自己言及のダイナミクス


※ボイスが吹き込まれていた個所は背景を青くして表記する。
いつもだったら青字で表記するところだけど、今回に限って被っちゃう箇所が存在するため。

第1章 虚軸のパラダイムシフト
--10:00--電車に揺られ、アキバの街に遊びに来たあなた。


色々な店に目移りしながらも、今日の目的の店であ
る様々な部品が売っている電気屋「なかまつ」に到
着した。
あなた(よし、到着! 必要なのはこれと、これと、後は…
…)

さっそくお目当てのパーツを物色していると、その
すぐ真横で突然見知らぬ男性が奇声をあげた。

???「フゥーハハハ!ようやく見つけたぞ、このパーツ
こそ俺が探し求めていたものだ!」


あなた(うわあ……変な人いる……。まあいいか。気にしな
いでおこう。……あ、あった! やっぱりなかまつ
の品揃えはすごいな)
あなたがパーツに手を伸ばしたとき、隣にいた男性
もちょうど同じパーツを手に取るところだった。

???「貴様! これは俺がこの後重要な発明に使おうと
しているパーツだ! 横取りしないでもらおうか。
……ま、まさか貴様、機関の手の者か……?」
「……もしもし、俺だ。……ああ、まずいことにな
った。機関のエージェントが、ついに俺に直接コン
タクトを取ってきた……」
「いや、とりあえず今はこの場を穏便に収めなくて
は。ああ、問題ない。ここはなんとか切り抜けてみ
せる。エル・プサイ・コングルゥ
訳も分からずまくし立てる男性に面食らうあなた。


あなた(変なことに巻き込まれたら嫌だし、ひとまずパーツ
渡しておくか……)
「あ、これ、どうぞ」
???「ほう、素直に渡すとは……。貴様、機関の者では
なかったのか? まあいい。危うく俺が本気を出す
ところだったぞ」
「この鳳凰院凶真の偉大なる発明の礎となれること
、誇りに思うが良い」

あなた「あの、発明って一体……?」


鳳凰院凶真「発明の内容は機密事項だ。部外者に教えるわけに
はいかん」

あなた「……実は私、機械いじりが得意で。発明とか、興
味あるんです。そこをなんとか教えてくれませんか
?」
鳳凰院凶真「なに!? 機械いじりが得意だと!? ……ふむ
、こいつならダルよりも俺の要求を素直に聞いてく
れそうだな」
「……ククク、そこまで言うならお前にはラボメン
となってもらおう」

あなた「ラボメン?」


--10:15--鳳凰院凶真「ああ、そうだ。あくまで試用期間だがな。お前は
今日からラボメンナンバー00X、通称『エックス』
だ!
「この狂気のマッドサイエンティスト、鳳凰院凶真
の助手として働けること、誇りに思うが良い」

あなた「えー!?」


こうして、鳳凰院凶真と名乗る謎の男と出会ったあ
なた。

「ラボメンナンバー00X」として、凶真の発明に協
力させられることになるのであった。

--10:30--鳳凰院凶真「ここが未来ガジェット研究所、通称ラボだ。今い
るのは……まゆりとダルか」

まゆり「トゥットゥルー♪ オカリンおかえりー。 あれ
ー? 一緒にいる人はお客さん? こんにちはー!
あなた「こ、こんにちは……あれ、『オカリン』って?」


まゆり「オカリンはオカリンなのです!」


鳳凰院凶真まゆりよ、いつも言っているだろう。俺のことを
オカリンと呼ぶなと。
 俺は狂気のマッドサイエン
ティスト、鳳凰院凶真だ!」
ダル「厨二病乙。んで、その人は誰なん?」


鳳凰院凶真「ああ、こいつは新しいラボメンの一員、『エック
ス』だ」

まゆり「えー! ラボメンが増えるんだねー! エックス
さん、よろしくねー」

ダル「エックス氏は何か特殊技能でも持ってるん?」


--10:45--鳳凰院凶真「コイツは……この鳳凰院凶真の発明を手伝いたい
と自ら志願してきたのだ!」

ダル「……マジで? エックス氏さ、オカリンに何か弱
みでも握られてるっしょ?」

あなた「私の機械いじりのスキルが発明の役に立てば良い
かなと思って」

ダル「お、おう……。変わり者乙」


まゆり「でもでも、とにかくエックスさんは今日からまゆ
しぃたちの仲間なんだよね! えっへへー、嬉しい
なー!」
ダル「ま、よろしくだお」


鳳凰院凶真「それでは、ラボメンナンバー00X!
早速最初の任務を与える」

「俺と一緒に未来ガジェットの新たな開発を……と
思ったが、腹が減ったな。まずは腹ごしらえだ」

「ラボにある食料は……バナナだけだと…!? 
べ物であればなんでも食べられる
ほどの空腹状態と
はいえ、これでは全く足りないではないか!」
「……っく、まさかこれも狂気のマッドサイエンテ
ィストである俺、鳳凰院凶真を餓死させようという
機関の姑息な作戦……」
あなた「あの、機関っていうのは……?」


ダル「……オカリンの脳内厨二病設定だから無視してお
k」

鳳凰院凶真「しかし喉も乾いたな……。後でドクペを摂取しな
くては……。機関の奴ら、どこまで俺を苦しませれ
ば気が済むのだ……」
ダル「それは出掛ける前に、飲まず食わずでタイムマシ
ンや超常現象の特集に釘付けで見てたからっしょ。
テレビの見すぎだお」
鳳凰院凶真「何? テレビ飲みすぎ? ダルよ、俺が狂気のマ
ッドサイエンティストとはいえ……さすがにテレビ
は飲まんぞ」
ダル「飲みすぎじゃなくてテレビの、見すぎな」


まゆり「オカリンお腹空いたの? 大丈夫―?」


鳳凰院凶真フゥーハハハ! まさか、俺が機関の作戦に屈す
る訳が無いだろう! この程度の空腹、実験に没頭
することで克服してやる!」
「……もしもし、俺だ。……ああ、今から例の実験
を行う」

