バイオハザード ガンサバイバーのファイル集


教会のマネージャーの日記
10月7日
今日私を含むこの街の各セクションの
担当責任者全員が司令官に呼び出され、
先日のアメリカ・ラクーンシティ崩壊の
一件についての報告を受けた。会議では
Gウィルスを我が手中に納めんがために
裏切ったウィリアム・バーキンに対して
の非難が集まった。司令官は我々に対し
バーキンのような裏切り者がこの街に
存在するならばソイツを容赦なく殺して
もいいと命じられた。
司令官の命令はもっともだと私は感じる。
この街はアンブレラ本社にとってラクー
ンシティの研究所同様、いやそれ以上の
最重要施設のはずである。決してバイオ
ハザードを起こしてはならない。ひとた
びバイオハザードが起これば、何十億ド
ルもの巨額を投じてこの街全体を買い取
り、施設を建造したこと全てが無駄にな
ってしまう。
今後は今以上に社員たちの動向に目を光
らせる必要がある。


レストラン支配人の日記
10月4日
とんでもない話を聞いた。先週アメリカ
のラクーンシティって名の小さな街が
突如崩壊したそうだ。何でも住人は
みんな化け物になっちまって人っ子一人
生き残りはいないらしい。その事件は
アンブレラ製薬が関わってるって話だが
詳しい事はよく分からない。海の向こう
の話とはいえアンブレラが関わっている
となりゃ只事じゃねぇ気がする…。
この街に何事もなければいいのだが…。
10月6日
今日聞いた話じゃラクーンシティを壊滅
させたのはウィリアム・バーキンって
野郎なんだと。奴は自分が作ったTやら
Gやらいうウィルスを一人占めしようと
してアンブレラ本社とウィルスの奪い合
いをしてたんだ。その時なぜか奴は自分
の体にウィルスを投与して化け物になっ
ちまい、ついでに下水に漏れたウィルス
がドブねずみを介して街全体に
広がったって話だ。
10月8日
どうする?昼飯を食いに来たアンブレラ
社員の客が例のTウィルスがこの街にも
あると話していたんだ。ソイツはここで
は事故なんて絶対起きないって笑ってい
たが万が一って事もある。破格のギャラ
に釣られてアンブレラに雇われた俺だが
このヘンピな街でアンブレラの社員相手
だけに商売するのもそろそろ飽きてきた
ところだ。万が一が起きる前にこの街か
ら逃げ出す時が来たのかもしれない。


ラクーンシティ崩壊後レポート
 1998年8月5日
U.B.C.S.調査隊員からの報告書@
5月11日に発生した生物兵器研究所、
及びスペンサー卿の洋館におけるバイオ
ハザードは、S.T.A.R.S.アルファチーム
のジル・バレンタイン、クリス・レッド
フォードらが7月25日に施設を爆破する
形で一応の終結を見た。8月5日今現在
Tウィルスの周辺への漏洩は確認できず。
しかし更に注意は要するものと思われる。

未確認ながら、わが社の元社員である
S.T.A.R.S.アルファチームリーダー・
アルバート・ウェスカーは死亡したと
思われる。ジル・バレンタインとクリス・
レッドフォードが、今回の一件をマスコミ
関係者および警察関係者に広く公表する
準備を進めているらしいとの情報を入手
した。この件に関しては本社の迅速なる
政治的処置を望む。
U.B.C.S.隊員ニコライ・ジノビエフ

 1998年9月30日
U.B.C.S.調査隊員からの報告書A
私は今ラクーンシティの一角にある時計塔
にいる。街は既にゾンビ達に占領され、
ラクーンシティはバイオハザードにより
完全に壊滅したといっても過言ではない。
だが今回は、洋館での偶発的なバイオ
ハザードとは異なり、わが社の研究員で
あり、TウィルスとGウィルスの発明者
であるウイリアム・バーキン博士の謀反
による人為的事故の疑いが強いようだ。
今回の2つのバイオハザードを調査した
結果、私が強く感じたことは、全世界に
散らばるわが社の施設におけるウィルス
の管理体制を強化すること、社員に対する
再教育を徹底すること、この2つである。
生物兵器ウィルスは将来わが社の主軸と
なる貴重な商品となるものである。
今後、二度とバイオハザードが発生しな
いよう、全社員心してかかって欲しい。
U.B.C.S.隊員ニコライ・ジノビエフ

