やっほー! なんかまた『マジカミ』と『STEINS;GATE』コラボ、始まったみたいだよ? ラボの方もずいぶんにぎやかだったみたいだけど......キミ、興味ない? |
「あははっ、アタシってこの子みたいに真面目じゃないっしょー? バイトを頑 張ってるとかだけじゃなくて、強い想いっていうのかな。アタシに同じ事が出来 るかどうか、正直なトコ自信ないんだよねー」 |
アタシってあんまりジャージ着ないんだよねー。ほら、 スポーツ系ってキャラじゃないしさー? それに深夜の コンビニとかにいそうじゃん? |
頭と胸以外 | あんっ♪ もー、触っていいなんて言ってないっ しょー? って、そんな顔をされても許可なんて出さな いしー♪ |
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手に入れたドレスから残留思念が流れこんでくる。 突如として、耐えがたい睡魔が俺を襲う。 視界がぼんやりとしたモヤに包まれる中で、 俺の知らないりりの記憶が、 脳内で映画のスクリーンのように映し出される。 | ||
マリアンヌ | 今日は付き合ってくれて嬉しいっス。 でもホントに良かったんスか? | ソ、ソノー... |
りり | あははっ、むしろ連れてけって感じ? ほら、アタシってあんまアキバに来ないしさー | フッフフ♪ |
やっぱ渋谷とは空気が違うよねー。 こうしてブラついてるだけでワクワクしてくるわー♪ | ウーン♪ | |
マリアンヌ | りりちゃんは何でも楽しそうで羨ましいっス。 僕が渋谷に行っても挙動不審になるだけっスよ…… | ハァ... |
りり | ならアタシとだったら大丈夫っしょ? だから今度はマリ夫がアタシに付き合ってよ | ネ-ネ-? |
マリアンヌ | もちろんっス! 実は僕も行ってみたい所が幾つかあって―― | デュッフフフ♪ |
あれ? どうしたんスか、りりちゃん | ン? | |
りり | マリ夫、あれって何よ? なんかガラクタっぽいけど売りもんなの? | ネ-ネ-? |
マリアンヌ | あれはPCのジャンクパーツっスね。 パーツ取りに使ったり、修理して使ったりするっスよ | |
りり | パーツ取りってなに? 部品を取るって事? | ウーン、ト...? |
マリアンヌ | その通りっス。 生産終了品なんかは補修パーツが手に入らないから、 ジャンクから使えるパーツを取るらしいっスよ | ハイ... |
って、僕もネットの受け売りなんスけどね。 このあたりは陽彩たんや姫さんの方が詳しいっス | デュッヒヒヒヒ♪ | |
りり | いやいやー、マリ夫も充分詳しいって | イーヤー... |
それでさ、どっか行きたいトコがあるんだっけ。 ドージンシの店にでも行くの? トラなんとかーって店 | ウーン、ト...? | |
マリアンヌ | 今日は僕イチオシのメイドカフェに行くっスよ | デュッフフフ♪ |
りり | えっ、マジで? 一度行ってみたかったんよー! メイドカフェ! | ヤッター! |
マリアンヌ | それはなによりっス。 きっとりりちゃんも驚くっスよ〜♪ デュフフフ! | キタコレ! |
りり | へー、結構普通の店みたいじゃん。 ショーウインドウにメイド服が飾ってあるぐらいで | |
んーっと、『メイニャーン』ってのが店の名前? もしかしてメイドと猫を組み合わせてるワケ? | ウーン、ト...? | |
マリアンヌ | そうなんスけど、とある超名作アニメ映画で 行方不明になった幼女を探す時のお婆さんの呼び声を 彷彿させると思わないっスか? | デュッフフフ♪ |
りり | アタシは全然ホーフツしないわー。 てか早口過ぎて半分ぐらいしかわかんねーし | ハァ? |
マリアンヌ | わわっ、ちょっと待って欲しいっス〜! | ウワアアアア!? |
はなび | お帰りなさいませ、お嬢様っ♪ | エヘヘヘヘ... |
りり | は…………? | マ? |
はなび | げっ。な、なんでりりがここにいるんだよ | ッ!? |
マリアンヌ | おっはー♪ はなびさんに会いたくてまた来たっスよ〜 | オハヨウッス |
はなび | なにが『おっはー』だ。 っていうか、なんでりりを連れてきたんだ? | ウーン |
マリアンヌ | はなびさんのテラ萌え萌え〜♪ なメイド姿を りりちゃんにも見せたかったっス! | デュッフフフ♪ |
