉栖 | お台場が出たり消えたり しているのは… |
きっと 岡部―― 観測者が二人いることで | |
世界線が不安定な状態に なっているのね… | |
岡部 | 何にせよ… すべての問題は |
もう一人の俺に 起因する可能性が高い | |
ならば… 崩壊したお台場に行って | |
そいつを探しだせば…! | |
紅莉栖 | …待ちなさいよ |
あの場所がいま… どれだけ危険かわかってるの? | |
いま お台場は 重ねあわせ世界の狭間にある | |
万が一… 世界の狭間に飲みこまれたら | |
帰ってこられなく なるかもしれないのよ? | |
岡部 | だが… お前たちを守るためには |
誰かが犠牲になる 必要が…! | |
紅莉栖 | 私だって… |
岡部が心配なのよ! | |
勝手にいなくなったり しないでよ… | |
あなたが倒れたとき… | |
私がどれだけ 心配したと思ってるの…! | |
私だけじゃない… まゆりだって… 橋田だって… | |
あなたのことを 大切に思ってるんだから… | |
岡部 | …紅莉栖 |
ダル | あのー… お二人さん? |
お取り込み中のところ 悪いんだけどさ… | |
じゃあ ぶっちゃけ どうすればいいん? | |
どうすれば その… | |
世界線とやらを 安定させられるの? | |
紅莉栖 | …任せて |
この問題を解決する―― | |
画期的な方法を思いついたの | |
岡部 | 本当か!? |
紅莉栖 | …もちろんよ |
そう… | |
その方法は―― | |
――憶 を―― 書 ―― して | |
岡部 | そうか…! |
確かにその方法なら…! | |
タクヤ | …気がついたか |
本当に大丈夫か? また 倒れてたんだぞ | |
もう 安全な場所には 引きかえせないが… | |
このあたりで 隠れていれば… | |
俺たちが帰還する際に 拾っていける | |
岡部 | …いや |
俺も向かわせて欲しい… ロストの中心部へ | |
世界の平和を守るために… そして | |
あいつらを 救うためにもだ | |
to be continued | |
最終話「願いと奇跡」 12月14日 20:00公開 |
岡部 | 記憶を上書きする? |
どういうことだ… 説明してくれないか? | |
紅莉栖 | …わかったわ |
まず 現在の状況を まとめるわね | |
そもそもの話として… | |
私たちの世界線と 重なりあう状態で | |
都市が消滅していく 世界線があった | |
…ここまではいいわね? | |
岡部 | …ああ |
紅莉栖 | そして… 問題のキーとなるのが |
かつて この世界線にいた もう一人の岡部 | |
もう一人の岡部… 便宜上 これを消滅岡部とおく | |
消滅岡部はリーディング・ シュタイナーの暴走によって… | |
都市が消滅する世界線を 観測してしまった | |
これも推論だけど… 状況から考えて | |
彼はその後 その世界線に 移動した可能性が高い | |
そして いま私たちがいる世界線には 岡部の体だけが残った | |
…しばらくして | |
その体に 少し先の未来から タイムリープしてきた岡部の記憶が入った | |
その結果… | |
いまここにいる岡部と消滅岡部で 観測者が二人存在することになった | |
それによって 世界線がさらに不安定になり… お台場が出たり消えたりすることになった | |
岡部 | …そういや |
俺が未来から タイムリープしてきた際… | |
倒れていた俺の耳元で 電話を取ったのは紅莉栖か? | |
紅莉栖 | …そうよ |
あのときはホッとしたわ… | |
それまでずっと あんたが 倒れたままだったから | |
岡部 | なるほどな… |
…いや すまない 話の腰を折った | |
続けてくれ | |
紅莉栖 | …ええ |
もし さっき言った 推論が正しいならば… | |
いま起こっている 問題の原因は2つ | |
1つ目は 岡部―― 観測者が二人いること | |
そして 2つ目は… | |
消滅岡部が 世界線を観測する 力を持ってしまったこと | |
この2つの問題を 一度に解決する方法が… | |
岡部 | なるほど… |
タイムリープマシンか | |
紅莉栖 | …その通りよ |
まず… ここにいる岡部が 消滅岡部に記憶を送る | |
そして 記憶の上書きに 成功すれば… | |
世界線を観測するという 消滅岡部の能力が失われる | |
