CLUB96のデジタルアーカイブス


※改行による不自然な空白は、元のページでは画像が設置されていた。
※本来なら各ページの項目名も表記したいところなのだが、
残念ながら本文しか手元に保存されていなかったので
項目名の正確な表記ができず、このような形でまとめることとなった。ご了承下さい。

クリーチャー
主に「t-ウイルス」の影響で突然変異化し、皮膚の腐敗が進行した人間。その醜悪な外見から“生ける屍”という意味を込めて「ゾンビ」と呼ばれる。急激な新陳代謝により、常に膨大なエネルギー供給を必要とするため、その供給源を求め、徘徊、人を襲い人肉を喰らう。多少のダメージではその行動を止めることはできないが、頭部の破壊でその行動に終止符を打つことができる。


ゲームでは?

ゾンビと言えば「1」に登場したプレイヤーが近付くと振り向くゾンビが印象深いが、それ以外にも様々なタイプがいる。「2」では警官ゾンビだけではなく、タンクトップ姿が艶めかしい女性ゾンビも登場する。S.T.A.R.S.のエドワード、フォレスト、ブラッドなど特定の人物がゾンビ化する場合もある。その中でも一番印象深いのは「CV」で登場したスティーブの父親だろう。スティーブが父親に銃弾を撃ち込むシーンは胸が詰まる。
 
全身がウロコのような皮膚で覆われ、長く鋭い爪を持つ戦闘型B.O.W.。人間の受精卵をベースに、爬虫類などのDNAをt-ウイルスの力で掛け合わせることで誕生した。ゾンビがt-ウィルスにより自然発生的に生まれたのに対し、ハンターは兵器として開発された点が大きく異なる。そのため戦闘力はゾンビ以上に高く、驚異的な敏捷性と跳躍力で目標を追尾。相手を確実に追い詰めて仕留めるその姿は、狩人(ハンター)そのものである。



ゲームでは?

「1」で寄宿舎から洋館へ戻ってくると出現するハンター。その登場時のムービーから目にとまらぬ素早さと圧迫感でプレイヤーを追い詰める、まさに「強敵」と呼ぶにふさわしいクリーチャーである。ゾンビのように横をすり抜けようとして、その長い爪の餌食になったプレイヤーは数知れないだろう。ちなみに、ハンターは兵器として開発されただけあり、α、β、γと様々な種類がいる。それぞれに個性的な特徴を持つ敵でもある。
 
プラーガ(サラザール城の地下に封印されていた寄生体)による寄生と遺伝子操作により巨大化した人間。スペイン語で「巨人」を意味するその名前が示す通り、通常の人間の4倍もの体躯を誇る。驚異的な体力と筋力を有するに至ったが、その分、知能は低下。周囲のガナードを殺してしまうほど凶暴化してしまう。コントロールが難しいため、生み出されたのはわずか数体のみであった。



ゲームでは?

ゲーム中、3回登場する「エルヒガンテ」。それぞれ印象深い戦闘が用意されている。1回目は初登場のインパクトもさることながら、そこまでのプレイ次第で犬が援護に来てくれ、それに気を取られるエルヒガンテがちょっと微笑ましい。3回目はいきなりの2体登場で度肝を抜かれたことだろう。2回目の登場時は倒さなくても先に進むことができるが、倒してペセタを稼いでこそ、真のバイオ4プレイヤーと言える。ぜひ、チャレンジしてみよう。
 
サラザール城の地下に封印されていた寄生体「プラーガ」。このプラーガに寄生され、行動を支配された人間がガナードである。中枢神経に同化した寄生体により理性を奪われているが、知能は残しているため互いに言葉を交わして意思の疎通をすることが可能だ。ガナードにはそのとりついた人間により数種類が存在するが、上記のタイプはロス・イルミナドス教団の教徒にプラーガが寄生し、ガナード化したものである。



ゲームでは?

知性を有する。生存本能のみに従うゾンビとガナードの決定的な差は、そこにあるといえるだろう。ゲーム中、意味不明ながらも人の言葉を叫びながら襲ってくる姿は、ゾンビとは全く異質の恐怖を感じさせる。ちなみにガナード達の言葉はスペイン語で、それぞれにちゃんとした意味がある。意味を調べてみるのも面白いだろう。
 
ゾンビ化した人間が、その肉体をさらにt-ウイルスに侵食され、突然変異を遂げたもの。 長い舌が印象深いことからラクーン市警察の署員が“舐める者”=「リッカー」と命名した。 リッカーは見た目どおり視覚器官を完全に失っているため、目視で目標を捉えられない。 しかし、その代わりとして聴覚が異常発達しており、獲物が立てるわずかな音を頼りに接近し、舌や爪で攻撃する。



ゲームでは?

元々、突然変異で発生したが、その有用性からB.O.W.へと改良されたクリーチャー。天井に貼りつき長い舌をふるってくる姿が印象深い。バイオハザード5では、シャッターを開けると部屋一杯のリッカー(このリッカーは「リッカーβ」と呼ばれている)がいて驚いた人も多いのではないだろうか。ちなみに、このリッカーβを開発した研究者は自称天才の「ミゲル」。彼はウロボロスウィルスの研究にも深くか関わっていたようだ。
 
初期のt-ウイルス研究で生まれたB.O.W.。研究が始まって間もない頃、t-ウイルスに適合する種の選定ではさまざまな失敗作が生まれた。『ラーカー』もそのひとつで、ベースは両生類のカエルとなっている。優れた攻撃性を持ちながらB.O.W.として実用化できなかった原因は、知能の低さにある。t-ウイルス投与後もラーカーには一向に脳の発達が見られず、兵器として制御するまでにはいたらなかった。これを見ると、両生類はt-ウイルスへの適合能力に欠けると思われ、後に開発されたハンターy型でも両生類ベース特有の失敗結果が出ている。



ゲームでは?

バイオハザード0で登場したラーカー。そのモチーフから出現は水際に限られているが、巨大なカエルと言う見た目でインパクトは抜群と言える。長い舌を使った攻撃はバイオ0版リッカーといった趣きだが、一番の違いはその舌を使った後。なんと、プレイヤーを飲み込んでしまうのである。この攻撃は、即死攻撃なので注意が必要だ。それを避けるためにも、ラーカーが出現するエリアでは、パートナーにも武器を預けておいた方が良いだろう。
 
ヨーロッパで確認された『エルヒガンテ』のデータを元に生み出された巨大B.O.W.。プラーガに寄生された人型クリーチャーとしては、最大級のサイズを誇る。その巨体には5体ものプラーガが寄生しており、そのすべてを破壊しなければ活動を止めることはできないが、プラーガの効果で驚異的な耐久力を得ているため、破壊には相当な困難を伴う。また、とてつもない怪力の持ち主でもあり、電柱や軍用ジープを、事もなげに放り投げることができる。



ゲームでは?

中部アフリカの伝承に残る食人鬼の名前を冠する大型B.O.W.。プレイヤーが一息をついたところで、BSAA隊員を踏みつぶして登場する姿は、インパクト大である。戦闘は、その前のジープ戦を踏襲したシューティングゲーム。自由に動き回ることはできないが、その分、巨大なンデスがにじり寄ってくる迫力を十分に感じることができる。設定では“自称”ビジネスマンのアーヴィングが腹いせのために置いていったとされているが、そのように商品であるB.O.W.を使うのであれば、ビジネスマン失格と言えるだろう。
 
t-ウィルスを投与されたサソリが驚異的な速さで巨大化して完成したB.O.W.。全長はハサミを含めると3メートル近くもあり、ウィルスの影響で外骨格は硬質に進化している。ハサミも鉄を切断できるほど硬いが、サソリ特有の尾針からの毒の注入能力がないなど、B.O.W.としての完成度は決して高いとは言えない。また、頭部の外骨格が不完全なため、ここを攻撃すると意外ともろいと言う弱点も併せ持つ。



ゲームでは?

