5pb.祭り2016 スマホでADV体験
Robotics;Notes


海翔「はぁ……」


あき穂「やっと着いたね……」


淳和「ここが……秋葉原……」


愛理「…………」


海翔「ていうかさ、東京ってなんでこんなに広いんだ
ろね」

あき穂「ほんとだよ。新宿も渋谷も池袋も……どこもど
こもビルばっかり」

海翔「無駄に物ばっかり溢れててさ。こんな所によく
住めるもんだよね」

「まあ、それも慣れればたいしたことはないはず
ですよ」

フラウ「デュフフ。都会ものぶるメガネ、テラワロス」


淳和「愛理ちゃんのほうは大丈夫だった?」


愛理「はい。今のところ、どこにも以上はないそうで
す」

海翔「種子島じゃ、なかなか細かい検査まではできな
いからね」

「だからって、全員でついてくる必要はなかった
でしょうに」

あき穂「でもさ、来れてよかったよね。ロボ博も無事に
見れたし」

「おかげで部費はすっからかんですが」


あき穂「そこはほら、次の世代が頑張ってくれるってこ
とで!」

「だそうだぞ、古郡」


フラウ「メメ、メガネがコスプレ写真集でも売って稼ぐ
べき」

あき穂「コスプレって、ミスター・プレアデスの?」


「お断りだ!」


フラウ「え、映画のヒーローのコスプレならどうか」


淳和「ヒーローならいいんじゃない?」


フラウ「ちな、ブリーフ一枚で女ものパンティー被った
ヒーローな」

「ふ・ざ・け・る・な!」


海翔「(やれやれ。みんなの希望を聞いて、帰る前に
秋葉原まできたはいいけど……)」

海翔「(大丈夫なのかね……)」


海翔「さてと、それぞれ行きたいところがあるって言
ってたけど……」

「……あれ?」


「(誰も……いない……)」


「(言ったそばからはぐれたみたいだね……)」


「(どうしたもんかな……)」



ツイぽに投稿しますか?
投稿する 投稿しない

《投稿する》
海翔「…………」


「これで良し、と」


「(なんとなく今いる場所をあげておけば、適当
に合流するでしょ)

