Wesker's Report

私の名はアルバート ウェスカー。

裏では生物兵器の開発をも手がける
製薬会社アンブレラで、
私はもともと研究員としての幹部を
目指していた。
しかし、ラクーンシティにある幹部養成所での
ウィリアムバーキンとの出会いが
私に進む道を変える決意をさせた。
彼の方が研究員としては、突出していたからだ。

やがて、私はラクーンシティ警察の
特殊部隊S.T.A.R.S.へ移る事になった。
アンブレラ製薬は違法な生物兵器
開発の危機管理上、
警察内部にも多数の人間を送り込んでいたのだ。
私はS.T.A.R.S.で隊長の肩書きを利用し、
アンブレラのためにあらゆる諜報活動を行った。
私は、ある計画を考えそれを実行するための
機会を待っていた。
そして、遂にその機会が訪れた。
1998
JULY

7.24

発端は、ある洋館の森で猟奇殺人が多発した事だ。
その洋館とは、アンブレラの生物
兵器研究所であり、
殺人の原因が開発中のTウィルスで
ある事は明らかだった。
アンブレラは秘密裏に事件を収拾する為に
S.T.A.R.S.を介入させないように指令してきたが、
市民感情の高まりから、出動せざるを
得なかった。
そこで、次の指令がきた。
『S.T.A.R.S.を洋館に誘き寄せ抹殺しろ。
そしてその状況をつぶさに報告し、
戦闘時におけるB.O.W.の実験データとして
役立てろ。』との指令を私に下してきたのだ。
そこで、私はS.T.A.R.S.にある2つのチームのうち、
まずブラボーチームを派遣した。
彼等は自分たちの命を省みず果敢に敵と戦い
実験データ採取に役立ってくれた。

戻らぬブラボーチーム捜索の為
アルファチームを出動させた。

アルファチームの連中も果敢に戦い、
次々死んでいった。
11人いたS.T.A.R.S.のメンバーのうち、
アルファチームでは
クリス、
ジル、
バリー、
ブラボーチームではレベッカ、
そしてエンリコの5人だけだった。

・ジル
どうなってるの?

・ジル
今のは!?
・クリス
俺が行こう
・ウェスカー
よし 私とジルは
ここを確保しよう

・ジル
クリス!
気をつけてね

そして、私は遂に自分の計画を実行する
時がきたのだ。
この混乱に紛れて、アンブレラの
究極生物兵器タイラントを奪い
アンブレラと対立する、ある企業に
移るための手土産とするのだ。
対立企業に売り込むにはタイラントの
実戦データも必要になる。

5人は高い能力を持ちタイラントに
ぶつけるにはうってつけの存在だった。

この計画の為に私は裏切り者を
忍ばせていた。
5人をタイラントまで誘導させるのだ。
裏切り者・・・その正体はバリーだ。

・ジル
バリー

奴は正義感が強く、人一倍情に厚く
家族を大事にしていた。
このタイプを操るのはたやすい。
そいつが大事にしているものを
奪ってしまえばいいのだから。

クリスやジルが予想以上のポテンシャルを
秘めていたのは誤算だったが、

バリーの裏切りで計画は順調に進んだ。

・バリー
ジルか いいところに来たな
奥から人の声がしたんだ

・エンリコ
ジルか?
・ジル
その声はエンリコ?
・エンリコ
S.T.A.R.S.は もうだめだ
裏切り者がいる
はめられたんだ
アンブレラに…

だが思わぬところで計画が狂った。
S.T.A.R.S.副隊長兼ブラボーチーム隊長エンリコ。
その腕もさる事ながら、
鋭い観察力と正義感の強さで人望を集めていた奴に、
バリーとの会話を聞かれてしまったのだ。
真相に気づいたエンリコを始末しな
ければならない。

・ジル
エンリコ!