はなび | 今日のマリ夫は全体的にノリが古いな……。 まあ、追い返すわけにもいかないし仕方ない | ...チッ |
どこの席がいい? 空いてる所を適当に選んでくれ。 というか、いつまでフリーズしてんだよ? | オイ... | |
りり | あ……あー、ごめ! マジで凍ってたわ。 まさかはなが出てくるとは思わなかったからさー | エヘ♪ |
はなび | こっちもりりが来るとは思ってなかったし、 こうなると分かっていたら今日は絶対に来なかった | ウーン |
マリアンヌ | デュフフフ、はなびさんのシフトは把握済みっスよ | デュッフフフ♪ |
はなび | やれやれ……とにかく席に座ってくれよ。 そこにいたら次の客が入れないだろ | ...チッ |
はなび | な、なんだよ。そんなにジロジロ見るなって | アー、ンン... |
りり | だってさー、はなのメイド姿ってチョーレアだし? つーかさ、メッチャ似合ってて 馬子にも衣装って感じ! | フッフフ♪ |
はなび | それ、褒め言葉じゃないって知ってるんだよな? まあいいけどさ…… | ウーン... |
りり | そういや、なんでメイドやってんの? それとメイニャーンなのにネコミミとか着けねーの? | ネ-ネ-? |
はなび | メイドをやってるのは色々と事情があるからだ。 それとネコミミについては店長に聞いてくれ | ウーン |
それよりさっさとオーダーを決めてくれよ | オイ... | |
マリアンヌ | あれあれ〜? それでもメイドさんっスか〜? 言葉遣いがなってないと思うっスよ〜? | オオ-? |
はなび | ……ちっ。タチの悪いヤツに弱味を握られたもんだな | ...チッ |
ごめんなさぁい♪ あのー、早くオーダーを決めていただけますかぁ? | エヘヘヘヘ... | |
マリアンヌ | 僕はこの特製オムライスセットにするっスよ♪ | |
りりちゃんはどれにするっスか? | ||
りり | えっ、ええと……じゃあマリ夫と同じヤツにするわ | ウーン、ト...? |
はなび | はあい♪ それでは少々お待ちくださいませ〜! | フーンフフーン♪ |
りり | はー……なんつーか、圧倒されるわー。 それにそれに、はなのメイド姿ってチョー可愛くね? | イーヤー... |
マリアンヌ | 僕も初めて見た時は仰天したっスよ〜。 しかも黄色い声で接客してるとか、 まさに驚天動地っス | ハイ... |
りり | あのさ、アタシもメイド服とか似合うと思う? | ネ-ネ-? |
マリアンヌ | りりちゃんだったら似合うに決まってるっス。 いやー! 黒ギャルメイド、僕も見たいっスな〜! | ワァクテカァ...! |
りり | 黒ギャルメイド? それ、マジで―― | マ? |
はなび | お待たせしました、お嬢様。 こちらがご注文のオムライスセットになりまぁす♪ | エヘヘヘヘ... |
マリアンヌ | おっ、待ってたっスよ! | キタコレ! |
はなび | それではごゆっくりどうぞ〜♪ | フーンフフーン♪ |
マリアンヌ | はっ? このオムライスは未完成っスよ。 メイドとオムライス、やる事はひとつしかないっス! | ン? |
はなび | ちくしょう……はいはい、分かりましたよ! | ウーン... |
おいしくなぁれ♪ もえもえにゃーーーーん♪ | エヘヘヘヘ... | |
マリアンヌ | うおおおお! オムライスが輝き始めたっスよー!! | WRYYY!! |
はなび | ……おい、りりもメイド魔法が欲しいのか? 欲しいならくれてやるぞ。もうどうでもいいからな | オイ... |
りり | アタシ…… | ウーン... |
アタシもメイドになるわ! つーか、ここでバイトすっから! | ヨッシャー! | |
マリアンヌ | り……りりちゃん、いきなり何言い出すっスか? | ウワアアアア!? |
りり | だってチョー面白いじゃん! アタシも『もえもえにゃーーん』してみたいしー! | イイジャーン! |
はなび | それは本気で言ってるのか、りり? | オイ... |
りり | 超マジだし! はなからも口利きしてくれね? アタシ、マジでメイド頑張るから! | |
はなび | あ、ああ……それぐらいなら別にいいけどさ | ウーン |
