愛理 | こんにちは、 アイリが今日の天気をお届けします! |
突然ですが、あなたには夢ってありますか? | |
寝るときの夢じゃないですよ。 目標って言う意味の夢です | |
アイリは夢ってよくわかりません。 でも夢を持ってる人なら知ってます! | |
アキホはその夢のために 大きいロボットを造ってます! | |
夢があると人は元気になります。 でも、夢があるから人は元気が無くなります。 | |
夢って、なんなんでしょうか? | |
あき穂 | …どうしてだろうね。 ガンつく1、動いたよね? そりゃ、全然遅かったけど… |
海翔 | ……… |
あき穂 | でもさ…うちらの作ったロボットが… ちゃんと…ちゃんと動いたんだよ…? それだけでもすごいことじゃん… |
淳和 | あき穂ちゃん…その… |
海翔 | …ジュンちゃん、いこう |
淳和 | え…ええぇ… いいの? |
海翔 | …いこう |
敬 | 見学客も…みんな帰っちまったみたいだな |
淳和 | あの…みんな…その…ごめんなさい。 今日はせっかく来てもらったのに… |
セイ | いや、全然良いんですよっ。 僕は強引に来ちゃった所もありますし! |
レイジ | まぁ、俺は昴の奴が顔出せないっていうから 代わりに来たって感じだしな |
敬 | 俺たちもちょうど時間があったし、 気にしなくていいぜ |
オリビア | それより心配なのは… |
海翔 | ……… |
淳和 | あき穂ちゃん、大丈夫かなぁ… |
オリビア | もう何十分もガンつく1の前から 離れようとしていないですね… |
レイジ | ま、ガンつく1は動いたけど… 動き方があんなイマイチじゃな |
海翔 | そういうことじゃないと思うんだけどね… |
セイ | …うん。自分が良いって思ったものが 周りに評価されないってやっぱり悔しいよ… |
ラルさん | 稼働テストに見物客が 大勢集まったまでは良かったが… だからこそ、ショックが大きいのかもしれんな… |
オリビア | 海翔さん、あき穂さんに… 声をかけなくていいんですか? さっきも声かけてなかったみたいですけど… |
海翔 | …いや、やめとくよ |
淳和 | 八汐くん… |
海翔 | …この程度で諦めるなら、 それまでにしたほうが良い |
でも、諦めずにもう一度立ち上がるなら… 俺はその時を待つだけだよ | |
オリビア | それでも、ちゃんと待ってあげるんですね |
海翔 | え…? |
ラルさん | むぅ〜…むず痒くなるな! これが青春というものか! |
敬 | ひゅー! 青春、青春! |
海翔 | ちょ、ちょっとなにを勘違いして… |
オリビア | でも、それはそれとして。 ちゃんと声をかけてあげたほうが良いです。 あき穂さんもそれを待ってると思いますよ。 |
淳和 | うんうん… |
海翔 | …いいや、しないよ |
それでも俺に言うこと聞かせたいなら、 『キルバラ』で勝負して 勝ってからにしてもらいたいね | |
淳和 | また格闘ゲーム…? |
レイジ | お、良いぜ! ちょうど海翔には リベンジしたかったところだ! |
敬 | 乗った、乗った! |
オリビア | また始まった…。 こうなったら意地でも勝って、 あき穂さんを慰めてもらいましょ! |
ほら、淳和さんも! | |
淳和 | え、えぇ…えええ…!? |
海翔 | よっし…勝った…! |
レイジ | あー、くそ! また負けた! |
敬 | これだけいて何十回もやってるのに ひとりも勝てないなんて… |
海翔 | レイジ君、敬君はイイ線いってるけどね… 悪いけど、状況が状況だからね。 今回は勝たせてもらったよ |
レイジ | くそー…なんか勝てないんだよな… |
昴 | 八汐先輩… |
海翔 | あれ、昴くん… こなちゃんにアカリちゃんまで… |
フラウ | あ、暑い…テラヤバス… |
オリビア | フラウさん大丈夫ですか!? そんなぐったりして!? |
アカリ | あー、大丈夫、大丈夫。 この暑さで歩きたくないとか 言ってるだけだから |