 1998年10月6日
ラクーンシティのバイオハザードにおけ
る、Tウィルスの感染データ及びB.O.W.
との対戦データの収集は困難を極めた。
特にタイラントを改造した、我々が
「追跡者」と呼ぶ新種B.O.W.の実戦データ
収集に関しては、こちらが想像する以上に
ターゲットが凶暴であり知的頭脳を有し
ていたため、我々が派遣したU.B.C.S.
隊員達にも相当の犠牲を強いられた。

研究者諸君においては今回の実戦データ
を分析することで、更なる進化した究極
のB.O.W.を開発されることを切に願う。
    アンブレラ B.O.W.開発チーム







※レッドフォードとウイリアムは原文ママ。
※ラクーンからリアルタイムでメール送信した可能性もあるため、
ニコライがラクーンから脱出したことを確定させる資料ではない点に注意。


患者のカルテ
名前:スミス・J・ウィリアムズ
性別:男      年齢:17歳
身長:181cm  体重:72kg
健康状態:良好   精神状態:無気力
投薬:毎朝食時:精神安定剤トランキラ
        イザー10mg粉末を
        スープに混入。
   毎夕食時:睡眠薬ハルシオン5m
        g混入のパンを与える
        こと。

名前:ジェニファー・キャンベル
性別:女      年齢:18歳
身長:165cm  体重:47kg
健康状態:良好   精神状態:不安定
投薬:長期にわたる隔離生活の為かなり
   猜疑心が強く他のもの達のように
   食事に精神安定剤を混入する方法
   は効果がない。(食事を残すため)
   よって飲料水に精神安定剤を溶か
   して飲ませる方法が最良と思われ
   る。



名前:リョウジ・ヨコタ
性別:男     年齢:18歳
身長:177cm 体重:59kg
健康状態:MRI検査の結果小脳に静脈
     癌あり。
     商品価値なし。


名前:カレリーナ・アルバチャコフ
性別:女     年齢:17歳
身長:155cm 体重:43kg
健康状態:良好  精神状態:良好
投薬:毎朝食時:精神安定剤トランキラ
        イザー10mg粉末を
        スープに混入。




※リョウジ・ヨコタのページには四角い枠つきでINVALIDの判が押されている。
意味は「無価値」。


アンブレラ極秘ファイル




   アンブレラ社極秘資料

   関係者以外の閲覧を禁ず




 このファイルは1998年5月11日を
発端とするアメリカ・アークレイ研究所
において発生した”Tウィルス”の流出
事故及びその約4ヶ月後ラクーンシティ
において発生した大規模な、バイオハザ
ードによって誕生したウィルス感染に
よる新種の生命体・B.O.W.のデータであ
る。なお未確認ながらここに記した以外
にもB.O.W.は複数存在していたと思われ
る。それらについてはデータが揃い次第
ファイルに記載するものとする。
 B.O.W.ファイル@[ゾンビ]
Tウィルスを感染させた人間。
人間としての理性を失い本能、
特に食欲に突き動かされ、常に人肉を
求めてさまよい歩く。
      ◎対処法
動きは遅いので離れた場所からの
狙撃により簡単に倒すことができる。



 B.O.W.ファイルA[ケルベロス]
Tウィルスを感染させた犬。
人間のゾンビに比べ肉体の腐食化は
あまり進んでいないので俊敏な動きで
襲ってくる。物音に敏感で走る音を
聞きつけて遠くから襲いかかってくる
事がある。
      ◎対処法
ハンドガンで十分対処できるモンスター
ではあるが動きが速く照準を合わせる
ことが困難である。
 B.O.W.ファイルB[リッカー]
ゾンビとなった人間が更にTウィルスに
侵食され突然変異を起こし生まれた。
変形に伴い四足歩行や脳の露出という、
際立った特徴を持つに至る。ゾンビに比
べ瞬発力が飛躍的に向上し視覚器官を持
たない代わりに聴覚が異常発達している。
      ◎対処法
音に反応し襲ってくるので、銃攻撃での
攻撃は注意を要する。また、足音にも敏感
に反応するので無闇に走ると危険である。
 B.O.W.ファイルC[イビー]
植物をベースにしたB.O.W.。
体表から水蒸気を摂取することで自立歩
行を可能にした。ムチのような触手攻撃
に注意されたし。
      ◎対処法
火に弱いので、火炎弾を装填した
グレネードランチャーが有効。