欧州風の豪奢な車両を誇る「黄道特急」。その二階サロンで出現するのが、このスティンガーである。狭い車内に無理やりその巨体を押し込めているために、どうしても弱点である頭部をプレイヤーにさらすことになってしまう。活躍の場が広いフィールドであれば、もう少しプレイヤーを苦しめることができたかもしれない。少しかわいそうな敵と言えるだろう。
 
プラーガを利用した兵器開発プロジェクトで生み出されたB.O.W.の一種。強固な甲殻装甲を持ち、全長数十メートルに及ぶ体躯を誇る。その巨体はそれ自体が一つの武器と言え、特に3メートルを越える巨大鋏脚は、白兵戦で絶大な効果を発揮する。また、U-8は、本来抱卵のために使用される腹部分に、飛行型B.O.W.を共生させている。この飛行型B.O.W.は、その収納部分からU-8の幼生と勘違いされることがあるが、全く別種のB.O.W.である。



ゲームでは?

強固な甲殻を持つB.O.W.の宿命なのか、前に紹介した『スティンガー』同様、U-8もその甲殻装甲が一部欠損しているところがあり、そこが弱点となっている。ちなみに、ゲーム中のファイルにはこの弱点がカバーされた「U-8′(ダッシュ)」も存在するとあるが、ゲーム中には登場していない。さらには、その甲殻装甲を犠牲にしてスピードを重視した「U-8ターボ」と呼ばれるバージョンも設定上存在していたが、これはゲーム中のファイルにも載っていない。
 
人間をベースにした新型B.O.W.の試作タイプ。汎用性を高めたタイラントというコンセプトで開発が進められ、兵器としての完成度よりも実用面を重視した設計がなされている。大きな特徴としては、伸縮自在の右腕による瞬発移動が挙げられる。これは、従来の人型B.O.W.にはなかった能力で、目標の追跡に大きな効果をもたらすが、反面、下半身の退化のため歩行機能は低下しており、即応能力にかける点は否めない。



ゲームでは?

その巨大な右腕は、G-ウィルスに感染したウィリアム・バーキンを思い出させるが、バンダースナッチはそれ以上にアクティブだ。その長い腕は攻撃だけにとどまらず、階層を移動するのにも使われる。他のクリーチャーのように階段を上って逃げ切ったと思っていたら、いきなり追ってくるのだ。ただし、その強力な右腕も、当然だが右側しか攻撃できない。反対の左腕はほとんど無いので、相手にする際は左側に回り込んで攻撃しよう。
 
アシュフォード家第6代当主、アレクサンダーのなれの果て。娘アレクシアの手により「t-Veronica」を投与され、ウィルスと共生できないために凶暴なモンスターへと変貌を遂げた。ウィルスの影響で体から触手が生えており、心臓はろっ骨を突き破って胸部に露出。体内で生成された毒液は、酸素に触れると毒霧に変化する性質を持っている。その危険性から、15年前から南極研究所の地下独房に監禁されていた。



ゲームでは?

父アレクサンダーを実験台として使った娘アレクシア。ゾンビ化した父を殺さざるをえなかったスティーブ。妹クレアを救出するために行動する兄クリス。妹アレクシアに歪んだコンプレックスを持つ兄アルフレッド。コード:ベロニカでは様々な家族関係が描かれている。本作のシナリオに隠された裏テーマは「家族」かもしれない。そういう視点で、今一度プレイしてみるのはどうだろうか。また新しいコード:ベロニカ像が生まれるかもしれない。
 
ケルベロスは軍用に適した大型犬のドーベルマンに、t-ウィルスを投与することで生み出されたB.O.W.である。t-ウィルスの影響で皮膚の腐敗が著しく進行しているが、移動速度、跳躍力、耐久力、そして凶暴性ははるかに向上。犬の習性から群れをなして目標を攻撃する能力に優れいている。価格も安価で、兵器として性能、コストパフォーマンス共にすぐれた成功例と言える。


ゲームでは?

シリーズではおなじみの犬型のクリーチャー。実は2種類に分けられることをご存じだろうか? まず、B.O.W.として開発された犬型クリーチャー。上記のケルベロスは、これにあたる。もう一つは、偶発的に生まれた犬型クリーチャー。t-ウィルスに汚染された飼料などを食べてゾンビ化した犬で、こちらは単にゾンビ犬と呼ばれることが多い。ただ、どちらも動きが素早く照準が合わせずらいので、プレイヤーにとっては嫌な敵というところは共通している。
 
アレクシア・アシュフォードに捉えられたスティーブ・バーンサイドが、t-Veronicaウィルスを投与されクリーチャー化した姿。体はウィルスに侵食され大きく変形。顔以外に、人間の頃の特徴を見出すのは難しいほどである。だが、精神は完全な浸食の一歩手前でとどまっており、戦闘中に自我を取り戻す。そして、クレアを守るために自分の命を犠牲にしてこの世を去った。



ゲームでは?

ウィルスを投与され人間がクリーチャー化する例は多い。古くはG-ウィルスを自ら投与したウィリアム・バーキン。近作ではウロボロスウィルスを投与した(された)アーヴィングやエクセラなどがいる。だが、途中で意識を取り戻したのは、スティーブを含めても例は少ない。スティーブのクレアへの想いの強さが起こした奇跡と言えるが、このことが一作しか登場していないスティーブが、今でも高い人気を誇る要因と言えるだろう。
 
ガナードとは、従属種プラーガに寄生された人間のことである。そのガナードの中でも、チェーンソー系のガナードは、通常のガナードよりも高い適合率でプラーガと同化した者たちであり、筋力、耐久力共に優れている。強い破壊衝動に支配され、伐採用のチェーンソーを振り回し、敵と認識した物を執拗に追う。



ゲームでは?

9月と言えば「バイオハザード リバイバルセレクション」発売。と言うわけで、今月はバイオハザード4の敵からピックアップして紹介していこう。さて、その第一弾の「ガナード(チェーンソー系)」だが、薄汚れたシャツにサスペンダー、そして顔に被った布袋と言うのが一般的なイメージではないだろうか。だが、他にも顔に包帯を巻いたチェーンソー姉妹や、二枚刃のチェーンソーを持つ巨大チェーンソー男なども存在する。巨大チェーンソー男は「ザ・マーセナリーズ」のみに登場するので、未見の方はチャレンジしてみよう。
 
元はアメリカ陸軍所属の兵士であり、かつてはレオンとも行動を共にしたことがあるが、除隊後はウェスカーの配下となり、ロス・イルミナドス教団に潜入していた。合衆国大統領令嬢であるアシュリーを誘拐したのも彼である。プラーガのサンプル入手が目的であったが、その力に魅せられ、自ら支配種プラーガを受け入れ、超人的な身体能力を手に入れる。レオンと再会し、決着を付けるために戦いに挑むが敗れ去ってしまった。



ゲームでは?