フラウ | …ひ、引きこもりナメんな |
海翔 | 今日は来ないかと思ってたよ |
昴 | そのふたりは知りませんが、 僕はラルさんたちを迎えに来ただけです |
見物客もいなくなったことですし… 僕を訪ねてきた客人を 放っておく訳にもいかないでしょう? | |
敬 | フラウは? 外出てくるの珍しいじゃない。どうしたの? |
フラウ | …八汐先輩、 敬きゅんとオリビアたん借りていきまする |
海翔 | あ、うん…? |
フラウ | とと、というわけで… 物質電送装置の、エ、エネルギー問題は なんとか解決できたぜ |
敬 | 本当か! |
アカリ | 海翔君とフラウさんから『ゲジ姉』のこと 教えてもらったからね。 おかげで色々捗ったよ |
にしても、なんなんだろうねぇ〜 このゲジ姉と愛理ってのは… | |
ゲジ姉 | 『ゲジ姉』モードは簡潔に言えば、 ロボット型の全自動情報収集エンジンです |
『愛理』は、サーバー内に常駐して自発的に 情報収集、およびコミュニケーションを行う、 次世代型インターフェイスアプリケーションです | |
アカリ | あー、うん。 それは知ってる…何回か聞いたから。 聞きたいのはなんで人格変わること、かね〜 |
オリビア | 愛理さんの時は人間みたいに喋るのに ゲジ姉モードの時はなんでこんな 淡々としてるのかしら? |
ゲジ姉 | 役割が異なりますので |
フラウ | せ、説明になってるような、なってないような… |
敬 | とにかく、ようやく元の世界に帰れるんだな! |
フラウ | デュフフ…異世界召喚とか、 どこの、も、妄想小説かと 思っていた時期が私にもありますた… |
敬 | 異世界っていうか、 並行世界なんだけどな… |
まぁ、俺たちが別の世界の人間って、 すぐ信じてくれたのは ありがたかったよ | |
アカリ | 「異世界召喚キターーーー!」って むしろ乗り気だったしなぁ〜 |
オリビア | そうですね。 ここ1ヶ月、野宿せずにすんだのは フラウさんのおかげですから |
あの…迷惑じゃありませんでした? | |
フラウ | お、面白い体験できたから大丈夫だ。問題ない。 敬きゅんとアカリたんのチート級スキルも 堪能できたし…デュフフ |
そそ、それより、あとはいつ帰るか。 さすがに、ひ、日が高いうちは 人目についてバレる | |
アカリ | じゃあ、決行は今日の夜かね〜 なるべくひっそりと帰りたいし |
敬 | あ〜…もし時間あるなら ちょっと待って欲しいかな |
アカリ | ん? なんかあるの? |
オリビア | あき穂さんのこと、ちょっと気になるから… |
あき穂 | そんなの絶対だめだよ!! |
昴 | ですから、こうやって説明してるんでしょう!! |
フラウ | ぶ、部長先輩とメガネ…? |
オリビア | なにかあったのかしら…? |
敬 | 行ってみようぜ! |
オリビア | どうしたんですか? 言い争ってる声が聞こえましたけど… |
セイ | あ、うん…ちょっとふたりがさ… |
昴 | …些細なことです。 僕はガンつく1の製作を やめたほうがいいと言っただけです |
敬 | ガンつく1を造るのやめるって… そりゃないだろ? |
昴 | 今日の稼働テストを見たでしょう? |
あの機体は、安全性だって保障できてない。 だったら別の機体を… | |
あき穂 | そんなのダメだよ! ガンつく1はロボ部の夢… ロボ部の宝なんだよ!? |
アカリ | …おいらはメガネ君の言うこと まっとうな意見だと思うけどね。 なんでそんなにあれに固執してるのさ? |
海翔 | あれは、アキちゃんの姉… 瀬乃宮みさ希の代から設計されたものなんだよ |
セイ | 瀬乃宮みさ希って… 昔、ホビーロボット大会で優勝した人だ |
敬 | そんなお姉さんが設計したんなら、 そりゃ完成させたいよなあ |
昴 | …今のガンつく1はその設計から かなりずれてしまっているようですけどね |