 B.O.W.ファイルD[ハンター]
人間をTウィルスでDNA操作して
作り上げたB.O.W.。
特に下半身の筋力が高められており、
高くジャンプして攻撃をしかけてくる。
      ◎対処法
獲物に飛びかかる直前に一瞬ではあるが
その俊敏な動きが止まる瞬間がある。
そこを狙って攻撃するのが最良だろう。


 B.O.W.ファイルE[タイラント]
わが社が総力をあげて創りあげた
TウィルスB.O.W.の究極形態。
更にタイラントをベースに、より凶暴化
させた通称「タイラント改」および
知的生物を寄生させた通称「追跡者」
がヨーロッパ支部で開発された。
      ◎対処法
この強靭な防御力と破壊力に対しては
何の手立ても無いに等しい。

 B.O.W.ファイルF[      ]
まだ完成には至っていないが、理論上は
タイラントの遺伝子培養時に、ある物質
を投与することで、更に凶暴なるB.O.W.
を大量に生産することが可能である。
しかし問題は・・・・。







管理人アンディの日記
9月6日
俺はまだ会った事はないが数ヶ月前から
ビンセントって野郎がこの街の司令官に
なったそうだ。
表向きはアンブレラ本社から派遣されて
きたエリートらしいが、裏じゃ出世のた
めに平気で同僚さえも殺すとんでもない
奴らしい。まあ、年中この暗い地下室で
暮らしている俺にとってはあまり関係の
ない話だが・・・・。

9月20日
嫌な噂を聞いた。赴任してきたビンセント
司令官の奴、工場の連中に命令して、
毎日、世界中から連れてきた若者達に
残虐な行為をしているらしい。元々あの
若者達が何の為にこの街に連れてこられ
たのか、その理由自体知らされていない
俺だが、あまり気持ちのいい話じゃねえ
な・・・・。
まあ、この俺にそのとばっちりがこなけ
れば何の問題もねえのだが・・・・。
10月10日
昨日の夜、上で何か大きな事件が起きた
らしい。
詳しい事は知らないが、ビンセント司令
官がまた何か残虐なことをしでかしたっ
ていう話だ。





11月9日
今日、とうとうビンセント司令官がここ
へ視察にやってきた。
たわいもない世間話をしただけだったが
見るからに残忍そうな奴で、記念に1枚
ってノリで写真を1枚撮ってやったら、
すごく怒りやがった。噂どおりの嫌な奴
だった。





刑務所長の日記
10月20日
本日、アンブレラ本社から先日報告書と
して提出した原材料20体の集団自殺事
件についての返答が返ってきた。
本社は、今回の事件について何も疑って
いないのか、すぐさま世界各地から次な
る原材料を供給する予定であるとの返答
だった。私は今更ながらビンセント司令
官に命じられるまま、あの集団脱獄事件
を集団自殺事件として虚偽の報告をして
しまった事を後悔している。
だがこの街にいる限りビンセント司令官
を敵に回すことは死を意味する。
私はあの夜、集団脱獄を謀った若者たち
全員を虫けらを殺すがごとく射殺する時
のビンセント司令官のあの残酷な微笑み
が忘れられない。ビンセント司令官は噂
どおり血も涙もない冷酷無比な男だった。
彼は殺人鬼だ。本来なら私は真実を本社
に報告すべき立場にいる。だが私は怖い。
ビンセント司令官が。
私は一体どうしたらいいのか・・・・。


若者の日記





[投獄された若者の日記]





9月5日
コンゴの街角であの黒ずくめの男達に拉
致されこの街に連れてこられて今日で16
日が過ぎた。ここに来た時には何がなん
だか分からなかったが、次第にこの街の
カラクリが見えてきた。どうやら俺達は
アンブレラっていう製薬会社の人体実験
のモルモットとしてこの街に監禁されて
いるようだ。
街の連中は全員アンブレラの社員ばかり
で女子供もみんなその家族だ。
モルモットは世界中から集められている
ようだ。隣の部屋のヤツは中国、向いは
ブラジル、他にもロシア、日本・・・・万国
博覧会ってカンジだが奇妙なことに俺と
同年代ばかりで下は16上は19か20
だ。アンブレラの奴らは俺達を街のゲー
ムセンターやクラブに時々監視つきで連
れて行きストレスを発散させようなんて
姑息なことをするがそんなものでは騙さ
れない。絶対にこの街を脱走してやる。
とにかく今は仲間を集めるんだ。
9月10日
最近、仲間たちの言動がおかしい。
どうやら食べ物に薬が混ぜられているよ
うだ。
俺も時々意識がない時がある。
気を付けなければ。