「とはいえ……ひとりになったところで、特にや
ることないんだよね」

あき穂「あ、カイ、見つけた!」


海翔「アキちゃん?」


あき穂「も〜。どこ行ってたのさ。探したんだからね」


海翔「俺は普通に歩いてただけだよ。アキちゃんこ
そ、どこ行ってたの」

あき穂「うちはほら。建物とか眺めながら歩いてたら、
いつの間にかはぐれちゃってて……」

海翔「(典型的なおのぼりさんじゃないか)」


「そもろも、アキちゃん、東京は初めてじゃない
でしょ」

あき穂「そうだけど、アキバは初めてだもん」


「それにしても凄いよね、ホント」


「さっき道聞いたんだけど、その人がすっごく可
愛い人で……」

「でも実はその人、男の人でさ。びっくりしちゃ
ったよ、ほんと」

「あんな可愛い男の人もいるんだねぇ……」


海翔「ふ〜ん」


あき穂「カイも見てみたいでしょ? 確か、あっちの方
に……」

海翔「悪いけど俺、そういう趣味はないよ」


あき穂「そう? 絶対ビックリすると思うけどなぁ」


海翔「それより、他の皆は?」


あき穂「え? カイ、一緒じゃなかったの? てっきり
はぐれたのはうちだけだと思ってたけど」

海翔「(みんな好き勝手バラバラになったみたいだ
な)」

「(ツイぽにもまだ連絡きてないみたいだ
し……)」

あき穂「どうする? 探したほうがいいかな?」


海翔「そうだな……」



ツイぽに投稿しますか?
投稿する 投稿しない

※「なんとなく今いる場所を〜」の末尾に【」】がないのは原文ママ。
※「そもろも」は原文ママ。



《投稿する→投稿する》
愛理編【女の子のお買い物】
海翔「とりあえず投稿しといたよ」


「愛理ちゃんだけは早く合流したいんだけどさ。
一応これでお保護者だからね」

あき穂「電話やメールは?」


海翔「それが、カバンに入れっぱなしなのかマナーモ
ードなのか……」

あき穂「そっか……」


海翔「ん? ね、あれ……あそこにいるのって……」


あき穂「あ、あれ、ジュンじゃない?」


海翔「だよね? 何してるんだろ?」


淳和「…………」


あき穂「なんか、おろおろしてるみたいだけど……」


海翔「ひょっとして……迷子?」


あき穂「おーい、ジュン!」


淳和「八汐くん! あき穂ちゃん!」


「わーん、よかったよ〜! やっと見つかった
〜!」

「気づいたらみんないなくなってるし、変な人に
声かけられるしで、怖かったよ〜」

海翔「変な人?」


淳和「うん。なんかおっきくて不思議なしゃべり方す
る人」

「『ちょい、そこのもえもえ褐色肌のお嬢さん。
ああ、別に怪しいものじゃないですお』っ
て……」
海翔「それで逃げ出したの?」


「…………」


あき穂「なにか気になるの、カイ?」


海翔「いや、それって、もしかしたらジュンちゃんが
困ってそうだから、声かけてくれたのかな……
って」
淳和「え? だったら悪いことしちゃたかも……」


あき穂「その人はどこに?」


淳和「えっと……ごめん、走って来ちゃったからわか
らない……」

「あうぅ、悪いことしちゃった……」


海翔「(ま、しょうがない。縁があれば、そのうち会
うこともあるかもしれないし……)」

「ていうかさ、ジュンちゃん。困ったならメール
なり電話なりすればよかったのに」

淳和「あ、そっか……」


海翔「(それすら忘れるくらいテンパってたってこと
か……)」

「そうだ、ジュンちゃん。愛理ちゃん見なかっ
た?」

淳和「いえ……あ、ううん、待って。ほら、あれ。あ
のお店から出てきたの、愛理ちゃんじゃ……」

あき穂「あ、ほんとだ。おーい、アイリー!」


海翔「良かった。こんなところにいたんだ」


愛理「い、いえ。ちょっと……」


海翔「ん? 愛理ちゃん、なにか落としたよ?」


愛理「あ、それは……」


あき穂「なに、これ、本? それにしては随分薄っぺら
いけど……」

淳和「ほんとだ……って、え? これ……」


あき穂「うわっ!」


淳和「わわわわっ!」


海翔「あの……愛理ちゃん……?」


愛理「えっと……これはその……」


「……東京秋葉原は南西の風、晴れ、ときどき曇
り、でしょう」

海翔「いや、そういう時だけゲジ姉になってもダメだ
から……」

※「これでお保護者」は原文ママ。「これでも保護者」か。
※「悪いことしちゃた」は原文ママ。


《投稿する→投稿しない》
あき穂編【疾風怒濤のアキハバラ】
あき穂「あ、あのさ、カイ。別に無理に合流しなくても
いいんじゃないかな?」

海翔「でも、何かあったら困るでしょ」


あき穂「みんな子どもじゃないんだし、大丈夫だよ」


「それよりさ、その……せっかくだから、一緒に
ぶらぶらしない?」

海翔「どこか行きたいところ、あるの?」


あき穂「それは特にないけど……」


海翔「だったら、みんなで合流したほうがいいでし
ょ。これだけ人が多いなか、無駄に歩いても疲
れるだけだし」
あき穂「う〜、もう〜!」


海翔「どうしたの、アキちゃん?」


あき穂「わっかんないな、カイは! うちはカイとふた
りで歩きたいって言ってるの!」

海翔「え?」


あき穂「せっかく東京まで来たんだしさ……少しくらい
はふたりの時間があっても、いい……じゃ
ん……」
海翔「アキちゃん……」


あき穂「ダメ……かな?」


海翔「いや。うん、そうだね。せっかくだし、少しふ
たりで歩こうか……」

あき穂「カイ……」


海翔「……えっと、それじゃあ……」


あき穂「う、うん。行こっか……」


あき穂「……カイ」


海翔「ん?」


あき穂「実はさ……うち、いつかこういう風にしたいっ
て思ってたんだ」

海翔「こういう風?」


あき穂「カイとふたりでこうやって、都会の街を歩いた
り……それから、ああいうオシャレなカフェで
お茶したり……」
海翔「前に東京きた時だって、ふたりだったでしょ」