あき穂 | お姉ちゃんが設計したからだけじゃないよ… ガンつく1にはロボ部だった人たちの 色んな想いがたくさん詰まってるの! |
だから、ガンつく1は、 うちにとって…ロボ部にとって宝なんだよ!! | |
昴 | ですから、想いだけじゃどうにも… |
???? | ほぉう…そのロボットがお宝か? |
あき穂 | え…? |
ホーンガイスト | お宝をよこせえ!! |
レイジ | う、うわ!? なんだあのでかいやつは!? |
セイ | あ、あれってまさか… ガイスター…!? |
フラウ | ま、間違いない…。 @ちゃんねるにも、 ネットニュースにも載ってたし… |
プテラガイスト | お宝はあれか… よし、ホーンガイスト、お宝を奪え。 エネルギーボックスを取り付けても良いぞ |
ホーンガイスト | ああ!? 俺に命令するんじゃねえ! |
プテラガイスト | なんだと! ダイノガイスト様が倒れた今、 まとめ役はこの俺だぞ! |
ホーンガイスト | 誰がテメエなんかに!! |
アーマーガイスト | お、おい…そんなことしてると… |
ラルさん | みんな、奴らはガンつく1が狙いのようだ! 今のうちに早く逃げるぞ! |
あき穂 | だめだよ… ガンつく1は放っておけない! |
海翔 | 行くな、アキちゃん!! |
あき穂 | カイ、お願い! 離して! ガンつく1が取られちゃったら…! |
海翔 | 行ってどうするの!? 危険なだけでしょうが! |
あき穂 | ダメなの! あれは…うちの大切な…! |
プテラガイスト | フン、ホーンめ…勝手にしろ。 ならば俺が… |
あき穂 | だめぇぇえええええ! |
???? | そこまでだ、ガイスター! |
あき穂 | な、なに…? |
キングエクスカイザー | 人々の宝は奪わせないぞ、ガイスター!! |
敬 | ま、また別のロボット…!? |
ホーンガイスト | エクスカイザーの野郎、追って来やがったか! |
あき穂 | エ、エクスカイザーだ…。 え、嘘、え、え、え! 本物だーーっ!? |
コウタ | 淳和お姉ちゃん! |
淳和 | こ、コウタ君!? どうしてコウタ君が…!? |
昴 | 大徳先輩… その少年は… |
淳和 | あ、あの、えとえと… この子はね、昔ここに旅行で… それで、その時に迷子に… |
コウタ | 話は後でするよ! 今はエクスカイザーにまかせて みんなも安全な所に! |
海翔 | アキちゃんも今度は逃げてもらうよ。 いいよね? |
あき穂 | う、うん…! |
エクスカイザー、頑張ってー! ガイスターなんて、やっつけちゃえーっ! | |
ホーンガイスト | へっ…はるばるご苦労なこったな! 宇宙裁判所から追ってくるとは! |
キングエクスカイザー | まさか地球に脱獄を図るとは…! だが、もうここまでだ! お前たちをもう一度逮捕する! |
プテラガイスト | いい気になるなよ… 俺たちが何の策も用意してなかったと思うか? |
これでもくらえっ!! | |
エクスカイザー | な、これは!? |
プテラガイスト | 上手く合体解除できたようだな。 これで貴様はキングエクスカイザーにも ドラゴンカイザーにもなれやしない |
エクスカイザー | まさか、今の光線が!? |
ホーンガイスト | テメエ専用の対策装置さ。 このまま一気に叩きのめしてくれる! |
プテラガイスト | 何言ってんだ。 ここはさっさとお宝を奪ってずらかるぞ |
アーマーガイスト | なんでだよ? |
プテラガイスト | こういう時に調子に乗って負けてきたのが、 前の俺たちだろうが。 ここはさっさとお宝を奪うのが一番だ |
見てみろ、エクスカイザーも 準備すりゃなんとでもなる | |
ホーンガイスト | チッ、仕方ねえな |
エクスカイザー | くっ、待て…! |
アーマーガイスト | はっ、そう簡単に追ってこさせるかよ! こいつらの相手でもしてろ! |
エクスカイザー | くっ、ガイスターめ! まだこんなものを残していたのか!? |