俺はそこで目が覚めた。 この先の記憶もありそうな気がするが……。 |
手に入れたドレスから残留思念が流れこんでくる。 突如として、耐えがたい睡魔が俺を襲う。 視界がぼんやりとしたモヤに包まれる中で、 俺の知らないりりの記憶が、 脳内で映画のスクリーンのように映し出される。 りりがメイドカフェのバイトを始めた記憶の続きのようだ。 | ||
マリアンヌ | ……というわけで、 りりちゃんはしばらく参加できないっス | ソ、ソノー... |
陽彩 | りりも奇特なヤツだな。 好き好んでメイドになってみたいだなんて | フム... |
マリアンヌ | 陽彩たんは興味ないっスか? やってみたら面白いかもしれないっスよ | |
陽彩 | いや、遠慮しておこう。 ぼくよりマリアンヌの方が似合いそうじゃないか? | イヤ... |
マリアンヌ | そ……そうっスか? 陽彩たんにそう言われと試してみたくなるっスよ〜 | ソウッスカ |
陽彩 | ふふ、是非試してみるといい。 きみはスタイルもいいし、衣装が良く似合いそうだ | フフ... |
エリザ | ちょっと! 和んでる場合じゃないですわ! ラボメンであるはずの『スイーツ(笑)』が ラボよりメイドを優先させているというのに! | チョットォ! |
陽彩 | スイーツ(笑)……? ああ、エリザが一方的に決めたニックネームか | ウン? |
エリザ | 助手! アナタもいつまで呑気な顔をしていますの! 眼鏡大好きっ子だって同じですわよ! | ハァ? |
マリアンヌ | 僕のニックネームだけ言い辛そうっスよね | デュッヒヒヒヒ♪ |
エリザ | だったら眼鏡でいいですわ。さあ、眼鏡! スイーツ(笑)がバイトを始めたという、 匂い付きのメイドカフェに案内するのですわ! | ワカッタワ! |
マリアンヌ | なんだかコンビニで売っていた エッチな本のオマケみたいになってるっスね〜 | エエー... |
陽彩 | 曰く付きだとしても酷い物言いだな。 それよりもどうする? エリザを案内するのか? | ウウーン... |
マリアンヌ | いい機会だから連れて行くっスよ。 それに僕もりりちゃんのメイド姿を見たかったっス♪ | ハイ... |
エリザ | いつまでコソコソ話していますの! さあさあ、早くメイドカフェに行きますわよ! | チョットォ! |
エリザ | たのもーう! さっさとスイーツ(笑)をお出しなさい! | イエーイ! |
マリアンヌ | おお! 期せずして意味が通ってるっス! | キタコレ! |
はなび | またマリ夫達か……それもエリザ付きとは最悪だ | ウーン |
マリアンヌ | 別に仕事の邪魔をしにきたわけじゃないっスよ? りりちゃんの様子を見に来ただけっス | イ、イエ... |
エリザ | その通りですわ! いいからスイーツ(笑)を呼んできなさいな! | ソウヨ! |
はなび | もっ、もしかして、スイーツってりりの事か? | フッ |
エリザ | 笑っていないで、さっさと呼んできてくださらない? それとアナタのメイド姿、なかなか悪くないですわね | チョットォ! |
はなび | せっかく褒めてくれたのに悪いんだけど、 スイーツ……りりはここにいなくてな | ワルイ |
マリアンヌ | えっ、それはどういう事っス? もしかして、いきなりクビになっちゃったとか…… | オオ-? |
はなび | あー、そうじゃなくてヘルプに行ってもらってる。 ウチの……この店はアチコチに姉妹店があって、 シフトに穴が空きそうな時は人員を融通するんだよ | アー... |
陽彩 | なるほど、そういう事か。 外見はアレだが、りりは結構真面目だからな。 いきなりクビになるはずもないか | ナルホド |
そういう事ならここにいても仕方ないな | ヨォシ | |
はなび | 店員の前で言う台詞か、それ? | オイ... |
エリザ | それでスイーツ(笑)は何処に行ったんですの? それさえ教えてくれれば下がって構いませんわ | ネエッ |
はなび | はいはい、お嬢様。スイーツは2号店ですよ。 場所はマリ夫に聞いてくれ | ウーン |
エリザ | それさえ分かればこの店に用はありませんわ。 さあ、2号店とやらに向かいますわよ | ワカッタワ! |
マリアンヌ | そ、それでは失礼するっス。 今度来る時はオーダーさせてもらうっスから! | デュッヒヒヒヒ♪ |