あき穂「それはそうだけど、あの時とは違うじゃん」


海翔「(アキちゃん……)」


あき穂「や、やっぱり変かな?」


海翔「いや、そんなことないよ」


「(アキちゃんも、やっぱり女の子だね。いつま
でもロボットロボット言ってるわけじゃないっ
てことか……)」
あき穂「ああああああっ!!」


海翔「どうしたの、アキちゃん?」


あき穂「あそこ!!」


海翔「あ、アキちゃん!? どこ行くの!」


あき穂「見て見て、ほら! このガンヴァレル! 限定
販売でどうやっても手に入らなかったやつ!!」

「うわぁ、欲しいなぁ。あー、でもさすがに高い
なぁ……」

「あー! これは、イベントで販売されたってい
うグッズ!」

「こういうのって、地方じゃ手に入らないんだよ
ね!」

「いいなぁ、欲しいなぁ……」


海翔「(前言撤回。やっぱりアキちゃんはいつまでも
アキちゃんだよね……)」


あき穂「うぅぅ〜、たぎるぅ〜〜!!」




《投稿しない》
海翔「……ま、いいか」


「無理に合流しなくても、みんなそれぞれ好きな
ようにやるだろうし」

「……とはいっても、ひとりだと特にやることな
いんだよね」

「……しょうがない。とりあえずひと通りぶらぶ
らしてみようか」

海翔「(うわ……この辺りはすごいな。電気店にメイ
ドさんに……戦国武将みたいな人もいる
し……)」
海翔「ん? あれは……」


「いや、でもまさかこんなところに……」


澤田「おや?」


「八汐海翔……?」


海翔「やっぱり……」


澤田「どうして君がこんなところにいるんだ?」


「ああ、そういえば、ロボ博なんてのがやってた
な。なるほど、あれを見に来たのか」

海翔「それだけじゃないけどね。そっちこそ……」


「(でも、ここって、どう見ても……メイド喫茶
だよな?)」

「もしかしてそういう趣味?」


澤田「限定メニューがあると言うのでな。気になって
来てみた」

海翔「限定メニュー?」


澤田「マカロンをふんだんに使ったケーキだ」


海翔「甘いもの、好きなの?」


澤田「おかしいか?」


海翔「いや……」


澤田「まあ、こういう店もたまには悪くない。それで
は、また」

海翔「あ、一応教えとくけど、口の端にクリームつい
てるよ」

澤田「そうか。教えてくれてありがとうニャン」


海翔「…………」


「……ニャン?」


「まあいいや。それよりみんな、ホントにどこ行
ったんだろう?」

海翔「…………」



ツイぽに投稿しますか?
投稿する 投稿しない


《投稿しない→投稿する》
フラウ編【いつか出会うその日まで】
海翔「よし、っと」


「とりあえず、誰か来るかもしれないし、しばら
くこの辺りをぶらぶらしておくか……」

海翔「誰も来ない……」


「しょうがない。とりあえず向こうに――」


「ん?」


「あれは……こなちゃん?」


フラウ「…………」


海翔「(なにしてるんだろう? しばらく様子を見て
みようか……)」

フラウ「…………」


海翔「(特に動くでもなんでもないし……)」


フラウ「…………」


海翔「(このままじゃどうにもならないな)」


「おーい、こなちゃ――」


???「おわっ」


海翔「あ、すみません!」


???「い、いや、こちらこそすまんね」


海翔「(……今の人、大きい人だったな……)」


「っと、そんなことより今は……おーい、こなち
ゃーん!」

フラウ「八汐先輩……」


海翔「そこでぼけーっと突っ立って何してるのさ?」


フラウ「べ、別になにもしてないですしおすし」


「つ、つか、八汐先輩もしかして見てた?」


海翔「まあ、ちょっとの間ね」


フラウ「は!? さ、さては八汐先輩、わ、私のことを
眺めながら、口では言えないような妄想
を……!」
海翔「してないよ」


フラウ「う、嘘だッ!!」


「そんなこと言って、頭の中で乱暴したんでし
ょ。エロ同人みたいに! エロ同人みたいにー
っ!」
海翔「ちょっと、こなちゃん。こんな人の多いところ
でなんてこと言ってるの」