アーマーガイスト | 俺たちを追って来たきゃ好きにしな! その代わり、放っておいたらそいつらは 好き勝手に暴れ回るぜ! |
プテラガイスト | じゃあな!! |
あき穂 | あ、ガンつく1が!! |
エクスカイザー | くっ、コウタや彼女たちを見捨てるわけには… 仕方ない…! |
アカリ | なんとかガイスターのロボットは 倒せたみたいだ… |
フラウ | け、けど、その代わりに… |
あき穂 | ガンつく1… |
淳和 | えと、あの、エ、エクスカイザーさん、 ありがとうございました… |
エクスカイザー | すまない…君たちの宝を守れなかった… |
あき穂 | ううん、エクスカイザーは うちらを守ろうとしてくれたんだから… |
昴 | ですね。 おかげで助けられました。 ありがとうございます |
あき穂 | ……… |
セイ | ねえ、エクスカイザー、 どうしてガイスターはガンつく1を? |
エクスカイザー | 奴らは地球の宝を奪おうとしている。 君たちのガンつく1が宝であれば、 それを理由に狙われたのだろう |
コウタ | あいつら、宝って呼ばれるものは 何でも奪おうとしちゃうんだ |
昴 | それであんな不完全なものまで… |
海翔 | 昴くん… それ、言い過ぎじゃない? |
昴 | …僕は事実を言ったまでです |
ですが、言葉が過ぎたかもしれません。 すみませんでした | |
コウタ | ねえ、エクスカイザー、 あいつら、ガンつく1に エネルギーボックスをつけようとしてたよ… |
エクスカイザー | 宝にエネルギーボックスを…? 以前の遊園地の時と同じか… |
ラルさん | そのエネルギーボックスが取り付けられると どうなるというのだね? |
コウタ | あれが付けられると、どんなものでも 悪いロボットになっちゃうんだ |
アカリ | それって、さっきの橋のロボットみたいな…? |
コウタ | うん。淳和お姉ちゃんには、前に 僕がここに来た時、話したことあったでしょ? |
淳和 | うん…あの話、全部本当だったんだね |
レイジ | …それで、これからどうすんだよ? |
あき穂 | 取り返すよ、ガンつく1を… すぐに探しに行かなきゃ… |
エクスカイザー | 人間がガイスターの相手は危険すぎる… 君たちの宝は私が必ず取り戻す。 ここで待っていてくれないだろうか? |
あき穂 | で、でも…! |
海翔 | いや、エクスカイザーの言う通りだよ |
あき穂 | カ、カイ… やだな、なんか怖い顔してる… |
海翔 | 隠そうとしてもダメだよ。 約束忘れたの? 体調、大丈夫じゃないよね? |
あき穂 | …! |
オリビア | え、な、なに? どういうこと? |
あき穂 | …ごめん、カイ。 ごめん…みんな… |
海翔 | っと…! |
淳和 | あき穂ちゃん!! |
あき穂 | ……… |
海翔 | (やっぱりアキちゃんに発作が出てる…。 ガンつく1のことで興奮しすぎだよ…) |
(みんなには悪いけど、 離れてもらって正解だった…) | |
(今のアキちゃんは数分が1秒に感じてるはず…。 ぼーっとした顔みんなに見られるのは 本人もさすがに嫌だろうしね…) | |
(うぐぁ…) | |
(まさか俺も…? 気づかない間にストレス感じてたとか…?) | |
(本当…やめてほしいね、まったく) | |
淳和 | あき穂ちゃん大丈夫かなぁ… |
アカリ | 海翔君がみてるから大丈夫だと思うけど… 熱中症かね…? |
昴 | たまに起こるみたいですよ。 詮索すると嫌がられるので詳細は知りませんが |
レイジ | それで…お前ら、ガンつく1はどうするんだ? |
フラウ | ガ、ガンヴァレルの名前がついたロボットが 悪に染まる…て、展開的にはおいしいけど ダメ! 絶対! |
淳和 | あたしも取り返したい… あき穂ちゃんの大事な、 みんなで造ったものだもん…! |
ただ…方法は…わからないけど… | |