「……危険だと? フッ、マッドサイエンティスト
の実験に危険は付きものだろう。その程度のリスク
など、恐るるに足らん」
「……ああ、分かっている。問題はない。そうそう
。先ほど話したアイツだが、どうやらこちら側の人
間だったようだ」
「……そうだな、引き続き警戒は続けるさ。エル・
プサイ・コングルゥ


--11:00--「……まゆり、ダル。俺らは今からここで新たな未
来ガジェットの開発を行おうと思う」

「何が起こるか分からない。場合によっては俺に構
わず逃げろ。いいな?」

まゆり「オカリン、また何か発明するんだねー。まゆしぃ
も応援してるねー! エックスさんも、一緒に発明
頑張ってね!
ダル「実験に没頭して空腹から逃れようとするとか……
金欠乙」

鳳凰院凶真「そこ、うるさいぞ! まあ、そんなことを言って
いられるのも今のうちさ。この鳳凰院凶真に任せて
おけ」
「この空腹が収まるころには、世紀の大発明にお前
たちも度肝を抜かれるだろう」

そう言って、あなたと凶真は新たな未来ガジェット
の開発に没頭するのであった。

※「。」「!」の後のスペースがあったり無かったりするのは原文ママ。
※「えっへへー」はボイスだと「えっへへへー」と聞こえる。
※「大丈夫―?」が「―」なのは原文ママ。以降も たびたび存在する。

第2章 概念提起のアルケミー@
--12:00--鳳凰院凶真「ついに……ついにできたぞおお!!」


まゆり「お疲れ様―。わー、オカリンボロボロだねぇ。ま
ゆしぃのバナナ食べる?」

ダル「まゆ氏まゆ氏、“あなたのバナナ食べたいな”って
言ってみて?」

まゆり「あなたのバナナ食べた……」


鳳凰院凶真言わせるな低能が! そんなことよりも見ろ!
この世紀の大発明を! 電話レンジ(仮)とコピー機
を組み合わせることで完成した、最高傑作だ!」
ダル「え、ただ電話レンジとコピー機をケーブルで繋げ
じゃね?」

鳳凰院凶真「まあ見ていろ。このカメラで……そうだな、ここ
にあるバナナの写真を撮るとだな……」

まゆり「わわー、バナナが増えたよ!」


ダル「え、これマジ? どういう仕掛けなん?」


鳳凰院凶真「フ、フハ、フゥーハハハ。ど、どういう仕掛けか
は……よく分からないが、あれこれいじっていたら
結果的にこうなった」
「……いや、ね、狙って作り上げた、人類史を塗り
替える大発明だ!」

「エックス、初任務だったにも関わらず、俺の発明
を手伝ってくれたこと感謝する。お前がいなかった
ら、この天才的な発明に至らなかっただろう」
「……電話レンジ(仮)とコピー機もとい複写機の合
体。そうだな……俺はこれを未来ガジェット三四号
、『電写レンジ(仮)』と名付けよう!
ダル「三四号? そんなにたくさん作ったっけ?」


まゆり「すごーい、これならバナナが食べ放題なのです!


鳳凰院凶真「ん? フェイリスからメールだ。この画像はなん
だ?」

受信メール時間:12:00
送信者:フェイリス
件名:かわいい写真を送るニャン!
本文:クリスティーニャンのとっても可愛
   い写真を送るのニャ!
   キョーマも遊びにくるといいニャン
   ♪
鳳凰院凶真「なんだ助手も一緒か」


あなた「フェイリス?」


--12:15--鳳凰院凶真「ああ、メイクイーン+ニャン2というメイド喫茶で
働いている俺の知り合いのメイドだ。まゆりのバイ
ト先でもあるな」
あなた「へえ、そうなんですね……」


ダル「フェイリスたん! 今日も萌え萌え〜。かわいす
ぐるだろ常考!」

まゆり「2人とも、すっごくかわいいのです!」


ダル「当たり前のようにフェイリスたんは可愛さが限界
突破しているが、牧瀬氏のこの表情も……、萌える
鳳凰院凶真「何だお前、節操がないな」


ダル「可愛い女の子なら2次元だろうと3次元だろうと
関係なく萌えるべきだろ常考」

「……そういえば、今メイクイーンでキャンペーン
二つやってるんだお。早く行かねば」

鳳凰院凶真「キャンペーン?」


まゆり「そう! フェリスちゃんの限定タペストリーがも
らえるんだよー! こうやって、手でハートを作る
とね……」
まゆりがハートを手で作ろうとした拍子に、握りし
めていたうーぱが落ちてしまう。うーぱはコロコロ
と転がっていき、タンスの下まで行ってしまった。
まゆり「あー、まゆしぃのゴールデンうーぱがぁ……」


鳳凰院凶真「ゴールデンうーぱ……? まゆりが持っていたの
はメタルうーぱじゃないのか」

まゆり「ゴールデンうーぱはね、最近新しく仲間入りした
うーぱだよ! えっへへー、がんばってガチャガチ
ャ回したんだー
ダル「ゴールデンうーぱ!? まゆ氏、ゴールデンうー
ぱ持ってるん!?」

まゆり「そうだよー! でも、タンスの下に落ちちゃった
から、今は持ってないのです…。でもダルくん、ど
うしたの?」
ダル「メイクイーンではもう一つキャンペーンをやって
るんだお! なんと! ゴールデンうーぱと交換で
フェイリスたんサイン入りチェキが貰える
のだ!」
鳳凰院凶真「タペストリーにチェキか……。メイクイーンはお
祭りだな」

ダル「まゆ氏、もう一つ持ってない?」


まゆり「ごめんねー。二つは持ってないのです」


二つあったら、ダル君にもあげたんだけどなあ…


ダル「だよねー……」


鳳凰院凶真「仕方ない。俺がとってやるとしよう」


タンスの下に手を突っ込んでうーぱを取ろうとする
岡部。しかしうーぱはタンスの奥まで行ってしまい
、全く手が届きそうになかった。
あなたも続いて取ってみようとするが、同じように
失敗に終わってしまう。