ゲーム中ではレオンのライバルとして存在感を発揮していたがクラウザーだが、ここはマーセナリーズのプレイヤーキャラクターとしてのクラウザーに注目してみたい。主武器はアーチェリー、リロードが必要ないので、連続した攻撃が可能となっている。また、強烈な左腕突きは、どんな敵でも一撃で倒せるので、コンボをつなげる時に非常に重宝する。ちなみに、クラウザーはフリーアナウンサーの鈴木史朗氏のお気に入りのキャラクターでもある。筆者も生でプレイを見させていただいた事があるが、その腕前は相当なものであった。
 
カラスが、ウィルスに冒された死肉を食べることで二次感染。凶暴化して人間を率先して襲うようになったのがクロウである。また、本来は大きな音には敏感な習性をもつが、t-ウィルスの影響か、銃声にもひるむことなく敵を襲い続けるようになってしまった。また、生物災害の際はその飛翔能力が災いし、ウィルスの広域感染を引き起こすなどの被害拡大の一端も担っている厄介なクリーチャーである。



ゲームでは?

9/20発売の「BEAMS T × BIOHAZARD 15TH ANNIVERSARY BOOK THE ELEMENTS」内のバイオハザード スタッフアンケート、「ペットとして飼いたいクリーチャーは?」の堂々3位に輝いたのが、このクロウである。なぜ3位のクリーチャーを取り上げたのか? それは1位と2位は、すでに紹介していたクリーチャーだったからだ。その1位と2位については、書籍内で確認してもらいたい。 ちなみに、クロウと言えばバイオ1の絵画室にいたものが印象深いが、バイオ5の攻撃こそしてこないものの倒すと金貨を落とすクロウもなかなか味わいがあると思うが、いかがだろうか?
 
プラーガを用いた肉体強化実験で生み出された、優れた身体能力を持つ戦士。両腕に先端が曲がった鋭利な三本の爪を装備している。視界に入るものを無差別に襲うほどに凶暴化してしまったため、まぶたを縫合され、通常は檻に入れられて厳重に拘束されている。戦闘においては、視覚の代わりに発達した聴覚で敵の位置を的確に察知し、両腕の爪を伸ばして八つ裂きにする。


ゲームでは?

バイオ4、バイオ5のゲームの特徴として、弱点を見つけて、そこを攻撃すると言うのがある。具体的にはプラーガと呼ばれる寄生生命体の部分を直接攻撃するのが有効なのであるが、それはこのガラドールも例外ではない。ガラドールの弱点であるプラーガは、背中にある。そこを攻撃するのが有効と言うか、そこ以外を攻撃してもダメージが1/10以下になってしまうので、そこを攻撃するしかないと言っても過言ではないだろう。
 
プラーガに寄生された犬。群れで行動し、俊敏な動きで侵入者に波状攻撃を仕掛ける。スペイン語で「牙」を意味する名の通り、口が裂けるほどに発達した牙を武器とするが、時には背中を突き破った寄生体の触手が襲いかかって来ることもある。もとより戦闘能力の高い動物だが、プラーガとの同化で凶暴性を増し、耐久力も1飛躍的にアップした。



ゲームでは?

プラーガに寄生された犬と言えば、この「コルミロス(バイオ4)」と「アジュレ(バイオ5)」がいるが、その変異の仕方は大きく異なる。牙のみが発達したコルミロスに対し、アジュレは頭が割れてそこに牙がびっしりと生えそろっているのだ。この差は宿主となった犬種の差なのか、それとも元のプラーガの差(バイオ5のプラーガは、生物兵器としてチューニングされている)なのか、興味深いところである。
 
アンブレラの研究施設で実験で使われていた蛾が施設から逃げ出し、t-ウィルスの影響で以上成長を遂げたのがこのモス・ジャイアントである。肥大した胴体にたいして羽の成長が追いついていないため空中を高く舞うことはできない。ただし、リン粉の量は増している上に毒性もかなり強まっているので、自由に飛行できないとはいえ、十分な警戒は必要である。なお、幼虫は、通称「ベビーモス」と呼ばれている。



ゲームでは?

t-ウィルスに感染した場合の特徴として一番知られているのは、人間などに見られるいわゆる「ゾンビ化」があるが、それと並んで多いのは、このモス・ジャイアントに見られるような巨大化である。これまで紹介した中で言えば、サソリが巨大化したスティンガーなどがその他の例として挙げられる。 普段見慣れた生物がそのまま巨大化するというのは、それだけで生理的な恐怖に襲われてしまう。蛾のように元から気持ち悪い生物が巨大化したならば、尚更と言えるだろう。
 
正式名称「プラント43」。これはアークレイ研究所寄宿舎で偶発的に生まれたプラント42を分析、その結果を基に開発されたB.O.Wである。自立歩行型植物に品種改良されており、2本のツタを自在に操って獲物を攻撃し捕獲する他、頭部のような大きなつぼみからは消化酵素液を発射して敵に致命傷を与える。また、環境適応能力に優れているため、空気中に有害な物質があっても即座に順応することができる。



ゲームでは?

食虫植物のように獲物を捕獲する植物は現実世界にもあるが、それらは刺激に対する反応のみであるのに対し、イビーはt-ウィルスの投与とB.O.W.としての改良を加えられた結果、知性さえも発現してしまったパターンである。これはある意味、進化と呼べなくもない。種を同じとするウロボロスウィルスが進化を促す作用があったように、t-ウィルスもまた生物を進化させる作用を持つと考えられるだろう。
 
さまざまな種類の昆虫にt-ウィルスを投与し、遺伝子操作を繰り返した結果生み出された昆虫型B.O.W.。比較的初期に開発されたのもので、t-ウィルスによって2メートル近くまで巨大化した体に、殺傷能力の高い巨大な鎌を持つ。実際はとてもB.O.W.として実践投入できる代物ではなく、開発中止と共に廃棄処分となった。ただし、アンブレラ幹部養成所に存在した一部が廃棄を逃れた為処理は不完全だったといわざるを得ない。



ゲームでは?

複数の生物の遺伝子を操作して新たな種を生み出したり、改良を行うことは現実世界でも行われているが、t-ウィルスを用いたそれは、さらにドラスティックだ。その生物が持つ特徴をいびつに進化させたり、複数の生物の特徴を一つにまとめたりと、その事例は様々である。t-ウィルスには、これまでに説明した生物の巨大化や急激な進化だけではなく、複数の遺伝子をスムーズにまとめて結合させる効果もあると考えるのが自然であろう。
 
無数のヒルが寄り集まり、生前のジェームス・マーカス(※)博士の容姿を模倣したクリーチャー。外敵が接近すると、ヒルは擬態を解いて攻撃態勢に入る。その場合も人型は維持されるが、その形状はかなりいびつで、マーカス博士の面影は完全に消え失せている。攻撃の際には、腕に相当する部位をムチのような形に変化させ、それを攻撃対象に叩きつける。

※ジェームス・マーカス博士
アンブレラ幹部養成所の初代所長



ゲームでは?

下等な環形動物であるヒルが複数集まり擬態と言う高度な行為を行う。これは、t-ウィルスがそれぞれのヒルを進化させただけではなく、その進化したヒル同士がつながり、コンピューターの並列処理のような情報処理ネットワークを構築した結果と言えるだろう。この現象は、t-ウィルスが存在しなければなしえないことであり、かつ開発者のマーカス博士にとっても予想外の事態だったのではないだろうか。t-ウィルスがもたらす劇的な変化、そして進化は、人智を超えたものであるということの明確な証左と言える。
 
アークレイ研究所で20年以上もウィルス投与実験を繰り返された結果自我を失い、見るも無惨な異形に変貌した成人女性。試作ウィルスが新たに開発されては、それを体内に投与される日々を過ごしたリサ。彼女は、同じく実験体となって息絶えた母親の面影を求めるあまり、女性研究員を次々と襲撃するようになった。



ゲームでは?