エクスカイザー | 気持ちはわかるが、闇雲に行動すれば危険だ。 私は君たちが危ない目に遭うのを 見過ごすことはできない… |
昴 | 僕もエクスカイザーに賛成ですね。 わざわざ危ない目にあってまで 取り返しに行く必要は無いように思えますが? |
セイ | 昴先輩…でも、 ホビーロボットを造り続けてきた先輩なら 気持ちがわからないわけじゃないでしょう? |
昴 | それは… |
ラルさん | 何か…打つ手があれば良いのだがね… |
敬 | ……… |
コウタ | どうにかならないの…? エクスカイザー |
エクスカイザー | …ここは、私がひとりで行くべきだ |
コウタ | でも待ってよ。エクスカイザーだって、 さっきの装置で合体ができないんだよ? |
いくらエクスカイザーだからって ひとりは危ないよ! | |
あき穂 | み…みんな… |
オリビア | あき穂さん!? もう起きて大丈夫なんですか? |
海翔 | 本当はもう少し休んでた方が良いんだけど、 起きるって聞かなくてさ… |
あき穂 | ねえ…みんな… うち…ガンつく1を取り返したい…! |
アカリ | ……… |
海翔 | アキちゃん… |
敬 | その方法があればいいんだろ? |
アカリ | 方法なら、あるんだなぁ、これが |
海翔 | …どういうこと? |
オリビア | 敬、アカリさん!? まさか…!! |
敬 | 俺たちなら、ガイスターに対抗する 方法を提供できるかもよ。 ま、あくまでも可能性の話だけどね |
あき穂 | 可能性でも良い…話を聞かせて |
エクスカイザー | こ、これは…!! |
敬 | これが物質電送装置とレザリオンさ! |
フラウ | と、等身大ロボット… 中身は、ハ、ハリボテ…とか… |
エクスカイザー | いや、この地球には存在しないような 電子系統でできている…本物だろう |
昴 | これだけのロボットは まだどこの企業だって開発できてないはず… |
コウタ | じゃ、じゃあ、本当にアカリお姉ちゃんたちって 並行世界からきたの…? |
アカリ | だからそう言ったじゃん? |
淳和 | ふ、普通は、すんなり信じられないよぉ… |
レイジ | そうかぁ? そういうこともあるだろ? |
あき穂 | すごい…すごいよ! こんなの見せられたら…たぎるしかないじゃん! |
敬 | 俺たちの世界じゃ、レザリオンは 物質電送装置のおかげでデータから実体化できた |
アカリ | だったら、同じ原理で…ガンヴァレルを 実体化できるかもしれない |
フラウ | わ、私のガンヴァレルのデータが…! デュフ…デュフフ… |
オリビア | 敬…言っちゃって良かったの? ようやく元の世界に帰れる算段が立ったのに… |
あき穂 | それって大丈夫…? ちゃんと帰れるよね? |
敬 | 大丈夫だよ。帰れなかったとしても この状況を放っておけるわけないだろ? |
オリビア | …そうね。私も放っておけないわ |
あき穂 | ありがとう…! ありがとうしか言えないけど… 本当に…ありがとうだよ! |
昴 | ですが、実体化はそちらの世界でも、 うまくいかなかったのでしょう? |
オリビア | そうですね… でも、この世界にはアカリさんや敬たちがいて、 フラウさんがいて、ゲジ姉のデータベースがある |
愛理 | ゲジ姉も、ですか? |
敬 | そう、俺たちの世界にいない スペシャリストがふたりも居るんだ。 やってみる価値はあるってことだよ! |
セイ | でも、たった4人で、 そんなことできるのかな… |
あき穂 | やろう…わずかでも可能性があるなら! |
昴 | …いえ、部長はおとなしく寝ててください |
淳和 | そうだよ、あき穂ちゃんは横になってて。 心配かもしれないけど、 あ、あたしたち…がんばるから…!! |
フラウ | ももも、妄想が具現化しちゃうとか… ムハー! たまらん展開!! 部長先輩…後は任せろ! |
あき穂 | みんな… |
昴 | …八汐先輩、さっきから黙ってますけど 先輩はどうしますか? |