--12:45--鳳凰院凶真「うーん、これは届かないな。何か細長いものがあ
れば
良いんだが……」

まゆり「うぅ……悲しいけど仕方ないのです……」


ダル「うぅ……フェイリスたんのサイン入りチェキが…
…。仕方ない、あとでガチャ回すかぁ……」

「それにしても、オカリンすごいもの作っちゃった
けどどうすんのそれ?」

--13:00--鳳凰院凶真「ククク、凄いのはここからだ。俺は今、更にとん
でもないことを思いついてしまった」

「エックス、俺を撮影してみろ」


ダル「ちょっ、オカリンまさか……」


鳳凰院凶真「「フゥーハハハ!」」


まゆり「えええ!? オカリンが増えた!」


ダル「さすがオカリン、僕たちにできないことを平然と
やってのける! そこにシビれるアコガれるぅ!」

オリジナル凶真「と、ととと、当然だろう。す、すべては俺の狙い
通りだ! これで、あんなことやこんなことがやり
たい放題……」
「お前の力も借りることになるだろう、頼んだぞス
ーパーハカー!


ダル「スーパーハカーじゃなくてスーパーハッカーな」


コピー凶真「や、やや、やはり俺は天才だったのだ! 自分の
才能が恐ろしい……。頼んだぞスーパーハカー!」

ダル「スーパーハカーじゃなくてスーパーハッカー……
え、僕これからオカリンに倍ツッコまなくちゃいけ
ないん?」
ガチャ


岡部たちが騒いでいると、紅莉栖がメイクイーンか
ら帰宅してきた。

--13:15--紅莉栖「ちょっと岡部、何騒いで……って、えええ!?」


まゆり「紅莉栖ちゃん、トゥットゥルー♪さっきまでメイ
クイーンに行ってたんだねえ」

紅莉栖「ちょ、なんでそれを!?」


ダル「フェイリスたん限定タペストリー、もらった?」


鳳凰院凶真「なんだ助手か」


コピー凶真「タペストリーをもらったということはハートは作
ったのか」

紅莉栖ハートなんて作っとらんわ! そんなことより、
この状況、一体何が起きた?」

「……というか今気付いたけど、あなた何者? 何
でラボにいるの? 岡部の知り合い? 分かるよう
に説明して」
鳳凰院凶真「ああ、もちろん説明してやろう」


コピー凶真「この狂気のマッドサイエンティストの、かつてな
い偉業をな!」

--13:45--まゆり「……あ、もうこんな時間! ごめんねぇオカリン
、まゆしぃ、今日はフブキちゃんやカエデちゃんと
コスイベントに行く 予定があるのです」
「この巫女さんの衣装……は昨日使ったからここに
置いておこうかな。あとはハサミにテープに……」

「衣装の型も置かせてもらうね。それじゃあ、行っ
てきます!」

ダルそれなら僕もメイクイーンで開かれるカードバト
……あの神イベに行ってくるお! フェイリスた
ん待っててねー」
ガチャ


慌ただしく出て行った二人。
残されたあなたと岡部2人に向かい、紅莉栖は冷や
やかな目を向けた。
紅莉栖「で? 何があったっていうのよ。色々気になるこ
とがありすぎるんだけれど……まずは岡部、あんた
何で2人になってるの?」
鳳凰院凶真「聞いて驚くな、助手よ!」


紅莉栖「……」


コピー凶真「俺が先ほどPCパーツを買いに行ったとき……」


--14:00--紅莉栖……ふーん。なるほどね。それで電写レンジ(仮)
ができて、あんた自身をコピーしたってわけ。つい
でにあなたが新たなラボメンになった、と」
鳳凰院凶真「理解が早いなクリスティーナ!」


紅莉栖「誰がクリスティーナだ」


あなた「あの、ところで鳳凰院さんの本名って岡部さんな
んですか……?」

紅莉栖「岡部、もしかしてあの痛々しい名前しか名乗って
ないの? あなたもそれでよく付いてきたわね……
コピー岡部「俺の真名を馬鹿にするんじゃない! フハハ、こ
れで俺自身が二人になることで、機関との戦いをよ
り有利なものにすることができるぞ!」
紅莉栖……ふざけてる場合じゃない。人間をまるまるコ
ピーできるマシンってどういう仕組みよ。私だった
ら、6時間は動作確認に費やすわよ?」
岡部俺はお前と違って大胆なのだ。とにかく、俺はこ
の未来ガジェット三四号を使ってこの世界を……」

「ん? まゆりからか。もしもし」


まゆり「あ、オカリン。あのね、ちょっと今、困ったこと
になってて。助けてくれないかな……?」


岡部「何だと? まゆり、今どこにいるのだ?」


まゆり「今はねぇ、ラジ館の前にいるよ」


岡部「分かった、すぐに行こう」


「……というわけで、俺はまゆりのもとへ向かう。
おい俺、助手を任せたぞ」

コピー岡部「誰に向かって言ってるんだ、俺。助手の面倒を見
るのは当然だろう」

紅莉栖「……まったく、面倒くささも倍増ね」


岡部「エックス、お前は俺に付いてこい。新たなラボメ
ンに、この秋葉原の地を案内してやろう」


こうしてあなたとオリジナルの岡部は、まゆりのと
ころへ行くためにラジ館へ向かうのだった。

※「繋げじゃね?」は原文ママ。
※不自然なところで半角スペースがある箇所は原文ママ。以降も たびたび存在する。
※岡部が増えたシーンではボイスも実際に二重になっている。

第2章 概念提起のアルケミーA
--14:15--まゆり「あ、オカリン! それにエックスさんも! わざ
わざ来てもらってごめんね」

岡部「まゆり、困っていると言っていたが一体どうした
んだ」

まゆりあのね、まゆしぃはどうしても、ゴールデンうー
ぱが欲しい
のです。
だからイベントへ行く前にここ
のガチャガチャを回しにきたんだけど……」
岡部「ゴールデン……? あぁ、さっきのキーホルダー
か」