陽彩 | マリアンヌにひとつ聞きたいんだが、 この界隈にはそんなにメイドカフェがあるのか? | アノサ |
マリアンヌ | 何せアキバはオタク文化の中心っスからね〜。 中野や池袋なんて目じゃないほどひしめいてるっスよ | ハイ... |
ちなみに中野と言えば中野ブロードウェイ、 池袋と言えば乙女ロードが有名っスね | ||
でも最盛期よりは随分減ったんスよ。 昔はそれこそ石を投げればメイドにぶつかるぐらいで | ...ハァ | |
エリザ | そう言えば執事カフェなる亜種もありましたわね。 それに猫カフェやフクロウカフェ、 爬虫類カフェやらも | オオー! |
陽彩 | 後者はメイドカフェと一切関係ないな。 そう言えばネットで妹カフェという店を―― | イヤ... |
マリアンヌ | あっ、ここっス! 『メイニャーン2号店』、間違いないっス | ア、アノ! |
エリザ | でかした!! ですわ。 それではさっそく乗り込みますわよ | デカシタワ! |
エリザ | もうっ! これはどういう事かしら! どうしてりりはこうも盆回しされていますの!? | チョットォ! |
マリアンヌ | これはカードゲームを思い出す世代と 土曜8時を思い出す世代で別れそうっスね〜 | デュッヒヒヒヒ♪ |
陽彩 | りりがたらい回しされているとして、 まだ続けるのか? | アノサ |
エリザ | ここまで来たら徹底的にやりますわよ。 さあ、ラボメン達! 3号店に向かいますわよ! | ソウヨ! |
陽彩 | 5号店まで来たが、まだ続けるつもりなのか? 正直言って時間の無駄だと思うんだが…… | ウウーン... |
エリザ | あ、当たり前ですわ。 ここで諦めたらそれこそ時間の無駄になりますもの | ソウヨ! |
マリアンヌ | りりちゃんの面倒見の良さは知っていたっスが、 ここまでとは予想外だったっスね〜 | ...ハァ |
陽彩 | それよりも、りりのヘルプ先が 姉妹店ですらなくなっている事に驚いてくれないか | アノサ |
マリアンヌ | そうっスね……。 まさかメイニャーンのオーナーの知り合いの店、 電子パーツ屋のヘルプとはさすがの僕も驚いたっス | ハイ... |
あ……あの店みたいっスよ! 今度は僕が聞いてくるのでちょっと 待ってて欲しいっス | ア、アノ! | |
エリザ | ……なかなか面白いパーツが並んでいますわね | |
陽彩 | 昔の秋葉原はこういう店ばかりだったらしいな。 あ、このコンデンサーは エリザが探していたやつだろう? | フム... |
エリザ | ふふふっ、よく覚えていましたわね。 せっかくだから色々と買い込んでいこうかしら | ソウネ |
マリアンヌ | もうお気づきかと思うっスが…… | ソ、ソノー... |
陽彩 | それで次はどの店の手伝いに行ったんだ? | ウン? |
エリザ | きっとそこの八百屋ですわ。 それとも本屋? 選択肢が多すぎて絞れませんわね | ハァ... |
マリアンヌ | 正解は……ブラウン管専門店っス | ハァー... |
エリザ | なんですの、それは! と言いたい所だけど、 ワタクシのラボの下にそんな店がありましたわね | ハァ? |
陽彩 | つまり、あちこち回った末に元の場所に戻るわけだ | ウウーン... |
エリザ | ええい、ブツクサ言っていないで戻りますわよ! | チョットォ! |
マリアンヌ | (……りりちゃん、今どこにいるっスか?) | ...ハァ |
(結局、ブラウン管専門店にもいなくて、 また別のお店のヘルプに行っちゃったとか……) | ||
(さすがの姫さんも追いかけるのを諦めちゃって、 呼び名もスイーツ(笑)から バイト戦士に変わったんスよ) | ||
(それに、いきなりこんなメールを送ってこられたら 怖くて夜も眠れないっスよ……) | ||
結論だけ、書くわ―。 | ||
失敗した失敗した失敗した失敗した失敗した 失敗した失敗した失敗した失敗した失敗した 失敗した失敗した失敗した失敗した失敗した | ||
アタシは失敗した失敗した失敗した失敗した 失敗した失敗した失敗した失敗した失敗した 失敗した失敗した失敗したアタシは失敗 | ||
マリアンヌ | (人を呪わば穴二つというけど、 人を助けても穴にハマるものなんスかね……?) | ...ハァ |