海翔 | 昴くんって、さっき否定的な 意見出してなかったっけ…? |
昴 | …先程は勝算がありませんでしたからね。 勝算のない話には乗りません |
レイジ | そんなこと言ってるけど、 こいつがハンガーに来たのだって 結局、海翔たちが心配だったんだぜ? |
昴 | にゃ、にゃぜそのことを…!? |
ラルさん | ハッハッハ。 バレてしまったな、スバル君 |
海翔 | へえ〜…昴くんがねえ… |
昴 | …あー、もういいですよ…! 勝算があるなら、僕もガンつく1を取り返したい |
先輩はどうなんですか? | |
あき穂 | カイ… |
海翔 | …わかった、俺もやるよ |
あき穂 | カイならそう言ってくれると思ったよ! |
エクスカイザー | 私も手伝おう。 戦う力が増えたとしても、 君たちを守るのが私の役目だ |
コウタ | ねえ、僕も手伝えることある!? |
アカリ | そうだねぇ、まずはガイスターの アジトを見つけにゃ話にならんからな〜。 魔法少女アカリちゃんの手伝いをしてもらおうか |
コウタ | え、魔法少女…? |
ラルさん | よし、みんな! 手分けしてやろうではないか! |
海翔 | アカリちゃん、ガイスターは見つかりそう? |
アカリ | あわてなさんなって… |
魔法少女をなめるなよぉ〜!! ロジカル…ロジカル… アカリちゃんの思い通りになれぇ〜 | |
コウタ | す、すごい速さで…指が… |
昴 | (でも、ロジカルって魔法じゃないんじゃ…) |
フラウ | キタキタキタキタ… キターーーーーーーーー! |
淳和 | 本当に…実体化しちゃった… |
昴 | ちょうど良かった。 ガイスターの居場所も把握できましたよ |
コウタ | すごいや…本当に魔法みたいだったよ! |
あき穂 | みんな、ガンつく1のためにありがとう… |
アカリ | ま、この魔法少女アカリちゃんにかかれば、 敵のアジトを見つけるなんて 朝飯前ってもんさ |
昴 | あとは、この実体化したガンヴァレルの パイロットですが… |
あき穂 | それは、うちがやるよ |
淳和 | え、え…あ、あき穂ちゃん…? |
海翔 | ダメだよ。 アキちゃんを乗せられるわけないでしょ |
あき穂 | でも、みんなが頑張ってくれたのに、 うちだけなにも… |
海翔 | 今ここで無理したら、もうロボット 造れなくなるかもしれないんだよ? |
今のアキちゃんが望むこと、 どうしても達成したいこと…その一番は、なに? | |
あき穂 | ……… |
アカリ | あー…あき穂さんにはおいらたちと一緒に 合体解除装置、奪取の手伝いをお願いしたい |
敬 | エクスカイザー用って言ってたけど、 合体解除なら、もしかしたらレザリオンも、 合体を解除させられちゃうかもしれないしね |
海翔 | だってさ。 アキちゃんはそっちをお願い |
あき穂 | …わかった でも、それならガンヴァレルには誰が乗るの? |
フラウ | ゲ、ゲームデータから 実体化したガンヴァレルは… ど、どうやら操作方法がキルバラと…同じ |
敬 | だから、この中で一番キルバラが うまい人に乗ってもらいたい |
あき穂 | …! |
昴 | ということは… |
海翔 | …なら、俺しかいないね |
あき穂 | そんな…! ねえ、カイだって危ないんだよ!? |
海翔 | …アキちゃんさ アメちゃんある? |
あき穂 | え、うん。あるけど…? |
はい | |
海翔 | ありがと。後で返すよ。 戦いが終わったあと、さっきの返答と一緒にさ |
あき穂 | …! |
海翔 | さてと…。 それじゃあ…行きますか! |
ホーンガイスト | 俺とアーマーガイストに合体しろだと!? |
アーマーガイスト | なんで俺たちなんだ。 そのお宝につけりゃいいんじゃねえか? |
プテラガイスト | お前らがハシダーをばらまきすぎたせいで、 エクスカイザーと戦う戦力が足りないんだよ |
アーマーガイスト | なら準備を整えてから戦うとかどうだ? |