まゆり「それでね、何回か回したんだけど、全然出なくて
……。まゆしぃ、小銭を切らしちゃったのです」

「これじゃコスイベントに行けないよ。電車賃、貸
してくれないかなぁ?」

岡部「なるほどな。ガチャで有り金すべて使い果たすと
はうーぱ好きにも程があるぞまゆり」

「……ん、ちょっと待て、助手からだ。もしもし」


紅莉栖もしもし岡部? あんた、この電写レンジ、電話
レンジとコピー機を合わせて作ったって言ったわよ
ね?」
岡部「ああ。それがどうかしたか?」


紅莉栖「どうやら、電話レンジの機能の一部を、電写レン
ジ が引き継いでいるみたいなのよ」

岡部「……分かりにくいな。簡潔に言え」


紅莉栖「つまり、電写レンジから過去にメールが送れる


岡部「何だって!? そうか、やはり俺は天才マッドサ
イエンティスト……」


紅莉栖「でもこのメール、どんな内容でも送れるわけじゃ
なさそうなのよね」

送信メール時間:時刻
受信者:人物
件名:
本文:
物  
 作れ
        作るな
紅莉栖「送れる内容はこんな感じ。電写レンジに組み込ま
れたことで、送れる文章が制限されてるみたい」

「電写レンジは、コピーしたいものをカメラに映す
必要がある」

「だから『物』にはメールを送りたい時間にラボに
あるもの
、を入れないと複製はできない」

岡部「ふむ、なるほど」


紅莉栖「このマシンの機能にはまだまだ謎が多いから、実
験が必要よ。何か過去に複製したいものはない?」

岡部「過去に複製したいもの、だと……? そういえば
、まゆりがゴールデンうーぱをなくしたのは……。
 ああ、エックスも思いついたか」
紅莉栖「?」


送信メール時間:12:00:00
受信者:岡部倫太郎
件名:
本文:
ゴールデンうーぱ  
 作れ
               作るな
--14:30--岡部「この内容で俺にDメールを送るよう、そっちの俺
に伝えてくれ」

紅莉栖「了解」






岡部「……っ、くっ、世界線が変わったか……。まゆり
の姿が消えている。俺の狙い通り……なのか?」

あなた「い……今のは?」


岡部「……!? お前、まさか、俺と同じリーディング
シュタイナーを持つ者なのか!?」

あなた「リーディング……え?」


岡部「世界線が変わっても記憶を引き継ぐこの特殊能力
だ…… まさか俺以外にも持っている者がいたとは
な……」
あなた(また何かの設定なのかな……?)
「あ、あの、岡部さん? まゆりさんに電話しない
んですか?」
岡部「あ、ああ、そうだったな……」


まゆり「あ、オカリン! トゥットゥルー♪ どうしたの
?」

岡部「まゆり、イベント楽しんでいるか?」


まゆり「うん! とっても楽しいよ!」


岡部「そうか、良かった。ゴールデンうーぱはもってい
るか?」

まゆり「もちろん持ってるよー。まゆしぃのはタンスの下
に落としちゃったけど、オカリンが作ってくれたこ
の子は無事
だったのです!」
岡部「ああ、そうだったな。それじゃあ、イベント楽し
んでこいよ」

まゆり「はーい! じゃあね!」


※送信メールはバックログに反映されないが、以降は便宜上このように表記するものとする。
※世界線変動後の まゆりへの連絡時、電話の発信音が明らかに振動音。どういうことなの……

第3章 無限構築のマトリクス@
--14:30--岡部「ふう、成功したな。助手にも報告しておくか……
もしもし」

紅莉栖「もしもし、実験、したのね?」


岡部「そうだ、よく分かったな」


紅莉栖「こっちの岡部が、世界線が変わったって教えてく
れた。いったい何したの?」

岡部まゆりのゴールデンうーぱをコピーして、まゆり
がうーぱをなくさないよう過去改変した


紅莉栖「……なるほど、そういうことね。それにしても、
スペアを用意できるのは便利ね。食器とか複製した
ら割れても安心じゃない
「まあ、またマシンの性質がわかったら、こっちか
ら連絡するから」

岡部「ん? ダルからメールだ。画像付きか」


受信メール時間:14:30
送信者:ダル
件名:レア自販機発見!
本文:ずっとオカリンが探してた、ドクペ
   売ってる自販機を発見!
   ノンカロリーコーラがあったら絶対
   買わなかったけど、今日はこれで我
   慢しといたお。
   今日の神イベは15:00から!エネルギ
   ー摂取は完璧ナリ!
--14:45--岡部ドクペが売っている自販機だと……? よくやっ
たダル! 最近ドクペがどこにも売っていなくて困
っていたんだ」
あなた「え、岡部さんそんなにドクペ好きなんですか……
?」

岡部「当たり前だ!
至高の科学実験にドクペは必需品!」


「この写真を見る限り……この自販機はコインロッ
カーが置いてあるあの場所にありそうだな。エック
ス、早速コインロッカーへ行くぞ!」


第3章 無限構築のマトリクスA
--15:00--岡部「ここだ……ん?」


岡部とあなたは、コインロッカーの1つに『故障中
』の張り紙がされていることに気付いた。

岡部「何だ、ここのロッカーだけ故障しているのか。こ
の張り紙、テープが剥がれかけているな」

貼り直す手段もないし……まあ、ここを管理する
人間がそのうち直すだろう。そんなことより今はド
クペだ……」
「ぬあああああ! 何故だ……何故売り切れなのだ
……」


「助手か」


紅莉栖「もしもし、電写レンジの新機能がわかった」


岡部そんなことはどうでもいい……。俺は今、至高の
知的飲料が売り切れだったという事実に打ちひしが
れているんだ……」
紅莉栖それこそどうでもいい……。いいから聞いて。
のね、この電写レンジ、コピーしたものを、好きな
ところに出現させられるみたいなの
岡部「何だって?」