その結果… | |
因果から外れた 状況は改変され | |
世界線は正しい形に戻り 消滅岡部もいなかったことになる | |
本来いるべきではない 向こうの岡部は これによって 消え去るのよ | |
岡部 | …なるほどな |
向こうの世界線の俺を 消し去ってしまえば… | |
すべては 元通りになると いうわけか | |
さすがの洞察力だ… 我が助手 クリスティーナ | |
紅莉栖 | 私は助手でもクリスティーナ でもないっていっとろうが! |
岡部 | だが確かに… 紅莉栖の話はもっともだ |
早速 やってみよう | |
岡部 | …? |
紅莉栖 | どうしたの? 岡部 |
岡部 | いや… マシンが熱を 持っている気がしたんだが |
…気のせいか | |
まあいい… とにかく 実験開始だ | |
岡部 | ………… |
…何も起きない | |
タイムリープすら 成功しない | |
紅莉栖 | うーん… |
重なってるとはいえ 違う世界線だし… | |
通話するのは 難しいのかしら | |
岡部 | ………… |
Dメールだ | |
紅莉栖 | …え? |
岡部 | 過去へ送れるメール… Dメールくらいなら |
世界線を越えて 送れるかもしれない | |
紅莉栖 | …そうね |
Dメールくらいなら いけるかも… | |
でも いったい 何を送るつもりなの? | |
岡部 | お台場に呼び出す |
あの 消滅した都市… | |
恐らく 向こうの世界線にも あるはずだ | |
そしてそこは 2つの世界線が 唯一共有している場所でもある | |
ということは そこに もう一人の俺を呼びだせば… | |
紅莉栖 | 記憶を上書きして… |
岡部は こっちの岡部 ひとりになるということね! | |
岡部 | …そういうことだ |
………… | |
メールの文章は… こんなところか | |
sub:(件名なし) ――――――――――――― 消滅した都市で待っている | |
岡部 | 早速 送信してみよう |
…! | |
世界線が変動した…! | |
紅莉栖 | 岡部! |
岡部 | よし…! |
今なら 作戦が 成功するかもしれない! | |
………… | |
これよりッ! | |
都市の消滅から 世界を救う―― | |
最終作戦を決行するッ! | |
紅莉栖 | うわぁ… |
結局 このノリなのね | |
岡部 | 総員 傾聴せよ! |
作戦名は… | |
“運命を打破する女神作戦” | |
オペレーション・ ラーズグリーズだッ!! | |
多極巾箱のコンバージェンス 消滅都市 × Steins;Gate |
ユキ | …なるほどね |
いま 並行世界の キョーマたちが | |
こっちのキョーマに 記憶を飛ばそうとしている… | |
そして 記憶の上書きに 成功すれば | |
キョーマはロストを 観測できなくなって… | |
キョーマの世界は 救われる | |
岡部 | …ああ |
そういうことだ |
ユキ | …でも |
そのとき キョーマは… | |
いま ここにいる あなた自身はどうなるの? | |
岡部 | ………… |
ユキ | キョーマが この世界に 来てしまった原因は… |
ロストを 観測したからでしょう? | |
じゃあ もし… その力を失ってしまったら… | |
岡部 | ………… |
実際やってみるまで わからなくはあるが… | |
世界線観測が できなくなると | |
俺はこの世界線に 存在しつづける力を失う | |
すると… 存在自体が 自己矛盾に至り | |
恐らくは そのまま | |
消滅してしまうだろう | |
ユキ | …! |
岡部 | だが… 問題はない |
タクヤ… そして ユキ | |
短い間だったが これも かけがえのない出会いだ | |
だから… | |
二人が 俺のことを 覚えてくれさえいえば… | |
ユキ | ………… |
…嘘 | |
キョーマ… 自分で 言ってたじゃない | |
普通の人は… 過去を変えた際に | |
変える前の世界のことは 全て 忘れてしまうって | |
岡部 | ………… |
ユキ | タクヤ… そして私も |
あなたがいたことを 忘れてしまうんでしょう? | |
この世界で… 痛みに耐えて 頑張った あなたのことを… | |
今 ここにいる キョーマのことを… | |
岡部 | ………… |
ユキ | 自分という存在が上書きされ …しかも |
誰にも認識されずに 消えていく | |
そんなの… | |