ウィルス感染による変異は、時に予想外の事態を招く。リッカーなどはもっとも有名な例の一つと言えるが、その中でも、このリサ・トレヴァーの例は強烈だ。ウィルスによる変異を超え、その身に新たなウィルス「G-ウィルス」を宿すに至ったのだ。これが次々と投与されたウィルスによる複合作用なのか、彼女自身が持つ未知の因子が影響しているのかは定かではないが、その結果、彼女は不死身の肉体を持つまでになっており、それはゲームの中でも同様に描かれている。なお、彼女の末路については「アンブレラクロニクルズ」にて描かれているので、興味がある方はプレイしていただきたい。
 
“究極の生命体”をめざして開発されたB.O.W.「タイラント」の試作型。完成型と同様に心臓が胸部に露出しており、さらに皮膚が腐れ落ちたことで脊髄までが露になっている。外見的にも不完全さは否定できないが、身体機能は完成型と比べても遜色なく、試作段階から目標をクリアしていたことが分かる。特に攻撃性の面では、まるでリミッター解除後の完成型を彷彿とさせる凶暴さで、驚異的な生命力を持っている。



ゲームでは?

「t-ウィルス」のtとは、「タイラント(tyrant)」のtである。このネーミングからも、t-ウィルスを用いたB.O.W.開発の一つの完成形が、このタイラントシリーズと言っても過言ではないだろう。しかし、このプロトタイラントは、t-ウィルスが極度に作用したために、命令実行に必要な知能の発達が見込めなかったという、t-ウィルスが逆作用を及ぼした言わば失敗作である。その代わりではないが、その外観は、その後の完成度の高いタイラントと比較すると恐ろしく、バイオハザードらしい「恐怖」を感じる敵となっている。
 
ひとりの人間に複数のプラーガを寄生させる実験によって生まれたリヘナラドールは、スペイン語で「再生者」の意味が表すように、驚異的な復元能力を持ち、体の一部を失っても瞬時に再生することができる。 人間の形を保ってはいるが、耳はなく、鼻は崩れ、目は赤く光り、唾液を垂らす大きく裂けた口には鋭い牙状の歯が並んでいるだけではなく、内臓から脳にいたるまで肉体構造そのものが独自の変異を遂げているため、最早人間としての知能は残されていない。



ゲームでは?

リヘナラドールの対処法は、サーモスコープのついたライフルを用いて、体内にいるプラーガをすべて破壊することであるが、時々、全てのプラーガを破壊しても絶命しないことがある。その場合は背中側にプラーガが隠れていることがあるので注意が必要だ。 なお、体内にプラーガが複数寄生している例としては、他にバイオ5の「ンデス」がいる。「ンデス」は、「エルヒガンテ」をベースに、この「リヘナラドール」のコンセプトが導入されたB.O.W.と言える。こう考えると、B.O.W.開発も無秩序に実験を繰り返しているのではなく、通常の兵器開発のように体系だった開発がおこなわれていることがうかがい知れる。
 
改良型プラーガ「タイプ3」は実験段階であったため予想外の副作用として一部のンディパヤ族が3mほどの身長に巨大化した。雄たけびを発して仲間を呼び、手には人間の頭蓋骨らしきものとし鋭い突起物を寄せ集められた手製のこん棒を持つ。通常の先住民マジニよりも攻撃力と防御力が秀でている。



ゲームでは?

ウィルスに過剰適合したクリーチャーがいるように、プラーガにも同様の過程で発生したクリーチャーがいる。その一例が、この巨人マジニである。XY型染色体を持つ成人個体(つまり大人の男性)にしか効果が出ない「プラーガ・タイプ3」の過剰適合者の一番の特徴は巨大化にある。これは支配種プラーガの因子が大きく影響していると考えられているが、被験対象の個体数が少ないので、その詳細は不明とされている。
 
コードNO「FL-03」。t-ウィルスが海洋生物に適合するか否かを検証するために生み出されたB.O.W.で、獰猛なホオジロザメがベースとなっている。結果的には、素体を遥かに上回る巨躯を得るに至り、水中ではその名の通りまさに”海の王”として君臨。種が持つ凶暴性がさらに増幅され、無類の強靭を誇る。



ゲームでは?

ゲーム中、大型と中型の2種類が登場するネプチューンだが、プレイヤーが印象深く覚えているのは、当然大型の方だろう。水中での攻撃力もさることながら、水辺を歩いている際の即死攻撃は脅威の一言である。そんなネプチューンではあるが、大水槽の水を抜いた後は移動をすることもできず、遠方からの射撃で楽に倒すことができる。そのような二面性も、プレイヤーの印象に強く残っている原因と言えるだろう。
 
B.O.W.開発のための披験体として飼育されていた毒蛇が施設から逃げ出し、t-ウィルスに感染してさらに巨大化したもの。獲物を丸呑みするときの挙動があくびに似ていることから、研究者たちによってヨーン(あくびの意味)と命名された。太さに反して全身が短いユニークなフォルムをしており、鋭い牙からは特殊な血清でなければ解毒できない強力な毒が分泌されている。


ゲームでは?

4位のネプチューンに続き、こちらt-ウィルスの影響で巨大化した生物である。見慣れたものが巨大化すると言うのは、ただ単に大きくなったと言うだけではなく、生理的に恐怖を感じさせるなにかがあるのだろう。さて、ゲーム中のヨーンは、ヨーン自体も印象深いクリーチャーではあるが、戦闘後の血清を持ってくるイベントも印象深い。また、S.T.A.R.S.の生き残りであるリチャード、そして人気キャラクターのレベッカが登場するというのも人気の一因と言えるのではないだろうか。
 
突然変異で生まれた「リッカー」の発展型B.O.W.。トライセルの研究員が始祖ウィルスを利用して再改良を加えようとしたが、満足のいく結果にはいたらなかった。しかし、視覚はほとんどないものの聴覚は敏感で、嗅覚も鋭くなっている。壁や天井に貼り付ける、鋭い爪や長い舌を利用して攻めるなど、主だった特長はラクーンシティで確認された種と同様である。



ゲームでは?

リッカーβは、t-ウィルスベースのB.O.W.に始祖ウィルスを加えて開発された特殊なB.O.W.である。その開発の経緯は、ゲーム中の「トライセル研究員ミゲルの日記・1」で確認することができる。また、リッカーβにダメージを与えた際、仰向けに倒れることがある。すると弱点である心臓がむき出しになるため、そこにダメージを与えることで簡単に倒すことができる。仰向けに倒れた時は、積極的に狙うと良いだろう。
 
リヘナラドールの復元能力に加え、全身に自在に伸縮する無数の針を備え、より攻撃に特化した改良種。両腕を長く伸ばして敵を捕獲した後に、引き寄せて全身から突き出た針で刺し貫く。名称は、中世ヨーロッパに実在した拷問具の名に由来。空洞の人形に人間を入れて、内部に突き出た長い釘で処刑する拷問具であり、「鉄の処女」の別名もある。



ゲームでは?