紅莉栖「例えば私は今ラボにいるけど、ここからあんたが
いる場所に何かを送ることもできるってこと。実験
してみるか……今欲しいものはある?」
岡部「ならばドクペだ! ドクペを送れ!」


紅莉栖「あー。今、切らしちゃってるのよね」


岡部「なにいいいい!?ラボにはまだストックが1本あ
ったはずだぞ!」

--15:15--紅莉栖「ついさっきこっちのあんたがコピーして、飲んじ
ゃったの」

岡部「おのれ俺め! ……だが待て、コピーしたならド
クペは2本あるはず。残り1本はどうした!?」

紅莉栖「……」


岡部「さてはお前も一緒になって飲んだな! この裏切
り者め!」

紅莉栖「飲んだわよ、はいはい、失礼しました」


「こっちにいる岡部は飲んだんだから、実質あんた
も飲んだようなものでしょ」


岡部「それはいったいどういう理屈だ……」


紅莉栖「それにしても食べ物をコピーできるなんて、何で
も食べ放題にできて最高よね」

「ラボには食材がないけど、手元にあったら食材を
たくさん作っちゃう
かも」

岡部「そんなものいらん! 俺はドクペが飲みたいのだ
!」


紅莉栖「橋田が置いていったノンカロリーコーラならある
けど」


あなた「橋田?」


岡部「ダルのことだ。あいつはドクペの良さを分かって
いないんだ……。ドクペこそが科学者にとって至高
の飲み物だというのに」
岡部「電写レンジを使って、なんとかドクペを手に入れ
られないだろうか……」

送信メール 時間:14:30:00
受信者:岡部倫太郎
件名:
本文: at 
コインロッカー      


   
ノンカロリーコーラ  
 作れ
                作るな
岡部「よし、このDメールを送るぞ」






受信メール時間:14:30
送信者:ダル
件名:オカリンナイス!
本文:ちょうど自販機にノンカロリーコー
   ラがなかったところだお、オカリン
   気が利くう!!
   今日の神イべは15:00から!エネルギ
   ー摂取は完璧ナリ!
岡部「ダルは無事コーラを手に入れたようだな」


「よし、今度こそ……。これでドクペを……GETだ
! だがこのドクペは最後の1本…………エックス
、飲みたいか?」
あなた(とんでもなく険しい顔をしている……)
「いや、岡部さんどうぞ……」

岡部「そうか! ではさっそく……ぷはぁー! やはり
ドクペは最高だ……!」

よし、無事ドクペも手に入ったことだし、実験の
続きを……
ん? 今日はよく電話が鳴るな。もしも
し?」
るか「もしもし、岡部さん、突然すみません」


岡部「ルカ子か。俺のことは凶真と呼べといつも言って
いるだろう」

るか「あ、そうでした、凶真さん。実はボク、今ちょっ
と大変なことになってしまっていて…」

「凶真さん、手が空いていたら今からうちの神社に
来てもらえませんか?」

岡部「大変なこと? ……わかった、すぐに行こう」


※「置いていった」はボイスだと「置いてった」と聞こえる。

第4章 虚像崇拝のイデア
--15:45--岡部「ルカ子、何があった……って、うおお!」


あなた(そこには、巫女服に身を包んだ可憐な美少女が立っ
ていた。……その巫女服を、泥まみれにしながら)

るか「神社の掃除をしていたのですが、ぬかるみに気付
かず足を滑らせて、服を汚してしまって。……あ、
の……こちらの方は……?」
岡部「ああ、こいつは新たなラボメンになったエックス
だ」

るか「よろしくお願いします、エックスさん。漆原るか
ですっ」

あなた「ど、どうも……」


るかと挨拶しているあなたを引き寄せ、岡部が耳打
ちする。

岡部「おいエックス、ドキドキしているお前にひとつ、
重要なこと を教えてやろう。ルカ子は男だ」


あなた「……え、えぇ!? こんなに可愛いのに?」


岡部「だが男だ」


るか「? えっと……お二人とも、なにかありましたか
?」

あなた「い、いや、特に何も! えっと、結局何をすれば
いいんでしたっけ」

るか「えと、服を汚してしまったので、着替えたくて。
だけどちょうど今替えの服が全部洗濯中で……」

「この格好で新しい服を買いに行くのも恥ずかしい
ですし……」

あなた「あ、ああ、そうでしたね!」


るか「岡部さん、エックスさん。ボク、どうしたら……
?」

岡部「ふむ……。分かった。俺が代わりの服を用意しよ
う」

誤答差分
--16:00--送信メール 時間:
受信者:岡部倫太郎
件名:
本文: at 
柳林神社         


   
白衣         
 作れ
                作るな
ルカ「きょ、凶真さんの白衣ですか……!? き、着て
みたいですけど、ボク……凶真さんみたいになれる
かな……」
送信メール 時間:
受信者:岡部倫太郎
件名:
本文: at 
柳林神社         


   
メイド服       
 作れ
                作るな
ルカ「メ、メイド服ですか……!? でもボク……男で
すし……。それに……メイド服を着るのは……恥ず
かしいです……」
正解
送信メール 時間:
受信者:岡部倫太郎
件名:
本文: at 
柳林神社         


   
巫女服        
 作れ
                作るな
岡部「……よし。これで送れば巫女服を用意できるだろ
う」

岡部がメールを送ってから、ほどなくして紅莉栖か
ら電話がかかってきた。

紅莉栖「岡部……。いったいどういうつもり?」


岡部「ち、違うぞ! 断じて俺がまゆりを邪な目で見て
いるわけでも、俺が巫女の姿をしたいわけでもない
からな!」
紅莉栖ふーん……。それでもまゆりの衣装を複製するの
は確かよね。その時点で犯罪臭がぷんぷんするのに
、そこから何か弁明できるとでも?」
岡部「だから、これには深いわけがあってだな……」