死ぬよりひどい | |
キョーマは… | |
キョーマは 怖くないの…? |
岡部 | 怖いさ… |
怖いに決まっている… だが | |
あいつらを… | |
あいつらを 守れるなら… | |
それでもいいと 心から思える | |
岡部 | 後のことは… |
違う世界線の俺が なんとかしてくれる | |
ユキ | ………… |
ユキ | いま 鳴ってる電話が… |
過去の記憶を 上書きするものなのね | |
岡部 | …ああ |
ユキ | じゃあ この電話に 出てしまったら… |
キョーマは消えるのね | |
岡部 | …そうだ |
ユキ | キョーマ… |
本当に行くの? | |
岡部 | ………… |
…そういえば | |
1つ 言いわすれていた ことがある | |
ユキ | …え? |
岡部 | リーディング・シュタイナー… 記憶を保持する能力は |
強弱はあれど 誰もが持っている | |
だから… | |
祈ってほしい | |
奇跡を願ってほしい | |
実は 二人にも この力があって… | |
俺のことを 覚えていてくれることを | |
ユキ | …! |
…キョーマ! | |
岡部 | あ… |
ぐぁ… あ…… | |
ユキ | …え? |
? | ふーん |
この携帯で タイムリープしてるんだ | |
…これは 私が 預かっておくよ | |
ユキ | な… なに? その… 刃物… |
あなた… 誰? | |
…! |
タクヤ | ギークによれば 幽霊が出るとか… |
ユキ | …え? |
タクヤ | 目撃情報にはブレがあって… 男だったり女だったりする |
年齢も さまざまだ | |
20代に見えたとか 10代にも満たないとか… | |
ユキ | …何よそれ |
全然 役にたたない 情報じゃない | |
ダル | しかも お台場にはいま 幽霊が出るって噂もあって |
刃物を持った ヤンデレ幼女の幽霊が… | |
誰もいなくなったお台場で ひとり獲物を狙っているらしいお | |
まゆり | うわー… それは怖いねー |
ダル | でも 刺してくるのが 幼女なら… |
我々の業界では ご褒美です! |
ユキ | …そんな |
もしかして あなたって… | |
? | ………… |
その男… | |
奇跡を願ってほしい だって | |
…あはは | |
奇跡なら起きたよ… | |
私がここにいるという奇跡 | |
ユキ | なんで… こんな… |
? | なんで だと? |
………… | |
あの日からずっと… | |
私には"想い"があった | |
何もかもが 失われた世界で… | |
それだけを 頼りに生きてきた | |
だから私は… | |
誓ったんだ | |
時を越えて… | |
世界線を越えて… | |
この"想い"を 必ず遂げてみせると | |
やっと 会えた | |
綯 | …ここでなら |
何にも邪魔されずに お前を殺せる | |
殺しに来たよ… | |
岡部倫太郎 | |
to be continued | |
エピローグ「奇跡と誓い」 12月15日 20:00公開 |
タクヤ | いったい… |
何が どうなっている…? | |
綯 | …………… |
そこで 虫ケラのように 這いつくばってる男は | |
私の父さんを これから殺すんだ | |
タクヤ | …なんだって? |
綯 | 私は その復讐のため… 時間を遡ることを決めた |
だから タイムリープマシンが あった場所 | |
こいつらの開発室に 私は 潜入していた | |
…そうしたら | |
私がいることに気づかず こいつらは興味深い話を始めた…! | |
もう一人の岡部倫太郎が 違う世界線に飛ばされたっていう話だよ | |
私にとって これは嬉しい誤算だった | |
前いた世界線じゃ 私は 岡部倫太郎を殺せなかったからな…! | |
タクヤ | …どういう理屈だ |
さっぱり… わからんぞ | |
綯 | アトラクタフィールドの 収束だよ |
知らないのか? | |
タクヤ | ………… |
…聞いたような気もするが | |
綯 | まあ別に どうでもいい話だ |
とにかく… それを聞いて 私の目標は決まった | |
私も 世界線を越えて… その男を | |
殺すという目標をな! | |
その後 私はタイムリープマシンで 時間を遡り… | |
立入禁止になっていたお台場に潜入して がむしゃらに岡部倫太郎を探した | |
…当然 見つかる気配はなかった 当たり前だ 世界線が違うからな | |