9月21日
助けてくれ! 今日もまた仲間が一人、
隣部屋の陳が、山の上の工場に連れて行
かれた。恐らく陳は戻ってこないだろう。
先週いなくなったアンナやジェイコブと
同じ運命を辿るに違いない。俺は知って
いる。山の上の工場に運ばれた俺達の仲
間が辿る運命を。この街のビンセントと
いう司令官の命令で工場の奴らは、俺達
の脳を切り裂いて、何とかっていう脳内
物質を抽出しているんだ。
昨日俺がクラブに連れて行かれたとき、
工場の奴らが俺達が来ていることを知ら
ずに、話しているのを聞いてしまった。
ビンセントは悪魔だ。
いやビンセントだけじゃない。この街の
女子供ですら俺達を人間としてではなく
モルモットとしてしか見ていない。
この街の連中、みんな悪魔だ。
ここにいたら間違いなく殺される。
脱走計画を早く実行しなければ!

10月9日
チャンス到来。この一週間、街のアンブ
レラの奴らが浮き足立っている。噂では
アメリカのどこかのアンブレラの研究所
で大事故が起こったらしい。看守の奴ら
もその情報収集に明け暮れていて、俺達
の監視が手薄になっている。既に集団脱
走のメンバーは揃っている。ストイコ
ビッチとエンリケは看守から鍵を盗む役、
俺とサンコンは陽動部隊、ヨシカワと
フェリペは武器調達の責任者だ。
10月10日
脱走経路が決定。決行は今夜11時。
総勢20名を A班と B班に分けて行動。
A班は地下の監禁室の通風孔から下水道
へ、 B班は監視塔からロープを使って市
街地の路地へ脱出する。ロープは俺達を
縛っているもので十分だ。もし失敗した
ら間違いなくビンセントに殺される。だ
がここにいてもいつかビンセントの命令
で俺達の頭蓋骨は切り開かれるだろう。
同じ殺されるのなら行動を起こすべきだ。


司令官ビンセントの日記
10月11日
昨夜、刑務所に監禁していた原材料ども
が集団で脱走、銃器を奪って暴動を引き
起こした。事件に関わった愚かな原材料
どもはこの俺が全員射殺してやったが、
この一件がアンブレラ本部に知られるの
は非常にまずい。この街での功績を土産
に本社に戻る計画が台無しになってしま
う。一応刑務所長には、集団自殺として
処理するように命令したが、他の者たち
にも口止めをしなければ・・・・。
11月8日
日頃俺のやり方に反発していた街の連中
が、俺を本社上層部に提訴しようと密か
に証拠集めを始めている。昨日ロットの
奴がこの街にスパイが潜入していること
を知らせてくれたが、そいつも街の連中
と関係があるのかもしれない。しばらく
泳がせて、背後関係と目的を調べ上げた
上で始末してやる。それにしてもこの街
で俺が唯一信頼できるヤツがチビのロッ
トだけだとは。なんとも悲しいものだ。
11月19日
街の連中め、来週新たに原材料を連れて
やってくる本社の人間達に俺の告発状を
渡す準備を進めているらしい。
何か証拠も押さえてるって話だ。
そんなことは絶対にさせない。
そしてこのまま街の連中を許すわけには
いかない。俺に逆らえばどうなるのか教
えてやらなければ・・・・。


11月22日
俺を怒らすとどうなるのか思い知らせて
やった。Tウィルスを街中にばらまいて
やったのだ。もちろん事故に偽装してあ
る。今ごろ街は壊滅状態になっているだ
ろう。これで堂々と俺は工場での成果を
土産にアンブレラ本社に帰ることができ
るわけだ。私に逆らう愚か者は誰もいな
くなった・・・・・・。いや一人だけ残ってい
た。奴だ。この街に潜り込んだネズミを
始末しなければ。


ビンセントの盗聴記録
ビンセント司令官の横暴には、これ以上
黙っておくわけにはいかない。
奴を失脚させるには、決定的な証拠を掴
み、本社の上層部に報告するしかない。
だが、奴はなかなか尻尾を掴ませないの
だ。そこで我々は、少々危険ではあるが
奴の電話を盗聴し記録することにした。
そして遂に奴を失脚させるのに十分な証
拠を手に入れたのだ。