アイアンメイデンの最大のその特徴は、全身から突き出した針。それを活かした抱きつき攻撃は、まさに「死の抱擁」と表現するのがふさわしい。そして弱点はと言うと、リヘナラドール同様に体内に複数寄生したプラーガであるため、サーモスコープ付きライフルでないと狙うのは難しい非常に厄介な敵である。焼夷手榴弾に弱いが、無い場合は足を狙い動きを止めてから倒すか逃げるのが有効だろう。
 
『滴る者』を意味するこの奇怪な生物は、”t-Abyss”感染者のなれの果てだ。体内に侵入したウィルスは細胞膜と融合すると、過剰に水分を吸収させる。細胞膜は浸透圧で異常に膨れ上がり、最終的には溶けるように崩れ出す。これが人体全体で繰り返された結果、感染体は水死体のように白くふやけ、肉体は半ば液状化するのだ。増殖を繰り返すt-Abyssは、さらなる水分と養分を求め、宿主の肉体を衝き動かす。ウーズが啜るように獲物の体液を吸収するのは、この衝動のためである。



ゲームでは?

リベレーションズを象徴するクリーチャー、それがこのウーズである。白くぶよぶよとした肌は、水死体を連想させる怖さがある。ゲーム中登場するウーズには、大きく4種類がある。一つ目は絵にある通常タイプ。骨を飛ばすタイプのウーズは、片手が異常に進化しているため、もう片方の腕がほとんどない。両手がカマのようになっているのは攻撃力が高いタイプ。頭と手が無いタイプは、ダメージを与えると爆発する。接近戦は避けるべきだろう。
 
“t-Abyss”に感染した人体の特殊変異種であるシークリーパーは、文字通り水棲の怪物だ。この特異な変質は、主に女性の感染体に見られる徴候である。女性の長い髪を想起させる全身を覆う甲殻は摩擦を限りなく減衰させ、彼女たちは音もなく水中を忍び寄る。そして獲物に近よるや、6本に分かれた手を広げ、獲物を抱擁しながら摂食するのだ。その子供を抱く母のような愛情から逃れる術は皆無である。



ゲームでは?

水中をその行動範囲とするシークリーパーは厄介な敵である。濁った水面により接近に気付きにくいため、ハンドスキャナー「ジェネシス」での探知を活用するのが良いだろう。水が溜まった程度のところであれば通常の武器での対応も可能だが、本当に恐ろしいのは水中で遭遇した時である。プレイヤーは決定的なダメージを与えられる武器を持たないため、パルスグレードでのけん制しか、その進撃を止める方法はない。水中では長く息も続かないので、すぐに地上へ避難するのが良いだろう。
 
“t-Abyss”に感染した魚類は、ギオッゾと呼ばれる獰猛な肉食魚へと変異する。その姿形は、t-Abyssの基礎となった魚類病原ウィルス“The Abyss”発見時に宿主であった深海魚に酷似している。ウィルスの影響から食欲は非常に旺盛で、鋭い牙と強力な顎の筋力で、あらゆるものを噛み砕いてしまう。有名なピラニアの攻撃性は映画で作られたフィクションであるが、このギオッゾの群れならば、大型哺乳動物であれ、現実にものの数秒で骨まで喰らい尽くしてしまうだろう。



ゲームでは?

魚型クリーチャーということで主に水中に生息するが、行動範囲はそれだけに留まらない。水辺を歩いている目標に対し、水中から飛び出し容赦なく牙をむいてくるのだ。それだけではなく、地上に出た後も、体をくねらせ近くを通る者にかみついてくる。じたばたと苦しそうにもがいていると勘違いして、迂闊に近寄ると痛い目に会う可能性がある。近づかずやり過ごすか、遠距離から射撃で仕留めるのが良いだろう。
 
スキャグデッドは、ウィルス耐性の強い個体で発現する突然変異種である。(その割合は千人に一人程度)だが、耐性は感染の進行を遅めても止めることはない。感染から数日〜数週間後に高熱に襲われ、肩口から首にかけて痒みを伴うシコリが発生。それが膨れ上がるにつれて意識は潰えていく。感染者は自分が乗っ取られていくことを自覚しながら何の手立てを講ずることもできないのだ。ウィルスの生み出す狂気に支配された後も、いまだ無自覚に言葉を紡ぐ元・主の首は、さながら夢遊病者を彷彿とさせる不気味さを有している。



ゲームでは?

通常のウーズとは一線を画する巨大な体躯は、その見た目にたがわず高い耐久力を持ち合わせている。また、のこぎり状の右腕は一撃で致命的なダメージを与えることができる。移動速度が遅いので、距離を保ちつつ、確実に銃弾を撃ち込んで行こう。時間はかかるが、倒すことは可能なはずだ。ただし、スキャグデッドに意識を集中するあまり、同時に出現する他のクリーチャーに囲まれてしまわないよう、注意する必要があるだろう。
 
クイーン・ゼノビアに潜入したFBCエージェントのレイチェル。右も左もわからぬままに潜入工作を命じられた彼女が遭遇したのは、t-Abyssによって変異した人間、ウーズであった。ウーズに襲われ絶命した後は、t-Abyssの影響によりウーズ化。しかしその変異の過程は通常のウーズとは若干違っており、ジルが遭遇した時にはまだ人間の面影を残していた。狂気をはらんだ奇声を上げて迫りくる姿は、他のクリーチャー達とは違う恐怖をプレイヤーに与える。



ゲームでは?

船員居住区で惨殺されるレイチェル。「ザ・マーセナリーズ3D」に収録されていたパイロット版では、殺されるのはリチャードと呼ばれる男性エージェントであった。男性から女性に変更された経緯は公式ブログをご覧いただきたい。名前こそあったレイチェルだが、当初は殺され、後にクリーチャー化して襲いかかってくると言うだけのキャラクターであった。だが、発売前にレイチェルが殺されるまでを追ったトレーラーを制作したところ人気が過熱。今では他のキャラクターをしのぐ人気と知名度を持つキャラクターとなった。
 
変異ヒルの頂点に君臨する「女王ヒル」が、変異を遂げたクリーチャー。ふだんは若き日のマーカス博士の姿を模しており、擬態を解くことで第一形態といわれる異形に変化する。極めて高い知能を有しているが、その思考や人格は10年前に殺害されたマーカス博士そのものである。これは、女王ヒルが彼の遺体に侵入し、長い年月をかけてDNAを取り込んだ為におきた、生物学上驚くべき現象である。なお、ヒルは雌雄同体であるため、「女王ヒル」というのは、群れを統率する姿から便宜上付けられた名称である。



ゲームでは?

バイオハザード0のラスボスである「女王ヒル」。そのとどめを刺すのは、開かれたゲートから降り注ぐ日光、そしてイベント中で撃ちこまれるビリーのマグナム弾である。バイオハザードのラスボスはロケットランチャーでとどめを刺されるイメージが強いが、実はそちらの方が少数派。ラスボス戦でロケットランチャーが登場するのは、バイオ1、4、5(コード:ベロニカは、特殊な「リニアランチャー」)。ただし、バイオ4ではロケットランチャーの使用は必須ではない。バイオのラスボス=ロケットランチャーのイメージは、バイオ1の最後があまりに鮮烈だったために定着したものと思われる。
 
命令を遵守するための高い思考能力と圧倒的な戦闘能力を有するB.O.W.。それが「タイラント」である。耐久力をはじめとする自己防衛能力は極めて高く、自己の生命が危機に瀕するとリミッターを解除し、「スーパータイラント」へと変身する。これは当初想定されていた機能ではないが、その赤みを帯びた肉体と恐るべき凶暴性、そして敏捷性と攻撃力は”暴君(タイラント)”の名にふさわしい。B.O.W.の理想型と言っても、過言ではないだろう。



ゲームでは?