邪魔者を始末した私はタイラントのいる部屋で、
バリーが連れてくる実験体の到着を待っていた。

・ジル
ウェスカー
・ウェスカー
よくやった バリー
・ジル
やはりね
何故S.T.A.R.S.壊滅を?
・ウェスカー
アンブレラの意向だ
この研究所は少々危険な
実験をしていてね――
実際に事故を起こしてしまった
もちろん公になど出来ない
・ジル
何かとかぎ回る
S.T.A.R.S.は都合が悪かった…
まるでアンブレラの奴隷ね
…ここのバケモノと同じ!
・ウェスカー
バリー 地上で待機していろ
・ジル
バリー
・ウェスカー
君たちはアンブレラが裏にいると
思いこんでいるようだが――
あくまで私自身のためだ
・ジル
この上まだ何か!?
・ウェスカー
たとえば究極の生物兵器を
開発したとしよう
さてどうする?
運命は君に委ねられるんだ
・ジル
横取りする気ね その大発見を
・ウェスカー
見せてやろう タイラントだ…

私はバーキンからもらったウィルスを
事前に注入していた。
対立企業に身売りするには、
死んだと思わせた方が都合がよかったからだ。
バーキンの話しでは、このウィルスの
効果は絶大で一度仮死状態になった後、
超人的な能力を身につけ蘇るというのだ。
タイラントの封印を解き放ち、
私自身を襲わせた。

・ウェスカー
何!
こっちじゃない…

タイラントに倒され、薄れゆく意識の中で、
私は計画の成功を確信していた。

・ブラッド
クリス そいつを使え!
バケモノにブチかますんだ!

だが、まさかS.T.A.R.S.の手でタイラントが
倒されようとは

私は最大の手土産を失い、人間を捨て
てまでたてた計画も台なしだ。

私の邪魔をするものは、例えどんな手を
使ってでも葬り去る。
必ずやS.T.A.R.S.を追い詰め
皆殺しにしてやる。
SEPTEMBER

洋館事件から2ヶ月がたった。
私は加入した新しい組織で、
地に落ちた評価を取り戻すために、
同じ組織からアンブレラに送り込まれていた
エイダという女スパイと手を組むことにした。

・アネット
名前は?
・エイダ
エイダ
エイダ ウォン
・アネット
エイダ ウォン…?
聞いた事ある名だわ
G-ウィルスを狙う者は
みな 死ぬのよ
・エイダ
G-ウィルス?

彼女からの情報によると、アンブレラでは新たな
Gウィルスが完成間近だが、開発した研究者が
アンブレラに渡すのを拒んでいるというのだ。
私は直感的に開発したのは、
ウィリアムバーキンだと確信した。
バーキンも無茶なことをする。
アンブレラの恐ろしさを知らないのだ。

このままではバーキンは殺され、Gウィルスは
アンブレラに回収されてしまうだろう。

だが私の計画より先にハンク率いる
アンブレラの回収部隊が動き出した。
追い詰められたバーキンは自ら
Gウィルスを注入してモンスターと化し、
回収部隊を全滅させてしまった。

それから間もなくネズミを媒介とした
Tウィルスの蔓延がラクーンシティを襲い、
アンブレラは最悪のシナリオを迎えた。
9.28

ウィルスが増殖するように市民は
ゾンビと化し街は壊滅の一途をたどった。
ゾンビに対して人間の力など無に等しいのだ。

この混乱に乗じて、アンブレラヨーロッパは
実戦データ収集のため、
新型B.O.W.「ネメシス」を投入、
S.T.A.R.S.の生き残りジルをターゲットにした。
我々もネメシスのデータ収集に
乗り出さねばなるまい。
9.29

一方、事件の隠蔽に血眼になった
アンブレラはタイラントを投入。
真相を探ろうとする、
レオンとクレア抹殺を謀った。

・クレア
私はクレア あなたは?
・シェリー
シェリー

新事実が判明した。
バーキンは昔から研究成果を娘のシェリーが
持つペンダントに隠していたと言うのだ。
Gウィルスも彼女のペンダントの中に
違いない。
ラクーンシティの混乱に乗じて
アンブレラよりも先にシェリーを確保するのだ。

私はエイダを潜入させ、
シェリーの居場所を探らせた。
死人である私はあくまでも陰で動か
なければならない。

・レオン
どういうつもりだ?
一人で飛び出すなんてムチャを!

スパイというのは、感情を持たずに、
任務を忠実に遂行するマシンの筈だ。

・レオン
エイダ!
エイダ しっかりしろ!

レオンと行動を共にしてからエイダの中に
つまらぬ感情が芽生えつつあった。

・エイダ
私は足手まといになるわ
一人で逃げて
・レオン
俺が守るって言っただろ
・エイダ
あなたに死んで欲しくないの

悪い予感がする。
急がねばなるまい。

・エイダ
レオン!