この盗聴記録には、奴が先月の集団脱獄
事件において若者たち全員を射殺し、更
にその事実を隠蔽したことも録音されて
いる。更に、奴がこの街に赴任する前に
出世の為に同僚を殺した事実も録音され
ている。
この盗聴記録を来週この街にやってくる
本社の人間に渡すことが出来れば、奴は
間違いなく失脚する。
これでこの街にも平穏な日々が訪れるだ
ろう。


ロットの日記
9月10日
今日、けいむしょにかんきんされている
人をゲームセンターで見かけた。
やつらときたらみんなうつろな目をして、
よだれを垂らしている女もいた。反対に、
はんこう的な目でこっちをにらんでた奴
もいた。みんな着ている服はボロボロで
体からくさった匂いがしてた。パパやビ
ンセント司令官が言うとおり、やつらは
ボクたちアンブレラの人間とは違うおろ
かな人種なんだってよく分かった。
パパたちは、あいつらをまともな人間に
してあげるために、この島に連れてきて
しゅじゅつして治してあげるんだって
言ってたけど、そのとおりだと思う。
早く治してあげたほうがいいよね。






10月15日
ビンセント司令官が、集団だつごくした
人たちを殺したんだって。どうしてこん
なことになっちゃったの?確かにあの人
たちは、ボクたちよりおとってるけど、
殺すことはなかったはず。どうして?
ボクの信じていたものって何だったの?
アンブレラやパパたちは、おろかな奴ら
をしゅじゅつで治してあげるはずじゃな
かったの?どうして殺しちゃったの?

11月23日
街中がパニックになってる!
あちこち化け物が現れて、人をおそって
るんだ!
昨日までボクに優しかったアンブレラの
おじさんたちがボクを襲おうとしたんだ。
誰か、誰か助けて!




11月24日
パパもママも化け物になっちゃった。
ビンセント司令官が街の人たちを化け物
に変えたって生き残った人が言ってた。
もう、誰も頼りになる大人はいない・・・・。
こうなったら、ボク一人だけでも生き
残って、妹のリリィだけは何としても
助けなくっちゃ!
そして二人でこの街を脱出するんだ!!




工場職員の日記
1998年8月5日
もうたくさんだ!毎日毎日、何の罪もな
い若者たちを手術台に縛り付け、麻酔も
かけず頭蓋骨を切開し、脳の一部を切り
取る作業の繰り返し・・・・ベットに潜った
後も彼らの泣き叫ぶ声、悲鳴、断末魔の
叫びが耳の奥に残って消えない。
ビンセント司令官は、常々「彼らを人間
と思うな。彼らはあくまでもタイラント
を作り出すための原材料にすぎないのだ」
と冷たく言う。
だが実際に彼らの頭蓋骨にメスを入れる
俺達はどうしてもそんな風に思えない。
彼らは紛れもなく俺達と同じ人間だ。
せめて麻酔をかけて手術させてくれと何
度もビンセント司令官に懇願したが、そ
れでは純度の高いβヘテロ・ノンセロト
ニンが抽出できないと却下されてしまっ
た。いくら会社の命令とはいえ、俺達の
やっていることは倫理的に許されるもの
ではない・・・・俺達は間違いなく死んだら
地獄に落ちるだろう。
いや・・・・・・もうこの現実そのものが地獄
なのかもしれない。











原材料の抽出方法




[原材料βヘテロ・ノンセロトニンの
抽出方法について]





タイラントの大量生産体制を確立するた
めには、遺伝子培養の際に大量の純度の
高いβヘテロ・ノンセロトニンを注入す
ることが不可欠である。この物質は人体
の脳内物質の一部で第2次性徴期後期の
若者達(16歳から19歳の健康体)の
脳下垂体から最も多く分泌される物質で
あることが調査により判明している。
更にこの物質は脳幹の青斑核で作られる
ノルアドレナリンの過剰分泌に反応する
ことが医学データにより明らかにされた。
ノルアドレナリンは、人間を極度の緊張
状態・恐怖状態においた時に分泌される
脳内物質である。βヘテロ・ノンセロト
ニンは活性化細胞の中でしか存在しない
物質の為、脳死状態の人体からは抽出で
きない。





よって原材料となる若者達を麻酔もかけ
ずに生きたまま頭蓋骨を開き殺される恐
怖と激痛によるノルアドレナリンの過剰
分泌を促した上で、脳下垂体を切除する
ことが最良の抽出方法である。


  シーナ島タイラントプラント司令官
     ビンセント・ゴールドマン