黒幕であるウェスカーを殺しての登場、そしてロケットランチャーでの散り際で、鮮烈な印象を残したシリーズ最初のラスボスが、このタイラントである。このタイラントは、後の量産型であるT-103型に対し、T-002型と呼ばれている。プロトタイプ(試作型)はバイオハザード0で登場しているので、T-002型は、言わば量産試作型という位置付けなのかもしれない。そう考えると、型式の百の位が0から1へと変更になっているのは、試作型から完全な量産型へ移行した証とも推察できる。
 
一世代で終わりを迎えるt-ウィルスとは異なり、感染した生物が遺伝子レベルで進化・変貌し、子孫まで残せる悪魔の発明「G-ウィルス」。その生みの親であるウィリアム・バーキンが自身の体にG-ウィルスを投与することで変異したのが、通称「G」である。新生物となったウィリアムは、人格と理性を失い凶暴化。驚異的生命力と強靭な腕力を得た後、G細胞の侵食と共に肉体を刻々と変化させていく。



ゲームでは?

最後の敵が多段階の変身を行うことはゲームでは珍しくないが、5段階の変身となると、かなり珍しいと言える。それも、ゲーム途中から出現し、全編で変身の過程を見せていくのは、この「G」ぐらいではないだろうか。それだけではなく、素体となったウィリアムがシェリーの父親であると言うキャラクター性もあいまって、「G」はシリーズの中でも強烈な印象を与えるラスボスとなっている。ちなみに、Gは第5形態を最後に破壊されたが、G細胞の侵食がさらに進んだ場合、第6・第7と進化した可能性は十分にある。今後のシリーズでG-ウィルスが登場した場合、これ以上の多段変身が見れる可能性もあるので、楽しみにしたいところだ。
 
タイラントの暴走を受け、アンブレラの第六研究所にて計画、実行された「ネメシス計画」。それにより生み出された寄生生物「NE-α型」をタイラントに寄生させることにより、誕生したのが、「ネメシス-T型(通称:追跡者)」である。その特徴は、寄生生物が独自の脳を形成後、タイラントの脳を支配するため、大幅な知能向上が見られるだけではなく、外部からの制御が可能になったことにある。これにより、ネメシス-T型は兵器として一段高い完成度を有するに至った。



ゲームでは?

最後の敵であるネメシス-T型だが、ゲーム中に「スターズ…」と喋りながら追ってくる姿が一番印象的ではないだろうか。喋る敵と言えば、4のガナード、5のマジニがいるが、こちらは一般人がただ喋っている印象が強い。ネメシス-T型のように、明確な意志を感じさせながら迫ってくる敵としては、「バイオハザード リベレーションズ」の「スキャグデッド」と「レイチェル」がいる。これらが、ネメシス-T型の直系と言えるかもしれない。
 
科学者アレクシア・アシュフォードが、南極基地で自作したウィルス「t-Veronica」を自分の体内に投与。15年間のコールドスリープを経て共生に成功し、進化したもの。第一形態は、体全体に触手のような筋が巻きついている以外は、人型を維持。体内に循環している血液は、空気に触れると発火する性質を持っているため、危害を加えれば加えるほど周囲は紅蓮の炎に包まれる。


ゲームでは?

シリーズ唯一の女性ラスボスが、このアレクシアである(バイオハザード0のラスボスは女王ヒルと呼ばれているが、これは便宜上のもので、ヒルは本来雌雄同体)。その特徴は、第一形態から第三形態まで、連続して行われる戦闘。第三形態の時は通常の武器ではダメージを与えることができず、リニアランチャーを使ってとどめをさすこととなる。リニアランチャーの弾数は無限だが、弾速が遅いので相手の軌道を見て、タイミングをはかる必要がある。
 
教祖サドラーが全てのプラーガの支配者たる存在へと変貌した姿。抜け殻となった人体から無数の触手と4本の節足が生え、長く伸びた首の先には強力なアゴを備えた頭部がついている。また、節足の各所に眼球があるため、死角は一切存在しない。巨体でありながら、跳躍力に優れ、体を覆う外殻は硬く、並大抵の火器ではダメージを与えることすら難しい。



ゲームでは?

硬い外殻に覆われたサドラーの弱点は、触手の先端についている巨大な眼球。特に倒れ込んでいる間は狙いやすいこともあり、最大のチャンスと言える。ただし、その時間は非常に短いので、銃で狙いを付けるのに手間取っているとチャンスを逃すことがある。そのため、倒れ込んだ場合は一気に接近してよじ登り、ナイフで攻撃するのが効率的だ。狙いを外しにくいと言うだけではなく、与えるダメージ量も多いので、非常に有効な戦法と言える。
 
超人的な能力を備え銃弾すらかわしていたウェスカーに、クリスたちがウィルス制御剤「PG67A/W」を投与。薬剤の過剰摂取による弱体化のため、最後の手段としてウロボロス・ウィルスを取り込んだのが、この姿である。ウロボロスの特徴である無数の触手が両腕と同化し、とりわけ右腕は周囲の金属片を取り込んできわめて殺傷能力の高い武器と化した。高速移動などの敏捷性は失われたが、パワーや防御力は、かつての比でないほど高まったと言える。



ゲームでは?

バイオハザード5で初めて取り入れられた本編のco-opプレイ。これは、ラスボス戦にも色濃く反映されている。クリスとシェバは序盤で分断。しばらくは、それぞれをフォローしながらのバトルとなる。なお余談であるが、ラスボス戦一つ手前の爆撃機内でのウェスカー戦で、彼が持っているのは、あの「サムライエッジ」である。本編でハッキリとサムライエッジを確認できるのは、ここだけである。(ボーナスゲームであるマーセナリーズ、バーサスでは、ウェスカーの所持武器として登場)
 
東欧のイドニア共和国にて初めて確認されたB.O.W.。BSAAにより、セルビア語で悪魔を意味する”J’AVO”(ジュアヴォ)と名付けられた。 言語を理解し、複雑な連帯行動を取ったり、銃などの高度な武器も操れる点がこれまでのゾンビと一線を画している。さらに、負傷しても肉体が再生していくという特徴を持ち、再生が追いつかないほどのダメージを受けた場合は、再生の過程で別の形状に変異することがある。 これまで確認されたジュアヴォは、鉤状の手を持つジュアヴォ ルウカ・スルプ、長く伸びたアームが特徴のジュアヴォ ルウカ・カヴァタネなどがある。 また、ジュアヴォは、新たに誕生したC-ウィルスとの関連があると見られている。C-ウィルス感染者は、サナギ化して変異を繰り返し、やがて完全体となって姿を現すという。



ゲームでは?

『バイオハザード6』のゲームモードのひとつ、”エージェントハント”では、プレイヤーはジュアヴォなどのクリーチャーとなって、他のプレイヤーのゲームに乱入できる。そこでは、レオンらエージェントを倒すことが目的となっている。 ジュアヴォはエージェントたちの攻撃を受けると、傷口から変異が始まる。腕が伸びた場合などは、遠距離からエージェントたちを鷲掴みにして振り回せるなど、攻撃方法も変化していく。また、ダメージが蓄積すると、もはや人型とは言えない異形の姿に変身することも。
 
片腕に大きなアタッチメントを備えたB.O.W.。 対象を粉砕する圧倒的な攻撃力と、ガス爆発くらいではびくともしない耐久力を併せ持ち、さらに巨体からは想像がつかないほどのスピードでジェイクたちを追い詰める。なぜ執拗に追ってくるのかは謎だが、雪山でエイダらしき人影と行動をともにしていたという目撃情報もあり、事件との関連性が垣間見える。



ゲームでは?