予感は的中した。

・エイダ
待ってたわ レオン
G-ウィルスを渡して
だから逃げろって言ったのよ
それなのに…!

エイダは、Gウィルスを受け取った
レオンを追い詰めておきながら
つまらぬ感情に流され自ら死を選んだ。

・エイダ
さよなら

しかし彼女には、まだやってもらわねば
ならない事がある。
ここは、命を助けねばなるまい。

・レオン
こんな物があるから…

私達はレオンが投げ捨てたペンダントの
回収にあたったが、

・ハンク
こちらアルファチーム
ミッション完了した
・ナイトホーク
分かった 予定のポイントへ向かえ

アンブレラ回収部隊唯一の
生き残りであるハンクが、
いち早くペンダントを回収してしまった。
9.30

止むを得まい。
残された手はモンスターと化したバーキンを
実験体として持ち帰る。
その際、レオンやクレアをバーキンにぶつけ、
実戦データを取る事も忘れてはならない。

・エイダ
これを使って!
・レオン
これで終わりだ!

結局バーキンはレオンとクレアの前に
敗れ去ってしまったが、
我々は残された死体からGウィルスを
回収するのに成功した。

・レオン
危なかった
なかなかやるな シェリー
・シェリー
簡単よ
テレビで見た事あるもの
・クレア
さあ 行くわよ
・レオン
どうしたんだ
まだ何か?
・クレア
行く所があるでしょ
一緒にね
・レオン
おい 一緒ってまさか…
・クレア
クリス
待ってなさいよ
10.1

・ジル
助かったわね…
・カルロス
もう時間がねえ 急ぐぞ!

・カルロス
来たな…

ウィルスの感染を防ぐ為と偽り、
アメリカ政府によって
ラクーンシティが爆撃されたのは、
その翌日の事だった。

その後クレアは兄クリスを探すために
単身ヨーロッパに渡り、
レオンは反アンブレラを掲げる
地下組織に入った。

そしてシェリーは今我々の手にある。

バーキンの事だ、
まだ何かをこの娘に隠しているに違いない。
CVの初回予約特典のDVD。
※途中、SEPTEMBERとすべきところを映像ではSEMTEMBERと誤植されている。
GS4でブルースらが苦労したのはレオンがペンダントを投げ捨てたせい? なお、DCでは そのようなイベントはない。
※文中に「ナイトホーク」なる単語が紛れ込んでいるが、これは管理人が勝手に書き加えたものであり、あくまで初出はUCであるので お間違いのなきよう。
※映像では何故か、スーパータイラントがモンスターと化したバーキンであるかのような扱いをされている。
※ラストでシェリーが捕まったかのような描写があるが、実際には政府に送り込んだ工作員に監視されているだけである。

※以下、新1 HDに収録された内容。細かな部分に差異がある。
私の名はアルバート・ウェスカー。

表向きは善良な製薬会社だが、裏では生物兵器の
開発をも手がけるアンブレラ社で、私は研究員と
しての幹部を目指していた。

しかし、ラクーンシティの幹部養成所で、ある研
究員と出会ったことが、私に進む道を大きく変え
る決意をさせた。彼の名はウィリアム・バーキン。
研究分野において、突出した才能を持つ男だった。
やがて、私はラクーン市警の特殊部隊S.T.A.R.S.に
移ることとなった。
アンブレラは違法な生物兵器開発の危機管理上、
警察内部にも多数の人間を送り込んでいたのだ。
私はS.T.A.R.S.隊長の肩書きを利用し、アンブレ
ラのためにありとあらゆる諜報活動を行った。

諜報活動をこなしながら、私はある計画を練り、
それを実行に移す機会を狙っていた。
そして遂に、その機会が訪れたのだ。

1998
7.24

発端は、ある洋館付近の森で次々に猟奇殺人事件
が発生したことだった。
原因は、洋館内に設置されていたアンブレラ研究
所からt-ウィルスが漏洩、バイオハザードを引き
起こしたことにあった。
当初、アンブレラは秘密裏に事件を収拾するため、
S.T.A.R.S.を介入させないよう指示してきたが、市
民感情の高まりから、出動せざるを得なくなった。
そこへ次の指令が来た。
『S.T.A.R.S.を洋館におびき寄せ抹殺せよ。そして
その状況を記録し、戦闘時におけるB.O.W.の実戦
データを得よ』と。