紅莉栖「このHENTAI!」


岡部「人聞きの悪いことを言うな!」


あなた(どうやら、岡部さんは紅莉栖さんにあらぬ誤解を受
けている。数十分に渡る説明の末、納得してもらえ
たようだ)
--16:15--岡部はぁ……なんだかどっと疲れが……ん? あれは
、ダルか?
 ふれあい橋のほうに向かったな……。
俺たちも行ってみるか」
るか「岡部さん……じゃなくて凶真さん、エックスさん
、ありがとうございました!」

※誤答差分だと るかの名前が何故かカタカナ表記になっている。

第5章 循環論法のリビドー
--16:15--岡部「ダル、コーラはうまかったか?」


ダル「あ、オカリン! コーラ最高だったお! マジ助
かったわー」

岡部「俺もドクペが飲めたから良しとしよう。……ん?
なんだその細長いの

ダル「これ? これはフェイリスたん限定タペストリー
だお! メイクイーンで手でハートを作るともらえ
る、期間限定の逸品なんだお!」
岡部「ふむ、ラボで言ってたやつか」


ダル「ああ〜フェイリスたんのこの笑顔、見ているだけ
で癒される……。……やっぱり、サイン入りチェキ
も欲しかったなあ」
岡部「ラボで話してたもう一つのキャンペーンか」


ダル「そ、ゴールデンうーぱと交換でサイン入りチェキ
が貰えるんだお! でもまゆ氏のうーぱはタンスの
下に入っちゃったしね……」
岡部「……いやまて。ダル、もしかしたら何とかなるか
もしれん」


ダル「え、何? どういうこと?」


--16:30--送信メール 時間:12:00:00
受信者:岡部倫太郎
件名:
本文: at 
未来ガジェット研究所(ラボ) 


   
ゴールデンうーぱ   
 作れ
                作るな
岡部……よし、これを俺に送信するぞ。 ……おかし
い。リーディングシュタイナーが発動しない」

「12:00に俺は、ゴールデンうーぱをコピーしてい
る」

「そのタイミングならまだタンスの下に落ちていな
いからゴールデンうーぱが複製されるはずなのに。
 ……どういうことだ?」
「もしもし。どうした、何かあったか」


--16:45--紅莉栖「岡部から送られてきたメールを見て、同じように
実験してみたんだけど」

「バナナをもう一つ複製しようとしても、できなか
った。どうやら、同じものを二つ以上コピーするこ
とはできない
みたい」
岡部「なんだって? そうか……一旦切るぞ」


ダル「どしたんオカリン、やっぱりダメだった?」


岡部「いや待て、何か方法はあるはずだ。そうだ、細長
いものを手に入れれば……」

--17:00--送信メール 時間:12:00:00
受信者:牧瀬紅莉栖
件名:
本文: at 
メイクイーン+ニャン2    


   
ハート        
 作れ
                作るな
岡部「今度こそ……。これを送るぞ」








第6章 欠落のエクスペクト@
--17:00--岡部「よし、ダルに電話してみよう」


ダル「もしもしオカリン? 急にどしたん」


岡部「ダルよ、今日のイベントはどうだったんだ?」


ダル「聞いてよオカリン、牧瀬氏のタペストリーで取り
出したゴールデンうーぱのおかげで、フェイリスた
んの直筆サイン入りチェキが手に入ったお!」
岡部「そうか、良かったな。……よし。これでダルの悩
みは解決できたな……ん? またまゆりから電話だ
まゆり「オカリン、急にごめんね、助けてほしいのです…
…」

岡部「どうした、まゆり」


まゆり「今日のコスイベントのオフ会があったから衣装を
しまおうとコインロッカーを使ったんだけどね、そ
のロッカーが開かなくなっちゃって……」
※発信音が振動音だったのが今度は着信音になっている。どうなっているんだ……

第6章 欠落のエクスペクトA
--17:30--まゆり「ごめんねぇオカリン、このロッカーなんだけ
ど……」


岡部「ん? このロッカー、確か俺がドクペを買い
に行ったときには『故障中』の張り紙がされて
いたが……」
「やはり剥がれてしまったのか。そしてまゆり
は運悪く、その故障しているロッカーを使って
しまったのだな」
まゆり「まゆしぃの衣装無事かなあ……?」


岡部「安心しろまゆり、俺がなんとかしてやろう」


送信メール 時間:15:00:00
受信者:岡部倫太郎
件名:
本文: at 
コインロッカー       


   
テープ        
 作れ
                作るな
岡部「これで解決するはずだ」








第7章 自己言及のダイナミクス
--17:45--岡部「まゆりはいなくなっている……が、取り出せたか
聞いておこう」

まゆり「トゥットゥルー♪ どうしたの? オカリンから
かけてくるなんて珍しいね」

岡部「いや、コス衣装は無事にコインロッカーから取り
出せたか気になってな」

まゆり「コス衣装? 故障中のロッカーはあったけど、そ
れは使ってない
から普通に取り出せたよー」

岡部「そうか。それなら良かった」


まゆり「何かあったのー?」


--18:00--岡部「いや、何でもない。……ん、悪い。紅莉栖から電
話がかかってきたから切るぞ」

まゆり「うん、分かった! じゃあねー」


岡部「どうした助手よ」


紅莉栖「聞いて、オリジナルのバナナが消えた


岡部「……何だって?」


紅莉栖「私がラボへ来る前、電写レンジを使ってバナナを
複製したのよね…? それが突然目の前で消えた」

「バナナの消滅について、考えられる仮説は一つよ
。コピーを生成したら、オリジナルは6時間後に消
えてしまう
岡部「……」


紅莉栖「岡部、あんたが自分のコピーを作ったのは何時?