プテラガイスト | アホか。 あいつのことだ。 俺たちの居場所なんてそのうち見つけてくる |
幸い、この特別製のエネルギーボックスを 仕上げることができた。これがあれば無敵だ | |
ホーンガイスト | 何倍にもパワーが上がるのはもう聞いた。 だからなんで俺たちなんだよ? |
プテラガイスト | 過去の合体に成功したパターンで 試すのが一番なんだよ |
あー、サンダーガイストがいれば 俺が合体したんだがな | |
ホーンガイスト | お前が脱獄の時に囮にしたんだろうが! |
プテラガイスト | そんな昔のことはもう忘れたな |
アーマーガイスト | お前… |
エクスカイザー | 見つけたぞ、ガイスター! |
ホーンガイスト | …!? |
敬 | 良かった! ガンつく1は無事だ! |
海翔 | なら、さっさと取り返しますか |
アーマーガイスト | なんかロボットが増えてんぞ |
プテラガイスト | こりゃますます合体するしかなさそうだぜ。 さあ、どうする…? |
ホーンガイスト | てめえ、覚えてやがれよ! |
やるぞ、アーマーガイスト! | |
アーマーガイスト | おう! |
ホーマー | うおおおおおーっ! |
敬 | 合体したぞ! |
エクスカイザー | ホーマーか! 奴の相手は私が…! |
プテラガイスト | おっと、エクスカイザーと そっちの四角いロボットは こいつらの相手をしてな! |
エクスカイザー | うぐっ! |
敬 | チッ、敵があんなに隠れてやがったのか! |
海翔 | エクスカイザー! 敬君! |
ホーマー | よそ見をしている暇があるのかよ! |
海翔 | ぐっ、何て馬鹿力… 重量級かよ…! |
ホーマー | ったく、プテラガイストの野郎。 なにが戦力が足りないだ。 しっかり残してやがるじゃねえか! |
このままじゃ腹の虫が治まらねえ。 1匹ずつ念入りにぶっ倒してやるぜ! | |
海翔 | …うっかりしてると吸われて 投げられるパターンね。 厄介だな… |
うぐっ… | |
(こんな時に…? 最悪なタイミングでやってくるね… やっぱやめとくべきだったかも…) | |
ホーマー | へへっ、どうした? エクスカイザーやあっちのロボットの助けが なくなってビビってやがるのか? |
海翔 | (そうだな…。 俺はエクスカイザーや敬君みたいに いかにもヒーローってやつじゃない…) |
(…けどさ、目の前にアレが… ガンつく1があるんだよねぇ…。 ならさ…) | |
ここで逃げちゃ駄目でしょ! |
昴 | ここまで来たこと、 敵には気づかれてはないようですね… |
ラルさん | うむ…。 だが、何が起こるかわからん。慎重にな |
オリビア | ねえ、大変! あれを見て…! |
セイ | な、八汐先輩がひとりに!? 押されてるじゃないですか!? |
コウタ | あれ、ホーンガイストと アーマーガイストが合体してるんだ! だから強いのかもしれない…! |
あき穂 | 合体…? それなら合体解除装置、 そのまま敵に使えないのかな!? |
フラウ | そ、それだ! 試してみる価値はある! |
アカリたん、で、できそう? | |
アカリ | もち、オッケーだぜぇ〜! |
レイジ | よし、早いとこ装置を見つけるぞ! |
あき穂 | 待ってて、カイ! みんな! |
敬 | 海翔、無事か! |
エクスカイザー | すまない、手間取ってしまった… |
海翔 | 敬君、エクスカイザー… |
うぐっ… | |
敬 | 海翔!? |
海翔 | だ、大丈夫だよ…。 それより、あいつをどうにかしないと |
ホーマー | フン! 今さら集まったところでな! |
プテラガイスト | ハハハハ、 良い調子じゃねえか |
ホーマー | 何見てやがる! お前も戦え! |
プテラガイスト | まあ、俺の分までせいぜい頑張ってくれ |
ホーマー | なにを!? |
あき穂 | ねえ、みんな! あれって装置だよね!? |
ホーマー | クソ、ちょこまかと… |
これでもくらえ! | |