フラウ「だ、大丈夫だ、問題ない」


「なぜならここは秋葉原。そういう発言が許され
る街」

海翔「いや、それ秋葉原在住の人に聞かれたら怒られ
るよ、普通に」

「で、こなちゃん、何してたの?」


フラウ「べ、別に……ちょっと人を待ってただけ」


海翔「人?」


フラウ「スーパーハッカー」


海翔「知り合い?」


フラウ「ね、ネット上では」


海翔「ふーん。約束してたの?」


フラウ「してませんがなにか?」


海翔「してないの?」


フラウ「つ、ツイぽ見たら近くにいるっぽかったから」


海翔「連絡すれば?」


フラウ「だが断る!」


海翔「なんで?」


フラウ「ぐ、偶然会えたら会おうという複雑な乙女ゴコ
ロ」

海翔「ふーん……」


「(こなちゃんが、人を、ね。どんな人だろ?」


フラウ「ど、どうせ薄い本でも買いに行ってると思って
たに100ペリカ」

海翔「思ってないよ」


フラウ「わ、私だって四六時中そんなこと考えてるわけ
じゃないですしおすし」

海翔「…………」


フラウ「そ、それじゃ私はこれで……」


海翔「え? 待ち人は?」


フラウ「あきらめましたがなにか?」


海翔「いや……別にいいけど……で、どこいくの
さ?」

フラウ「う、薄い本を買いに行くにきまってますお、キ
リッ!」

※「こなちゃんが、人を〜」の末尾に【)】が抜けているが、原文ママ。


《投稿しない→投稿しない》
昴編【400光年の彼方からおかえりなさいませ】
海翔「ま、いっか。もうちょっとぶらぶらしてみよ
う」

海翔「へぇ……この辺りまでくると、結構静かなんだ
な……」

海翔「…………」


「(どうしよう……)」


「(特に興味があるわけでもないけど、喉も乾い
たし……)」

「(よし。話のタネに、思い切って入ってみよ
う!)」

「(でも、その前に……)」


「よし……これでオッケー。さて……」


「よくぞ帰って来たな、わが祝福の女神よ――」


海翔「え? 昴くん……?」


「にゃあああっ! や、八汐先輩っ!? にゃん
でここにっ!?」

海翔「ちょっと喉が渇いて……っていうか、昴くんこ
そなにしてるの?」

「もしかして、そういう……」


「ち、違う! 違うんです! ただその……秋葉
原をぶらぶらしていたら、どうしても欲しいパ
ーツが……」
海翔「パーツ?」


「今作ってるロボット用の」


「でも資金が足りなくて悩んでたら、たまたま通
りがかったここのオーナーが一日バイトしない
かと……」
「ちょうど今、イベント週間だからと……」


海翔「そ、そう……でも、なんでその格好で……」


「素だと恥ずかしいじゃないですか」


海翔「(そっちの方がよっぽど恥ずかしけど……てい
うか、なんで持ってきてたの、その服……)」

「そ、そういうわけで、僕はもう少しここでバイ
トしなければなりません」

「ですから、皆には適当に誤魔化しておいてくだ
さい」

海翔「誤魔化す? 素直に言えばいいじゃない」


「い、嫌ですよ! こんな格好でバイトしてたな
んて知られたら、なんて言われるか……」

海翔「(まあ、そうだろうけど……)」


「いいですか? 絶対にみんなには言わないでく
ださいよ。絶対ですよ」

海翔「昴くん。それ言ってくれってことじゃ……」


「違います!」


海翔「だよね」


「(あ、しまった。だったら……)」


「失礼。お客さんが来たようです」


「アイアム・ミスター・プレアデス! よくぞ帰
って来たな、わが祝福の女神よ――」

あき穂「え?」


淳和「日高……くん……?」


「にゃっ!?」


愛理「ミスター・プレアデス……?」


フラウ「こ、コスプレメガネktkr!」


「にゃ、にゃんで皆さんが……」


海翔「ごめん、昴くん。店に入る前に、ツイぽにここ
にいるって言っちゃった」

あき穂「おぉぉ、やっぱかっこいいね、ミスター・プレ
アデス!」

淳和「え? そ、そうだね……」


愛理「えっと……趣味はそれぞれですよね」


フラウ「おまわりさんこのひとです」


「よ、400光年の彼方まで逃げたい……」


※「恥ずかしけど」は原文ママ。