これが最期の日記 こぼれたミルクは戻らない そして絶対ミルクをこぼす奴がいる 案の定この結末 お決まりのバイオハザード 48時間後には完全に ウイルスに汚染され この島の生けとし生けるものは 死に絶えるだろう 俺だってあと少しで ウイルスに操作されるだけの 肉人形に成り果てる 残された希望は彼女だけ 無敵の分身、俺のネティシア 彼女と出会ったのはからっぽの独房 餌など何もない牢獄に 健気に巣を張っていたのがお前だった 何でお前を気に入ったんだ? 世界の片隅で生き抜いている姿が 重なったから? 俺はせっせと蛾やゴキブリを捕まえては 巣にかけてやった お前が獲物を糸でぐるぐる包み込み 体液を吸い取っていくさまを見るのが 一番心安らぐときだった どんどん大きくなる姿を見て 俺はネティシアをもっと大きく 強くしたくなった そこで廃棄処分された実験体の肉を 盗み出して与えたんだ ウイルスの効果はテキメン すぐにお前は人ほどの大きさになった 与えるエサがなくなったら 独房に囚人をほうり込んだ どうせアルフレッドの拷問で 殺される運命なのだ 多少減ったところで どうという事はなかった とうとうお前は 独房で暮らせる大きさではなくなり 俺は刑務所の天井にお前を解き放った 天井はネティシアの巣となり アットランダムに囚人や看守を むさぼり食うようになった 俺の分身を打ち負かせるものなど どこにもいない 憎たらしい低能アルフレッドさえ お前の牙は引き裂くだろう だがもう終わりだ 体をウイルスが蝕んでいる 天井を八本の脚で せわしなく動き回るネティシア お前の足音が聞こえる あらかた食えるものは 食い尽くしてしまったのだろう 渇きがお前を苛立てる ネッティ、すべてを殺し 破壊し、貪り尽くせ 俺が消えるこの世界に何の意味もない 目の前に覗きこむように現れる8つの目 迷うことはない、渇きの本能に従って 俺を噛み砕いてくれ |
手短に報告する 三ヶ月に渡って工作員による 内偵を行っているが 未だH.C.F.のスパイを 特定できずにいる しかし、ジュネーブで回収した D書類からすれば ロックフォート島公邸内を 自由に歩き回れる裏切り者が 潜んでいるのはほぼ確実だ 発見しだい速やかに処分することを 貴兄に約束しよう 敵側が何を目論んでいるか 定かではないが、H.C.F.側に不穏な 空気が漂っているのは確かなようだ 盗み出した実験体の複製にも 成功したらしい 当然その成功にはある男が かかわっている 貴兄も知っている男だ 念のため私から プレゼントを送っておく 合衆国製のB.O.W.ネメシスT型 ラクーンシティーで 大活躍の最新型だが 予算も管理も機密費扱いだから 足もつかない 潜水艦で搬入機材に潜ませて送る そのため、この化物が島に渡ったことは 私と貴兄以外に知るものはいない P.S.、ネメシスT型は 非常事態を感知した時に 自動で起動するようになっている ソレ以外目覚めさせる方法はない お守りぐらいに思っていてくれたまえ |
もうじきここは Tウイルスのせいで壊滅する ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ウイルスの怖さを知っている ![]() ![]() ![]() 一定量のウイルスが拡散してしまえば それを防ぐ手段はない ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() 支配し、さらなるウイルス拡散のため ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() いまさら許してくれなど いうつもりはない おまえが言っているとおり 母さんの死は 父さんが招いたこと それはまぎれもない事実だ ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ずっとその行いを悔やんでいる 何でこうなってしまったのか? 何が間違っていたのか? おまえにとって どうしようもない父親だったが 父さんは家族を愛して ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() 過去の過ちをやり直すこともできない ただおまえが生き延びてくれることを祈るしかない。 賢いおまえのことだ ここに戻ることはないだろう 万が一これを読んでいるのなら 一刻も速くここから立ち去ることだ ここはすぐに邪悪な ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() 愛しているよ ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() (原文まま、息子の名は爆発で掠れ判読不能) |
エシュロン(ECHELON・フランス語で梯形)が 解読、発見した差出人不明のメール文章は 高度に暗号化されていた。 国家安全保障局(NSA)が「アレクシア」で 検索させた結果発見されたもの。 ロックフォート島事件の最中に送信されており、 災害と関連性は高いと思われる。 From: Scarlet Eye [SMTP:xxxx@xxxx.ne.xx ] Sent: Thursday, December 28, 1998 0:59 AM To: Golden Sheep Subject: Encounter with the T-Veronica ロックフォート島の作戦行動中 T−Veronica感染者と遭遇 死の傘はT−Veronicaを 島内に隠蔽していたもよう 工作活動による 第三レベルバイオハザードにより 島内施設、組織の90パーセントを掌握 組織的抵抗はすでにない 感染者はashford家の娘 alexiaに酷似している 前日22:40地下研究所内で接触 エージェント1小隊 ハンター改2小隊による 近接戦闘を行うが3分ほどの戦闘で壊滅 所見であるが外的攻撃要因に対して 極度の対応変形能力を持ち 銃弾に対して 即座に外骨格化変態を行うなど そのポテンシャルは想像を絶する さらに環境変化や 生命的脅威を与えることよって 次なる進化適応を おこなうであろうことは 容易に想像できる 感染者の血液は大気に触れると 発火する性質を持つよう それを利用した血液散布攻撃は 火炎放射機の能力をはるかに超え 瞬時に火炎地獄の フィールドを形成する 我が隊帰還の可能性はゼロに近い 何故なら感染者の追撃は 知的な人間的思考に超絶な攻撃能力を 加えた恐るべきものだからだ 繰り返す 我が隊帰還の可能性は 限りなくゼロに近い |
VTOLのターボジェット音が 私を目覚めさせた。 夢を見ていた、恐い恐い夢 体中汗をかいて 未だ心臓が荒くバクついている 夢がいつもそうであるように 急にその記憶は消え去っていく 残されているのは恐怖と…深い悲しみ 驚いたことに私は泣いていたらしい コクピットでは スティーブが操縦棹を握っている 悪夢はすでにはるか後方 何を恐れ、悲しむ必要があろうか 私たちは絶望と死の島から生還したのだ コクピットには柔らかな光が差込み 覆っていた闇を消し去っている 広がる海面では イルカたちが楽しそうに跳ねている なのに悪夢の残滓が頭から離れない 少しずつ夢の情景が蘇ってくる それは…あの島の夢だった 私は現実と同じように戦っていた スティーブと一緒に 夢は現実と違う方向に進みだしていた 身の毛がよだつ 私とスティーブの悲しい別れ… それはありえたもう一つの未来 何かが狂えば そのようになったかもしれない だけど私たちは運命に勝利した 握り締めた銃一つであの地獄から 脱出したのだ 私は悪夢を脳裏から追い払った スティーブに声をかける 空は限りない光に満たされている 急に空の白さが増していく 何故彼は振り向かないのだろう きりのような白 夢は本当に夢なのだろうか 私には分からない… 一面、白い世界に包まれていく 何故彼は振り向かないのだろう 現実は本当に現実なのだろうか? VTOL機の周期的なエンジン音が 振り回される巨大な斧のような 風切音に変わり しだいに、しだいに 大きく現実感を持って響きだした |