岡部「……13:00だ」


紅莉栖「もし仮説が正しいならあんたが消えるまであと1
時間ね。 時間がない。急いで行動に移さないと

「岡部のコピーを作るなと言ったところで、好奇心
旺盛なあんたはどうせコピーを作るだろうから……
「さらに遡って、今から私が、電写レンジを作る前
のあんたに『電写レンジを作るな』とDメールを送
る」
岡部「紅莉栖……お前に任せる!」


紅莉栖「まったく、しょうがないわね。貸しにしといてあ
げ……」






岡部「……紅莉栖?」


「世界線が変わった?紅莉栖はまだDメールを送っ
ていないはず……。いったい誰が……いや、考える
までもないな。おそらくは……“俺”の仕業だ」
「……ん?」


Taboo!! ニュース
ラジ館に突然食器と食材が出現!
岡部「ニュース速報なんて珍しいな。……っ!? 『ラ
ジ館に食器と食材が出現』しただと!?」

「食器と食材……? 一体何なんだ」


受信メール時間:14:30
送信者:まゆり
件名:食器がたくさんあったのです!
本文:トゥットゥルー♪ 帰ったら、ラボ
   に食器やご飯が増えてたのです!
   ダルくんは買わないだろうし、オカ
   リンが買ったの?
岡部「見覚えのない食器に食材まで……。一体何が起き
ているのだ……?」

「明らかに電写レンジ(仮)が使われた痕跡はあるが
、俺はこんな皿買っていないし食材なんて用意して
いない」
「エックス、ひとまずまゆりの元へ戻るぞ」


--18:30--あなたと岡部はラボに戻り、まゆりに起きている現
象について詳しく話を聞いてみることにした。

まゆり「トゥットゥルー♪ オカリン、エックスさん、お
かえりなさい! ……あれ、そんなに険しい顔して
どうしたの?」
岡部「もう一人の俺も、紅莉栖も、電写レンジも何も無
くなっている……。まゆり、ラボに増えていたとい
う食器はどこだ」
まゆり「これだよー! 急に食器がいっぱいになってたか
ら、まゆしぃびっくりしちゃったよー」

「もしかして、エックスさんの歓迎パーティーでも
しようとしてたの?」

岡部「いや、そういう訳じゃないんだ……」


まゆり「えー! でもでも、こんなに食材も揃っているの
です!」

岡部「食材……ああ、食材も増えていたんだったな。鶏
肉に卵に……一通りみたが特別怪しい食材は無さそ
うだな」
「それにしても一体、俺は何をしたがっているんだ
?」

まゆり「この食材でみんなとパーティーしたかったな…。
そういえば、クリスちゃんともう一人のオカリン、
どこ行ったのかなー?」
岡部「ん、またニュースか?」


Taboo!! ニュース
秋葉原中に食器と食材が出現!
岡部「ラジ館だけではなく秋葉原中に食器と食材が出現
している……? しかも紅莉栖にメッセージを送っ
ても何も応答しない」
「一体何が起きているんだ? ……エックス。こう
なったら、もう直接電写レンジがある場所へ向かう
しかなさそうだ」
--18:58--紅莉栖「岡部!? どうしてここに?」


岡部「説明している時間はない、電写レンジを貸せ!」


--18:59--紅莉栖「あ、ちょっと! ……というか、あなた何者?
何で岡部と一緒にいるの? 岡部の知り合い? 分
かるように説明して」
あなた「どこかで聞いたことのある台詞……あ、そうか。
紅莉栖さんと私はこの世界線ではまだ会っていない
のか」
受信メール時間:12:30
送信者:岡部
件名:
本文:at:ラボ
   電写レンジ作るな
あなたが紅莉栖に2回目の自己紹介をしている間に
、岡部は「電写レンジ(仮)を作るな」と、12:00の自
分に送信していた。
岡部やったぞ! これで電写レンジ(仮)を作ることは
なく、俺のコピーも作れない!」

「つまり、俺は無事ってことだ!」


「コピー風情が、この狂気のマッドサイエンティス
ト、鳳凰院凶真に歯向かうなどあってはならないの
だ! フゥーハハハ!
--19:00--さて、それではラボに戻


あなた「岡部さん?」


???「おーい、エックス!」


岡部?「なにをボケっとしている? 早くラボに戻るぞ」


あなた「は、はい! ……あれ?」


なんだかすっきりとしない気持ちを胸に、あなたと
岡部はラボに戻るのだった……。

※DメールのDが全角なのは原文ママ。
※二回にわたって、妙に初対面の人物に対して当たりが強い紅莉栖。
……もしかして、劇中で性別の設定は提示されてないものの
エックスは女性、あるいは るかほどでないにせよ女性的な外見なのだろうか。
※岡部が送信したはずのメールが「受信メール」になっていたり、
宛先が名字だけになっているのは原文ママ。
※「さて、それではラボに戻」に鍵括弧が抜けているのは原文ママ。
またボイスだと「さて、それじゃあラボに戻」と聞こえる。

第8章 夢想世界のエピローグ
(着信音)


紅莉栖「ねぇ、そこに岡部いる? あいつの電話繋がらな
いのよね」


あなた「岡部さん? 今ここにいますけど……。代わりま
すね」

岡部?「助手よ、何の用だ?」


あなた(勝手にスピーカーにされた……)


紅莉栖「電写レンジのことでいろいろ聞きたいことがある
んだけど……」

岡部?「電写レンジ(仮)はそこにあるんだな」


紅莉栖「勿論あるけど……? どうしたの?」


あなた(え? 岡部さんはさっき、電写レンジを作らない
ように過去改変していたはず……)

紅莉栖「エックス? どうしたの?」


あなた(もしかして……さっき目の前で岡部さんが消えたの
は、世界線移動ではなく電写レンジ(仮)によるオリ
ジナルの消失……!)
(今いる岡部さんはコピーの方ってことか……!)
「……まずいことが起こりました」

紅莉栖「な、何よ……?」


あなた「……あなた、岡部さんのコピーの方ですね」


紅莉栖「……!?」


あなた「さっき岡部さんが目の前で消えたとき、すぐにあ
なたが来たからうやむやにされたけど、あれはオリ
ジナルの消失の瞬間だったんだ……」
紅莉栖「どういうこと!? 何であなたがそれを……?」


