フェイリス・ニャンニャンだニャ♪ 今日はご主人様に『マジカミ』の『STEINS;GATE』コラボのお知らせをお持ちしましたニャ♪ 新しいドレスもあるんだって! ぜひ見に来てニャ♪ |
「いらっしゃいませ〜☆ ご主人さまに楽しんでもらえるように、 私、めいいっぱいご奉仕させていただきますニャ♪」 |
『シャドークイーン+ニャン2』へようこそ♪ リコ、い〜っぱいご主人さまにご奉仕しますニャ♪ |
頭と胸以外 | はぁ〜い、『メイドパワー注入コーヒー』ですね♪ おいしくなーれ、もえもえ注入〜♪ びびびびー☆ |
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胸 | ひゃっ! だ、ダメですよご主人さま? メイドに直接タッチは禁止です♪ 守っていただけないと……怒りますニャ☆ |
りり | いやぁ〜ごめんね? いきなり誘っちゃって |
後輩アイドル | いえいえ♪ イコ先輩の親友は、私にとっても親友同然ですから! 全然気にしないで下さい! |
それに、イコ先輩のメイド姿なんて めったにお目にかかれないですし! そんな貴重な機会、逃せませんから♪ | |
……でも、なんでイコ先輩は、メイド喫茶で バイトなんてすることになったんです? ついに アイドルじゃ食べていけないって気づいたんですか? | |
はなび | 知り合いから、いいバイトを紹介されたんだ。 依子にも紹介するけど興味ないか? って聞いただけだよ |
りり | はな、自分も一緒にバイトする感じで言ってたから。 バイトが決まった後、依子ってばめっちゃ驚いてたよ。 あと怒ってた |
はなび | 一緒にバイトする、なんて明言してないからね。 ま、依子もいい経験になったでしょ |
後輩アイドル | むむ、先輩いじりがお上手ですね……なかなかの策士! ところで、肝心のイコ先輩はどこにいるんでしょ? |
はなび | ……見当たらないな。 ……ひょっとして、逃げたか? |
りり | んー、依子って結構責任感強いから 決まったバイトをサボったりはしないと思うけど…… |
メイドさんに聞いてみよっか? すみませーん! | |
メイド | はーい☆ 『シャドークイーン+ニャン2』へようこそ♪ お呼びですかニャ? お嬢様☆ |
りり | このお店で、 依子って娘がバイトしてると思うんですけど |
メイド | 依子ちゃん、ですかニャ? ちょっとわからないですニャ |
はなび | 感情が高ぶると広島弁になる、 アイドル崩れなんだけど |
メイド | ……だ、だ…… |
依子 | 誰がアイドル崩れじゃーっ! |
後輩アイドル | なったくもう。 なんで髪型まで変えてるんですか〜 |
依子 | イコはアイドルなのよ? 素顔でアルバイトなんてしたら、 SNSで噂になって、人が殺到しちゃうじゃない! |
はなび | んなわけないだろ。 誰もイコのことなんて知らないし気づかないっての |
依子 | そがいなわけないじゃろ! なにいっとるんじゃ! |
……あ……こ、こほん! | |
……や、やだニャ〜☆ そんなわけないですよぉ〜☆ | |
後輩アイドル | はい露骨なごまかしきましたー |
依子 | それに私は、イコじゃないです☆ リコ=ニャンニャンでぇす☆ リコって呼んでくださいね♪ |
じゃあ、 私はそろそろお仕事に戻りますニャ☆ ごゆっくり〜 | |
キモオタ | デュフフ! リコどの、 拙者とチェキをお願いしたいのでござるが |
依子 | あ、はーい♪ ちょっとお待ち下さいニャン♪ |
はなび | ……ちゃんとメイドやってるな。 なんか意外だ |
後輩アイドル | まあ、一応アイドルですし、 こういう、あざとく媚を売る仕事は 向いてるかもしれませんね |
……せっかくだし、なにか注文しましょうか! 先輩方はなに頼まれますか? やっぱりオムライスです? | |
りり | (……さらっとディスるとこ、 依子の後輩、って感じだなぁ……) |
りり | いやー、メイド喫茶って楽しかったね。 オムライスにお絵かきしてもらうとか ほんとにやってくれるんだ |
はなび | ……うさぎを描いてもらっただけで、 何の変哲もないオムライスが1,800円ってのは なかなかの価格設定だけどな |
後輩アイドル | あはは♪ 学園祭とかでやったらどうです? はなび先輩ならひと財産築けそうですけど |
はなび | 前向きに検討してみるよ |
りり | ………… |
はなび | ……りり? |
りり | ね、あそこにいるおじさん、なんか怪しくない? 依子がいるメイド喫茶を覗きこんでるけど…… |
おじさん | ………… |
はなび | ……メイドが好きだけど、 お金がなくて店に入れないとかじゃないのか? |
後輩アイドル | ……ん? ……あのおじさん…… ひょっとして…… |
おじさん | ……うーん……依子はどこにいるんじゃ……? メイドなんていかがわしい仕事、 どうにか止めんと…… |
後輩アイドル | あー、やっぱイコ先輩のお父さんだ。 ……まさか、私が送ったメールが…… |
りり | とりあえず、通報される前に 話しかけよっか…… |
依子の父 | ……これが……ワシ……? |
りり | ……誰これっ!? まるで別人じゃん。顔の形すら変わってるし…… 後輩ちゃん、凄いね |
後輩アイドル | ふっふ〜ん♪ メイク術には ちょっと自信があるんですよね |