腕のアタッチメントは武器として使えるだけでなく、標的の捕縛もできる。捕まると、檻に閉じ込められたような状態でウスタナクに背負われてしまう。また、アタッチメントは付け替えることが可能らしい。鋭利な針で突き刺すなど、さまざまな形状や役割があるようだ。
 
イドニア共和国に出現した大型B.O.W.。東欧の言葉で”巨体”という名の通り、家々の屋根を見下ろすほどの大きな図体で暴れまわる。その圧倒的な力で建物を次々と壊し、クリスたちを追い詰めていく。オグロマンは背中に取り付けられたプラグによってヘリから吊るされ、市街地上空まで運ばれてきた。投下された後もこのプラグは残っており、周囲の部分は他の固い皮膚とは違って柔らかいようだ。



ゲームでは?

巨大なB.O.W.はこれまでにも『バイオハザード4』のエルヒガンテ、『バイオハザード5』のンデスなどが確認されている。こちらは寄生体のプラーガにより作り出されたタイプ。ある程度ダメージを与えると、背中から寄生体が飛び出すという性質を持っていた。
 
東欧の言葉で”美女”という名が付けられたB.O.W.。体には数多くの穴が空いており、そこからガスを噴射する。このガスを吸った人間はウィルスに感染し、ゾンビと化してしまう。ガスの拡散性は半径約4.8キロと広範囲に及ぶ。トールオークスの各所には、ネオアンブレラの手によりサナギが複数体配置され、孵化したレポティッツァのガスに多くの市民が空気感染した。



ゲームでは?

レポティッツァの実用実験は、トールオークスでの事件の1年ほど前から行われていたようだ。その様子は、シンガポールの”マルハワ学園”を舞台にしたコミック『バイオハザード〜マルハワデザイア〜』で描かれている。実験には、女子生徒ナナン・ヨシハラが”実験体C-16″として用いられ、主人公・リッキーたちと交戦。その際のデータなどから、さらに研究・改良を重ねてレポティッツァが完成したものと思われる。 ちなみにC-16は、顔の一部にナナンの面影を残しているが、それ以外は、全身にわたってレポティッツァのように穴がいくつも空いている。
 
C-ウィルスを投与された者が変異し、サナギを経てトカゲのような姿に生まれ変わったB.O.W.。ストゥレラツとは、東欧の言葉で”射手”という意味を持つ。イドニア共和国にてその存在が確認され、BSAAの隊員により特徴が報告されている。ストゥレラツは動きが素早く、地形によっては壁や天井を上って相手を翻弄し、針のように変形した体組織を飛ばして攻撃してくる。至近距離まで近づくと逃げ出すことが多いが、ガスを噴射してくることもある。一見スキがないストゥレラツだが、じつは体術に弱いという面がある。



ゲームでは?

ストゥレラツのような完全変異体は、サナギから生まれる。サナギとはジュアヴォが損傷を受け、C-ウィルスの働きにより修復される過程で、全身が固い外皮に覆われた状態を指す。サナギの内部では急激な変異が進行しており、しばらくして変異が完了すると孵化が始まる。孵化する前に破壊できないことはないが、相当の弾薬が必要になるだろう。
 
東欧で確認されたB.O.W.で、C-ウィルスを投与された人間が、サナギを経て完全変異した姿。腕を振り回したり、自らの胸を叩くしぐさがゴリラを彷彿とさせる。また、頑丈な外皮に覆われた巨体を武器に突進してくることから、”突撃”の名が付けられた。外皮は容易には破壊できないが、一定ダメージを与えると剥がれ落ち、内皮や筋肉が露わになる。とくに背面の外皮は脆く、破壊すると中枢神経が剥き出しになり、さらに攻撃を与えると絶命するという。ナパドゥのもうひとつの特徴に、体中から噴き出している蒸気がある。これはもともと高い体温を、放熱することで一定に保っているのである。



ゲームでは?

イドニア共和国の旧市庁舎にて、エイダ・ウォンが投擲した球状の物体から無数の注射器が放たれた。注射器にはC-ウィルスが仕込まれており、これを受けたBSAA隊員たちは感染。彼らはサナギとなり、やがて孵化してナパドゥへと変異してしまった。
 
中国・蘭祥に現れた蛇型B.O.W.。これまでに確認された蛇型クリーチャーとは異なり、蛇そのものにウィルスを投与したわけでなく、C-ウィルスを打たれた人間がサナギを経て偶発的に変異したものである。イルジヤは外皮を周囲の光景と同化させられる、いわゆるステルス性能を持ち、その特徴から東欧の言葉で”幻影”と名付けられた。この擬態能力は獲物を見つけたときなどの興奮状態によく発現し、標的に気づかれずに忍び寄り、捕食することを可能にしている。イルジヤの体力の低下時はその姿を肉眼で見つけやすくなるが、この場合、外皮が硬化しており、並大抵の武器では歯が立たない。しかし、硬化および擬態は外皮に限ったもので、体内は原生生物と大差はない。そのため、イルジヤが口を開いた瞬間は口内をはっきり視認でき、銃弾でもダメージを与えられる。



ゲームでは?

イルジヤは、偉葉(ワイイプ)地区ポイサワンのスラム街で、クリス・レッドフィールド率いるBSAAアルファチームを襲う。結果的にクリスらの働きで死滅するが、対するアルファチームもこの作戦でメンバーの大半を失うという犠牲を払った。
 
ネオアンブレラの研究者でも予測できなかった”変わり種”のC-ウィルス完全変異体。その名が東欧の言葉で”解体”を意味するように、体が分裂する特徴を持つ。白っぽくツルツルした外皮の内側、腹腔内にはヒルのような形状をした本体が潜んでおり、外皮や四肢が損傷・分裂しても、中の本体には何ら影響がない。そのため、ダメージを与えても一時的に行動を停止するだけで、しばらくすれば再び活動を始める。時には自ら腕を引きちぎって投げつけるなど特異な行動も見せる。おもに分裂するのは腕、上半身、下半身で、それぞれが独立して動けるうえにいつでも再結合ができる。また、軟体動物のように体の形状を変化させられ、通気口やダクトなどの狭い空間でも移動が可能である。このように、B.O.W.として死角がないように思われるラスラパンネだが、炎が苦手という弱点があり、高熱を感じると本体が体の外に飛び出してくる。本体はこのほかにも、捕捉した対象に経口で入り込み、増殖するときにも姿を見せる。



ゲームでは?

ラスラパンネの腕は、ステージ上のさまざまなモノを利用して抹消できる。付近に電子レンジがあれば、中にいれてチン。ぐつぐつに沸く鍋の中で煮込む。トイレに流す。ディスポーザーに投げ込んでミンチに。……などなど、ユニークな対処法が用意されている。
 
グネズドは、C-ウィルスを投与された者が、サナギを経て生まれ変わった変異体である。蜂のような姿の小さなクリーチャーが無数に集まり、人間の女性の姿を形成していることから、東欧の言葉で”巣”と名付けられた。群れの中には女王蜂にあたる個体がおり、これが司令塔の役割を担っている。女王は各個体と感覚神経を共有することで群れを統率しており、この個体が生存している限り群れは維持される。逆に言えば、女王が失われると全滅してしまうため、群れは攻撃を受けると、中の女王を守るように散開する動きを見せる。



ゲームでは?