あなた「紅莉栖さんの手にある電写レンジ(仮)は、恐ら
くコピーの方。オリジナルは既に消失してしまって
います」
「そして岡部さんも……。今いる岡部さんはコピー
の岡部さんなんです......!」

紅莉栖「そんな……!?」


コピー岡部「フフフ……ようやく気付いたのか。まあ、コピー
だろうとオリジナルだろうと、俺に変わりはないだ
ろう。なんの問題もない」
あなた「……っ!私はオリジナルの岡部さんがいいんです


コピー岡部「……ほう。まあ、そんなことを言ったところでも
う遅い」

「オリジナルが消失した今、俺が「岡部倫太郎」と
いう事実に変わりはないのだからな。フフフ……ハ
ハハ……フゥーハハハ!
そう言い残すと、コピーの岡部はラボの外へ出てい
ってしまった。

紅莉栖「そんな……。もう本物の岡部は戻ってこないの…
…?」

あなた「……いや、まだ手はあるかもしれない。紅莉栖さ
ん、協力してもらえますよね?」

紅莉栖「もちろんよ!!」


「電写レンジ(仮)を作ったとき、岡部は空腹だった


「もしかすると、あいつのお腹を満たしてあげるこ
とで、電写レンジ(仮)を作らないようになるかもし
れない」
「岡部が空腹ではないと仮定して、もう一度実験を
思い出してみて!」

送信メール時間:時刻
受信者:人物
件名:
本文:
物  
 つくれ
        つくるな
作り直した電写レンジを見ると、Dメールの文面が
わずかに変化していた。

紅莉栖「どう!? うまくいった......? ……うそ、何も
変わってないなんて……。 それだけじゃダメなの
ね……」
あなた「そうですね、電写レンジの見た目はなにも……あ
れ、Dメールの文面が「つくれ」「つくるな」とひ
らがなになっていますね……」
「もしかしてこれにも何か関係が……?」


「そういえば…。あの時、私は岡部さんの行き詰っ
ていた実験のお手伝いをしていたんです......。もし
かすると、私のせいで......」
紅莉栖「エックス……?」


あなた「私が岡部さんと出会わなければ、電写レンジ(仮)
はそもそも発明されなかったんじゃ……?」

紅莉栖「……っ! そんなことない! きっとなにかある
はずよ、別の手を考えましょう!」


あなた「いえ、もう私が岡部さんと出会わないようにする
、それしか道は残されていないんです……」

送信メール時間:12:00:00
受信者:エックス(あなた)
件名:
本文:
なかま       
 つくれ
               つくるな
あなた「そうか、そもそも自分がなかまつに行かなければ
岡部さんに会うことも無かった」

「だから『なかまつに来るな』とメールを送りさえ
すれば……!」

紅莉栖「なんだかその文面、エックスに『仲間を作るな』
って言ってるみたい……」

あなた「ふふ、紅莉栖さん、私のこと仲間だって思ってく
れてたんですか?」

紅莉栖「あ、当たり前じゃない……! エックスは、大切
なラボメンよ」

あなた(ちょっと照れくさそうにしている……。でも指摘し
たら怒りそうだし、黙っていよう)
「そう思ってくれて、嬉しいです」
「まだ出会って間もないですが、紅莉栖さんはもち
ろん、未来ガジェット研究所の皆さんのことは大切
な仲間だと思っています」
「でも、だからこそ、大切な岡部さんを取り返さな
いといけない。私が消えれば、全てが丸く収まるん
です」
紅莉栖「そんな......。 エックスが消えなきゃいけないな
んて......。 そんなのあんまりよ......」


あなた「消えないといけないといっても皆さんと出会わな
ければいいだけ。そうすれば、皆元に戻るんです」

紅莉栖「でも! あなたが......! あなたが犠牲になるな
んて......!」


あなた「いいんです、皆さんと過ごした時間はとても短か
ったけど、楽しかったです。皆さんと出会ってない
世界、今まで通りの私に戻るだけです……」
「ちょっと寂しいけど、リーディングシュタイナー
? でしたっけ」

「記憶を受け継ぐ特別な能力を持っている私にはこ
の記憶が無くなることはない。だから私は平気です
「……さあ、早く。Dメールを送ってください」


紅莉栖「エックスッ......!!」


あなた「紅莉栖さん、岡部さんにもっと優しくしてあげて
くださいね。では、またどこかで……」





世界線が変わる直前に見えたのは、紅莉栖さんの泣
き顔だった……。

こうして電写レンジ(仮)を巡る一連の騒動は終息し
、あなたは今まで通りの生活に戻るのであった。

いつもと変わらず、秋葉原の街を歩くあなた。


遠くから、どこかで聞いたような、笑い声が聞こえ
る。
「......フゥーハハハ!......」



Fin.



※「……」と「......」が混在しているが、原文ママ。
※エックスに向けての文面が完成して以降は自動的にテキストが進んでいく。

ARコースター
岡部フゥーハハハハハハハハ!
エル・プサイ・ァコングルゥゥ…
この狂気のマ〜ッドサイエンティスト、ふぉうおういん凶真
の助手として働けること、誇りに思うが良い!
まゆりトゥットゥルー♪
えっへへー。オカリンの役に立ててね、まゆしぃは嬉しいよー。
でもね。ラボは変わらないと思うよ。何年 経っても、ずっと。
紅莉栖誰がクリスティーナだ。
岡部、もしかしてあの痛々しい名前しか名乗って
ないの? あなたもそれでよく付いてきたわね……
このHENTAI!
※ボイスのみでテキストはなし。
一部 文体は管理人のセンスによるもののため ご了承下さい。
※タップするたびに台詞が順に切り替わっていく。
※まゆりの二つ以外のボイスは、全て劇中にて使用されている。
岡部の高笑いや別れの合い言葉も、正確に表記すると こんな感じ。