私はS.T.A.R.S.にあるチームのうち、まずブラ
ヴォーチームを派遣した。彼らは自らの命を省み
ず果敢に戦い、実戦データ採取に役立ってくれた。
続いて、帰らぬブラヴォーチームを捜索するため、
アルファチームを出動させた。予想通りアルファ
チームのメンバーも勇敢に戦い、次々に命を落と
していった。

11人いたS.T.A.R.S.のメンバーのうち生き残った
のは5人。
アルファチームからはクリス・レッドフィールド、
ジル・バレンタイン、バリー・バートン。
ブラヴォーチームからはレベッカ・チェンバース
とエンリコ・マリーニ。

・ジル
みんな大丈夫?
・クリス
バリーは バリーはどこだ!?
・ウェスカー
恐らくは…
・ジル
まさか…

・ジル
今の音は!?
・クリス
俺が見てくる
・ウェスカー
頼むぞ 私とジルはここを確保する

・ジル
クリス
気をつけて
・クリス
ああ

・クリス
ウェスカー!?
・ウェスカー
クリス… 無事だったか!

遂に私の計画を実行する時が来た。
この機に乗じて、アンブレラのB.O.W.「タイラント」
を奪い、対立企業へ移るための交渉材料とするのだ。
対立企業に売り込むには、「タイラント」の実戦デー
タも必要になる。
生き残った隊員たちはそれぞれに高い能力を持ち、
「タイラント」の実戦データを取るには打ってつけ
の存在だった。彼らをタイラントまで導くため、
私は裏切り者を紛れ込ませた。
その裏切り者の名は、バリー・バートン。
正義感が強く、情に厚い。
そして、何よりも家族を大事にしていた。
こういうタイプを操るのはたやすい。
大事にしているものを奪えばいいのだ。
クリスやジルが予想以上のポテンシャルを秘めて
いたのは誤算だった。
だが、バリーの“働き”のおかげで計画は順調に
進んでいった。

・エンリコ
ジル?お前なのか?
・ジル
その声はエンリコ?
・エンリコ
ああ
・ジル
生きてたのね!
・エンリコ
待て!
お前一人だけなのかジル?
・ジル
ええ でもどうして
・エンリコ
S.T.A.R.S.はもう終わりだ
誰か裏切り者がいる
アンブレラに
はめられたんだ!

エンリコが真相に気づくことになったが、始末す
ればどうという事はない。

邪魔者を始末した私は、「タイラント」の研究室で、
バリーが連れてくる犠牲者の到着を待つことにし
た。

・ジル
ウェスカー
・ウェスカー
よくやった バリー
・ジル
やはり あなたね
・ウェスカー
まあ バリーを責めないでやってくれ
私に従わないと
妻と二人の可愛い娘の命が危うくなるそうだ
・ジル
よくも人ごとみたいに言えるわね
・ウェスカー
まあ何も気にすることはない
じきに全てから解放される
・ジル
どうしてS.T.A.R.S.をこんな目に…
・ウェスカー
信じなくてもいいが
アンブレラの意向だ
・ジル
まるでアンブレラの奴隷ね
・ウェスカー
君は頭がいい
だが 何か勘違いしているな
今までのバケモノなどクズだ
この研究所ごと焼きはらってくれる
バリー お前は地上で待機していろ
・ジル
バリー
・ウェスカー
あいつもおもしろい男だ
アンブレラごときに
おびえるとは
・ジル
アンブレラの命令で人質を取っておきながら!
最低ね!
・ウェスカー
アンブレラ?
確かにその名前を使ってバリーをおどしたが
これはアンブレラとは無関係だ
君たちはアンブレラが黒幕だと
思っているようだが
あくまでも私自身のためにやっていることなのだ
・ジル
自分のため…? この上まだ何か!?
・ウェスカー
君にいいものを見せてやろう

私はバーキンからもらった、あるウィルスを投与
し、仮初めの死を演出して見せた。
対立企業に身売りするには、アンブレラに私が死
んだと思わせた方が都合がいい。
バーキンの話では、このウィルスは、投与された
者に一度仮死状態になるリスクを負わせるが、そ
の後、驚異的な能力を与え蘇生させるという。
今回の計画では、その死にいたるリスクすら私の
手のうちだった。
私は、薄れゆく意識の中で、計画の成功を確信し
ていた。

・ブラッド
クリス そいつを使え!