あき穂 | カイーーー!! |
海翔 | まずっ…! |
(スローモー!? このタイミングで…!?) | |
(きつい… けど! それならこれを使って…!) | |
ホーマー | 避けられただと!? |
プテラガイスト | 今の動き…あいつ、何をしやがった!? |
ホーマー | 1回避けたぐらいで…! |
アーマーガイスト | ぐわ!? 合体が解けちまった!? |
プテラガイスト | なに、あれは!? |
アカリ | 悪いけど、この装置は使わせてもらったぜぇ〜 |
フラウ | ア、アカリたんが一晩でやってくれました… |
海翔 | みんな… |
昴 | 今です!! |
淳和 | 頑張ってぇ! |
敬 | オッケー! |
エクスカイザー | 容赦はしない! |
あき穂 | カイ、やっちゃえーーー! |
海翔 | うおおおおおおおおっ!! |
あき穂 | いっけぇーっ!! ガンヴァルアンク…ストライカァァァ!! |
ホーンガイスト | ぐわああああー |
あき穂 | ありがとう、みんな。 みんなのおかけでガンつく1が取り返せたよ |
敬 | へへっ、 特にどこも壊れてなくてよかったな |
エクスカイザー | 君たちのおかげで、脱走したガイスターも 捕えることができた。ありがとう |
ゲジ姉 | ガイスターはエネルギー生命体。 それが地球上の展示物に憑依し 先程のロボットに…情報、更新します |
敬 | またゲジ姉のデータベースの情報が増えたな… |
コウタ | エクスカイザー…また行っちゃうんだね… |
エクスカイザー | コウタ…すまない… |
コウタ | ううん! エクスカイザーのおかけで、 僕、また友達がいっぱい増えたんだもん! 今度は泣かないよ! |
淳和 | コウタ君…かっこいい |
コウタ | へへっ! |
昴 | それで…この実体化したガンヴァレルは どうするんですか? こんなもの見つかったら… |
オリビア | あ… |
セイ | き、消えちゃった… |
昴 | ……… |
レイジ | 昴…どうした? |
昴 | …いえ、別に |
セイ | もしかして、気になってたんですか? |
昴 | にゃ!? そんにゃわけないでしょう…! |
アカリ | あーあ、消えちゃったかー。 せっかく成功したと思ったんだけどねぇ… |
敬 | まあまあ。また一緒に実験やりましょ |
あき穂 | ちょっと乗ってみたかったなー、残念 |
海翔 | アキちゃん… |
あき穂 | カイ…。 うち、答え出たよ |
海翔 | …どんなの? |
あき穂 | またロボットが造りたい。 ロボットを造ってお姉ちゃんに追いつきたい。 それが、うちのやりたいことだった! |
方法はひとつじゃない。 それを、みんなが教えてくれたんだ | |
海翔 | そっか |
淳和 | 八汐くん、 いつものあき穂ちゃんに戻ったね |
海翔 | さあ、どうだかね… |
オリビア | じゃあ、ガンヴァレルは実体化したし、 次は別のロボット造るのとかどう? |
あき穂 | それはダメだよ! あくまでも、うちらだからこそ造れる ガンヴァレルを造らなきゃ! |
むしろ、一度実体化したからこそ、 あれを目指して造ろうって、燃えてくるよね! | |
敬 | ったく、オリビアはわかってないぁ |
オリビア | それはすみませんでしたね! |
アカリ | へへ… |
フラウ | どうしたの、アカリたん? |
アカリ | 今までひとりでいることが多かったから… チームもいいもんだなぁ、って思ってさ |
セイ | そうですね、部活のみんなで 何かするって、ちょっと憧れますよね |
アカリ | お、話がわかるねぇ、少年 |
あき穂 | んん〜〜! なんか、熱いね! |
走るよ、カイ! あの夕日に向かって! | |
海翔 | 走らないよ |
あき穂 | なんで!? そんな冷たいと、んにゃろーの刑だよ! |
海翔 | はいはい… |
あき穂 | よーし…なんかなんでもできる気がしてきたよ! うち…今、猛烈にたぎってきた! |