だが それでも探した | |
睡眠も食事もなく 昼夜ぶっ通しで ひたすら探しつづけた | |
そして―― | |
私の心が憎しみで いっぱいになったとき―― | |
復讐の"想い"が 臨界点を超えたとき―― | |
奇跡は起きたんだよ | |
私はいつの間にか倒れていて… 気がつくと 周りが崩壊していた | |
お台場なんて比較にならない… まさに"消滅"とでも呼ぶべき崩壊だった | |
それを見て 私は すぐ気づいた | |
"成功した"っていうことをな | |
綯 | …あとはお前たちが 見た通りだ |
私は 岡部倫太郎を 見つけた | |
だから 刺した | |
奇跡なんて信じちゃ いなかったが… | |
この現象は 奇跡と言うしかないだろ? | |
タクヤ | ………… |
綯 | …あは |
こんなに幸せな気持ちに なったのは… | |
父さんを殺されて以来 初めての経験だよ | |
…あはは | |
あはははははははは…! | |
あはははははははははは ははははははははははは…! | |
タクヤ | ………… |
…く | |
狂っている…! | |
多極巾箱のコンバージェンス 消滅都市 × Steins;Gate | |
制限時間は"5分間" このクエストは 5分以内に クリアしないと ゲームオーバーになるぞ |
岡部 | …ぐ |
がっ… はぁ… | |
ユキ | キョーマ…! |
よかった… まだ 息はあるわ! | |
岡部 | ユ… |
ユキ… | |
ユキ | キョーマ… もう 喋らないで…! |
でも… こんな傷… どうしたら… | |
私… 私…! | |
岡部 | ユキ…! |
俺のことは… いい… | |
携帯だ…! | |
携帯を… 取りかえしてくれ…! | |
ユキ | …え? |
岡部 | 観測者ではない… むこうの世界線の人間… |
恐らく 奴が来たことで… 2つの世界が | |
急速に収束を始めている…! | |
恐らく… もって 5分というところだ…! | |
このままだと… もともと 俺がいた世界線で… | |
ロストの運命が… 確定してしまう…! | |
ユキ | ………… |
岡部 | が… ぐっ…! |
クソっ…! | |
だが 俺は… もう… 動けない… | |
タクヤ… ユキ… | |
お願いだ…! | |
奴から… 携帯を 取りかえしてくれ…! |
あら |
あなたとは話が合いそうね |
…違うわ |
あなたたちじゃないわよ |
…もういいわ |
さようなら 永遠に! |
大スクープだ! |
“現代のキレやすい幼女” |
捏造するまでもない… |
“幼女が抱えた心の闇” |
この俺が… |
すべてをスッパ抜く! |
あははははははははは…! | |
ねえ 見た? あの男の顔が絶望に歪む様…! | |
あはは…! 最高の気分だよ! | |
あはははははははははは ははははははははははは…! | |
ユキ | …タクヤ |
この子の"想い"… 異常よ | |
復讐… 狂気… 負の力に支配されている | |
すさまじい力を感じるわ! | |
………… | |
…もしかして | |
お前たち 私の邪魔をする気? | |
別にお前たちに恨みはないけど… 邪魔をするなら | |
…殺すよ | |
ユキ | …! |
…来る! |
タクヤ | どうなってやがる… |
奴に まったく ダメージが通らねえ… | |
ユキ | …そんな |
異常なまでに誰かを憎む力… すべてを否定する"想い"が | |
あの子に届く… あらゆる攻撃を無効化している | |
…恐らく だけど | |
いまのあの子は… | |
無敵よ | |
タクヤ | おいおい… |
つまり… 俺たちには 打つ手なしってことか? | |
ユキ | ………… |
きっとあるはずよ… | |
どんな敵でも… スキを見せる瞬間が | |
そのタイミングで スキルを全力で叩きこむしか… | |
私たちに 勝ち目はないわ! |
このまま世界が崩壊したら… |
岡部倫太郎はどう思うかな? |
仲間たちを守れなかったって |
後悔したまま… |
苦悶の表情を浮かべながら… |
自分の力不足を呪うのかな? |
激痛と惨めさの中で… |
絶望したまま死んでいくのかな…! |
あはははははは…! |
実に醜くて笑える姿だよ! |
………… |
…でもまだ足りない |
あの男が死ぬその瞬間まで… |
私はあの男を苦しめつづける…! |
ユキ | …キョーマ |