今回の計画における最大の誤算は、S.T.A.R.S.の手
で「タイラント」が倒された事だ。
私は最大の交渉材料を失い、今後の計画変更を余
儀なくされた。
誰であろうと、私の計画を邪魔するものは、決し
て許さない。
長い間そうだったし、これからもそうだ。S.T.A.
R.S.の生き残りたちには、いずれこの代償を支払
わさせねばなるまい。

2 months later

洋館事件から2ヶ月。
私は新しい組織での地位を確立するため、同じ組
織からアンブレラに送り込まれていたエイダとい
うスパイと手を組む事にした。
彼女からの情報によると、アンブレラでは新たな
ウィルス、G-ウィルスが完成間近ということだっ
た。
私は直感的に、開発したのはウィリアム・バーキ
ンだと確信した。
しかし、バーキンはG-ウィルスをアンブレラに渡
すのを拒んでいるという。
バーキンも愚かな男だ。
このままではアンブレラによりバーキンは殺され、
G-ウィルスは回収されてしまうだろう。
私は、G-ウィルスとバーキンの両方を手に入れる
計画を進める事にした。
だが、私の計画より先に、ハンク率いるアンブレ
ラの回収部隊が動きだした。
追い詰められたバーキンは、G-ウィルスを自分に
投与、自らが「G」となり回収部隊を壊滅させた。

間もなく、ネズミが媒介となりt-ウィルスがラクー
ンシティに蔓延、アンブレラは最悪のシナリオを
迎えた。
市民がゾンビと化し、その増殖で街は壊滅の一途
を辿った。
ウィルス拡散に対して人間の力など無に等しいの
だ。
事件の隠蔽に血眼になったアンブレラは、「タイラ
ント」を投入。真相を探ろうとする、レオンとク
レア抹殺を謀る。
また、アンブレラ ヨーロッパは実戦データを収集
するため、新型B.O.W.「ネメシス」を投入、S.T.A.
R.S.の生き残り、ジルをターゲットにした。
この実戦投入は、「ネメシス」の情報収集を行いた
い我々にも好都合だ。
やがて、バーキンが今までの研究成果を娘のシェ
リー・バーキンが持つペンダントに隠しているこ
とが発覚。
G-ウィルスも彼女のペンダントの中に違いない。
アンブレラが事件の隠蔽に奔走する間、我々が先
にシェリーを確保するのだ。
私はエイダを潜入させ、シェリーの居場所を探ら
せた。
死人である私は、あくまでも陰で動かなければな
らない。

スパイにとって一番の使命は、感情を捨て、マシ
ンのごとく任務を忠実に遂行することだ。
だがレオン・S・ケネディと行動を共にしてから、
エイダの中につまらぬ感情が芽生えつつあった。
計画に感情などという不純物は不要だ。
とにかく事を急がねばなるまい。

思った通り、その不純物により計画にほころびが
生まれた。エイダは、シェリーからG-ウィルスを
受け取ったレオンを追い詰めておきながら、つま
らぬ感情に流され、自ら死を選んだのだ。
エイダを見捨てるのはたやすいが、まだやっても
らわねばならない事がある。
今、死なす訳にはいかない。

我々はレオンが投げ捨てたペンダントの回収に当
たったが、アンブレラ回収部隊唯一の生き残りで
あるハンクに、先を越される事となった。
しかしまだ手はある。
「G」と化したバーキンを、実験体として持ち帰れ
ば計画は問題なく完了する。バーキンにレオンと
クレアをぶつければ実戦データも取れ、言う事な
しだ。

バーキンはレオンとクレアにより倒されたが、残
された死体の組織片からG-ウィルスの回収に成功
した。

翌朝、「ウィルス感染の拡大を防ぐため」という大
義名分によりアメリカ政府によるラクーンシティ
爆撃が決行され、ラクーンシティは、歴史の闇へ
と葬り去られた。

その後、クレアは兄クリスを探すために単身ヨー
ロッパへ、
レオンとシェリーは政府管理下へと入った。
あの、抜かりないバーキンの事だ、
まだ何かあの娘に隠しているに違いない。
いずれ、その全てを手に入れてやろう。