依子の父 | ……これなら、依子にバレんかのう……? |
後輩アイドル | 私のテクニックは、イコ先輩じゃ見抜けないですよ♪ さぁ、店に乗り込みましょうか! |
依子の父 | ………… |
りり | ……怪しい見た目だけど、 依子にはバレてなさそうだね |
後輩アイドル | ふふん♪ ドヤぁ♪ |
依子 | ……あんたたち、なんでまた来たのよ |
はなび | あれ、メイドは笑顔が仕事なんじゃないのか? ほら、笑顔はどうした? |
依子 | ……くっ……! |
い、いらっしゃいませ、お嬢様♪ ゆっくりしていってくださいニャ♪ リコはお仕事に戻りますニャん♪ | |
後輩アイドル | はーい♪ イ――じゃない、えーと、リコ先輩! 頑張って下さい ね♪ |
依子の父 | す、すみません。 注文……いいですか? |
後輩アイドル | お、先輩パパが依子先輩に声かけましたよ! 広島弁を隠すのに必死みたいですね! |
りり | 後輩ちゃん、楽しんでるっしょ…… |
後輩アイドル | ん〜、なんのことですかねぇ♪ あ、すみませーん! チョコレートパフェくださーい♪ |
はなび | ……依子の親父さんにこのバイトの事教えたの あんただろ? |
後輩アイドル | あれ? バレました? |
りり | えぇっ!? そうなの? |
後輩アイドル | えへ☆ いや、先輩が面白いことになってるって 連絡しただけなんですけどね |
先輩パパ、メイド喫茶を知らなかったみたいで なんかえっちなお店と勘違いしちゃった みたいなんです | |
依子の父 | こ、コーヒーを1つもらえるかな? |
依子 | はーい。 『メイドパワー注入コーヒー』ですね☆ かしこまりですニャ♪ |
はなび | ……ふふ、実の娘にメイドとして接客されるなんて どういう気持ちなんだろうな、親父さんは |
りり | ……はなも楽しんでるね |
依子 | おまたせしましたニャ♪ では、リコが美味しくなるおまじないを かけさせていただくニャ♪ |
依子の父 | ……え? おまじない? |
依子 | せーの、 おいしくなーれ、もえもえ注入〜♪ びびびびー☆ |
依子の父 | え? え? ……え? |
依子 | これでリコのパワーがしっかり注入されて と〜っても美味しいコーヒーになったニャ♪ ご主人さま、どーぞ召し上がれ♪ |
依子の父 | あ、ありがとう…… |
依子 | それじゃあ、またなにかあったら リコを呼んでほしいニャ♪ ゆっくりしていってね♪ |
キモオタ | でゅふー! リコたん、拙者と一枚 写真をとってほしいでござるー! |
依子 | ごめんニャ。 リコのことは、チェキでしか撮っちゃダ〜メ☆ |
チャラ男 | ねーねーリコちゃん。 コーヒーで指、火傷しちゃってさぁー。 しゃぶって冷ましてよ |
依子 | 大丈夫かニャ? 救急車呼ぶ? 氷でも持ってくるかニャ? |
依子の父 | ……依子……あんな変態達の接客も 笑顔でやるなんて…… なんでそこまで……一生懸命に…… |
……い――り、リコちゃん、ちょっといいかな? | |
依子 | はぁ〜い。 ご注文ですか? ご主人さま♪ |
依子の父 | 一つ聞きたいんだけど…… キミは、なんでそんなに、この仕事を頑張るんだい? |
依子 | 急にどうしたのかニャ? ……でも、ご主人さまには特別に教えてあげるニャ |
みんなに、笑顔になってもらいたいから。 それが自分の仕事だから、一生懸命やってるの | |
メイドでもアイドルでも―― 人を笑顔にできるのは、一緒だから | |
……なーんて、真面目に答えちゃったニャ☆ そういうわけだから、ご主人さまの笑顔が い〜っぱい見たいのニャ♪ | |
依子の父 | ………… |
依子の父 | ありがとうね、連絡くれて。 メイドきっさ、っちゅうものは初めてじゃったけど 想像しとったようなお店じゃなくて安心したよ |
後輩アイドル | ならよかったです。 イコ先輩も頑張ってましたし、お父様としては 安心できましたかね? |
依子の父 | ……ああ。娘は東京に来てから 立派に成長しとるみたいじゃ…… |
……そいじゃ、わいは新橋とやらで 1杯引っ掛けてから帰るけぇ、 ここでお別れじゃ | |
後輩アイドル | はい! 気をつけて帰ってくださいね |
依子 | ……まったく、連絡もなしに来るなんて 何考えてるのかしらね |
りり | 依子!? ……ひょっとして、お父さんだって 気づいてたの? |
依子 | 当たり前でしょ。 何年親子やってると思ってるの。 あの程度の変装じゃ、イコの目はごまかせないわよ |
後輩アイドル | ……ごめんなさい、イコ先輩。 先輩のお父さんに、メイド喫茶の事話しちゃって |
依子 | ……いいわよ別に。 なかなか仕事してる姿を見せる機会もなかったし ちょうどよかったわ |
本当は、アイドルとして、ステージで歌ってる姿を 見せてあげたかったけどね | |
はなび | そうか。 なら、依子にメイド喫茶のバイトを紹介したのは 正解だったってことだな |
依子 | そうね。接客とか、変態のあしらい方とかも 覚えられたし、よかったかも。 本業の方でも活かせそうだしね |
はなび | だろう? そこまで見越して 私は依子にこの仕事を紹介したんだからな |
依子 | ……だけど―― |
――はなびの裏切り、 イコは絶対に許さないニャ♪ | |
りり | ……笑顔なのに笑ってない…… |