携帯… 取りかえしてきたわよ | |
岡部 | …ぐっ |
すまない… が… | |
早… く… | |
早く… 耳元に… | |
携帯を…! | |
俺が… 死んでしまったら… | |
この作戦は… 成功しない… | |
だから… | |
早く…! | |
ユキ | …どうして |
どうして そこまで 頑張れるの…? | |
死にそうになってまで… どうして… | |
岡部 | ………… |
好きだからさ… | |
ユキ | …え? |
岡部 | 好きなんだ… 世界が… 仲間が… |
あいつらを守れるなら… この命… | |
いくらでも… くれてやるさ… | |
ユキ | …キョーマ |
岡部 | 二人… が… |
二人が… いて… よかった… | |
一人だったら… この作戦は… | |
絶対に… 成功しなかった… から… | |
ユキ | キョーマ…! |
タクヤ | …いや |
あんたの力だよ | |
あんたが観測者だったから… 世界は守られた | |
岡部 | ………… |
そう… だろうか… | |
タクヤ | …ああ |
…もちろんだ | |
ユキ | …そうよ! |
もちろんよ! | |
岡部 | …はは |
二人が… そういうなら… | |
本当… に… | |
本当に そうなのかもしれないな… | |
………… | |
それなら…! | |
ユキ | …! |
キョーマ!! | |
岡部 | 世界とやら… 1つ… 頼みがある…! |
いますぐじゃなくてもいい… いつか… 二人に… | |
思いださせてやってくれ… | |
かつて… この世界線にいた | |
ひとりの"キョーマ"のことを | |
![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() | |
………… | |
…… | |
… | |
ユキとタクヤ "ロスト区域"にて | |
ユキ | ………… |
ねぇ タクヤ… | |
タクヤ | …どうした? |
ユキ | 私… 怖いの |
これまで ずっと二人で 走ってきたけど… | |
その途中に… なんだか | |
とても大切なものを 置いてきてしまった気がして… | |
そのことを考えると… どうしても | |
涙が止まらなくなるの | |
タクヤ | ………… |
…俺も 正直言って | |
さっきから 記憶がおぼつかない | |
だから実は… 俺も 大切なものを | |
既に 忘れちまってる のかもしれない | |
ユキ | ………… |
タクヤ | …だが |
理由もクソもないが… 1つ 予感があるんだ | |
戦いが すべて終わって… 幸せな日常へと戻ったとき | |
きっと 俺たちは 失ったものを取り戻せる | |
…だから | |
まずは 先に進もう | |
それまで 俺の背中を 見つづけてほしい | |
ユキがすべてを 忘れても… | |
俺が ユキを覚えている | |
そして 必ず 父親のところに届けてやる | |
………… | |
…それが | |
契約だからな | |
多極巾箱のコンバージェンス 消滅都市 × Steins;Gate |
ユキ | シュタインズゲート? |
初めて聞く言葉ね… どういう意味なの? | |
岡部 | いや… |
特に意味はない… 俺の造語だ | |
ユキ | …何よそれ |
岡部 | だが… 俺の造語だからこそ |
この言葉を知っているのは 俺の仲間たちだけだ | |
ユキ | ………… |
岡部 | だから… この言葉が |
俺と二人を繋ぐ絆に なればと思ったのだが | |
ユキ | …ふぅん |
そういうことなら… まあ 覚えておくわ | |
岡部 | ………… |
ロストを目指していた ユキとタクヤ… | |
そして 異なる世界線にいる 俺の仲間たち… | |
数々の"想い"に支えられて いま俺は ここに立っている | |
…そう | |
世界… 組織… それらに対し 常に俺は無力だった | |
だが… | |
俺のそばにはいつだって | |
支えてくれる仲間たちがいた | |
彼らのおかげで… いま俺は ここにいられる | |
彼らのおかげで… これからも 俺は戦っていける | |
ならば―― | |
岡部 | …タクヤ |
そして… ユキ | |
これが―― | |
『シュタインズゲート』の選択だよ | |
世界線変動率 0.523301 | |
コラボクエスト STEINS;GATE 多極巾箱のコンバージェンス | |
― END ― |