通常時、人型を成したグネズドの群れは歩くように移動している。敵を発見し、攻撃する際は人型の手から塊を放つようなアクションで群れの一部をけしかける。また、群れが標的と接触した場合は、各個体がまとわりつき、一斉に食らいつく。このように強力な攻撃手段を持つグネズドだが、水に入れないという弱点もある。
 
C-ウィルスに感染し、ゾンビとなった者が変異した新種。ゾンビの体内のウィルスが、頭部のダメージが引き金となって活性化し、肉体を急激に変化させたもので、通常のゾンビとは比較にならないほど跳躍力や俊敏性、耐久性が向上している。この突然変異種は、全身の筋肉が剥き出しになった姿から、充血や血走るという意の”ブラッドショット”と名付けられた。ブラッドショットは一定ダメージを与えると胸部が開き、心臓が露出する。



ゲームでは?

ブラッドショットに変異する個体は、目が赤く光っていることが特徴として挙げられる。そもそもゾンビは頭部が弱点であり、本来ならここを攻撃することで優勢となるはずだが、ブラッドショット予備軍に対しては逆に変異のスイッチを入れることになってしまう。そのため、ゾンビを倒したと早合点して、変異を遂げたブラッドショットの餌食となる場合も少なからずあるようだ。
 
東欧の言葉で”殺害”という名を冠した、C-ウィルス感染者の完全変異体。人型であるが、右腕がチェーンソー状になっており、これを振り回して周囲の敵をなぎ倒す。このチェーンソーは背骨や肋骨が右腕へと移動して変異したもので、チェーンソー内部には赤く脈打つ心臓が確認できる。ウビストヴォは高い生命力と耐久力を誇るが、すべての原動力となっている心臓への攻撃には脆弱で、破壊されると即死する。



ゲームでは?

ウビストヴォの攻撃は非常に強力で、さらに一度標的を定めると、仕留めるまで執着する傾向がある。この点だけ見るとB.O.W.としては有用だが、敵と味方を区別せず、辺り構わず暴れ回る性質のため、ネオアンブレラ側も損害を被ることがあり、扱いには手を焼いている。そのため、無差別な殺戮を目的とした作戦以外にはあまり投入されないようだ。
 
“t-Abyss”ウィルスに感染した人間の成れの果て。白くふやけ、異常に膨れ上がった身体にちなんで、”滴る者”という名が与えられた。ウーズ(ooze)とは、直訳で水が染み出る、にじみ出るなどの意。このような特徴は、細胞膜と融合したウィルスが、過剰に水分を吸収させることにより発現したものである。体内で増殖を繰り返すウィルスは、さらなる水分と養分を求めて宿主の肉体を突き動かす。ウーズが獲物の体液をすするように吸収するのはこのためである。



ゲームでは?

ウーズには変異種も存在する。鉤状の腕を持つピンサー、骨を弾丸のように飛ばしてくるトライコーン、膨張した上半身を爆発させるチャンクなどがある。
 
T-Abyssウィルス感染者の突然変異種。ウィルスが宿主を長い時間をかけて浸食することで、特殊な変異を遂げた。スキャグデッドはその変異の過程で身体が肥大化し、右手がチェーンソーのように変化。また、肩からはサメのような歯を持つ第2の頭が出現し、獲物に噛みつく。飾りのようになった”元の頭”のほうは、時折、言葉を発することがあるが、自我はすでに失われているため会話は不可能である。



ゲームでは?

言葉をしゃべるスキャグデッドは、実はジルたちがクイーン・ゼノビア号のプロムナードで出会う個体のみ。この個体は、元は通信兵長だったらしく、人間だった頃を思い出したかのように「メーデー メーデー メーデー こちらクイーン・ゼノビア 救難信号 メーデー メーデー メェェ〜デェェェ〜」という印象的なフレーズをしゃべることから、ファンや開発スタッフの間で”メーデーさん”との愛称がついた。
彼が居た非常用通信室には、”通信兵長の日記”が遺されている。この日記では、彼がプロムナードに立てこもって4日目が過ぎたあたりから、自我が少しずつ崩れ始めたことが読み取れる。さらに数日が経過すると、肩から生えた第2の頭を話し相手と思うようになるなど、ウィルスの浸食がかなり進んでいることが伺える。もっとも、自分以外に生存者がなく、助けも来ないという孤独に耐えかねてのこととも考えられる。ジルたちを見つけ、「抱きしめて〜」と寄ってくるのも、寂しさからくる行動なのかもしれない。
 
T-Abyssウィルスにより生み出された生物兵器。Wall Blisterの名が表すように、壁や天井にへばりついて獲物が近づくのを待つ習性があり、その様はまるで壁の水ぶくれのようである。このように海洋生物などによく見られる”擬態”の状態で周囲をうかがい、標的を発見すると、しなる長い腕を振り回して突進してくる。その腕に捕まってしまったら最後、力任せに体を引き裂かれてしまうだろう。



ゲームでは?

ウォールブリスターは、3DS版『バイオハザード リベレーションズ』では登場しなかったが、『アンベールドエディション』のキャンペーンモードならびにレイドモードで新たに追加されたクリーチャーだ。キャンペーンモードでは、難易度によって出現頻度やタイミングが変化するようだ。即死攻撃を持つため、多くのプレイヤーに新たな恐怖を刻みつけているらしい……。
 
長く鋭い爪と驚異的な俊敏性を誇る戦闘型生物兵器。周囲の背景と溶け込み、透明化する能力を持つ。ファルファレルロは、爬虫類のDNAにt-ウィルスを投与して開発された”ハンター”に、t-Abyssウィルスを加えて改良された種である。複数のウィルス投与の影響からか攻撃性が増し、ハンターよりも著しくコントロール性が劣化しているらしい。ファルファレルロという名は、ダンテの『神曲』に登場する、”マレ・ブランケ(邪悪な爪)”と呼ばれる悪魔の集団のうちの一人に由来している。



ゲームでは?

ファルファレルロは透明化できるため、位置の特定が困難である。しかし、バイオスキャナー”ジェネシス”で捕捉が可能である。また、歩行時に舞う雪や、レーザーポインターを利用することでも居場所を把握できる。
 
t-Abyssウィルスの研究過程で、偶然開発された生物兵器。ダンテの『神曲』地獄編に登場する悪魔たちの長で、邪悪の尾を意味するマラコーダにその名を由来する。マラコーダは、実験でさまざまな魚類にt-Abyssを投与した中で、”ハダムシ病”に感染していた個体をベースに改良された。ハダムシはブリなどの魚の皮肌につく寄生虫で、マラコーダは、このハダムシが宿主の海洋生物と共にt-Abyssに感染し、変異したものである。マラコーダの幼生は1センチほどで、水中では群をなして行動するほか、小ささを活かして他の生物にも寄生する。寄生すると、特殊な体液を分泌させて宿主をt-Abyssに感染させる。そして宿主とともに自らも巨大化させながら成体へと成長していく。このとき、t-Abyssと分泌液の相乗効果で新陳代謝がブーストされていると考えられている。



ゲームでは?

マラコーダの成体のサイズは、宿主の大きさに依存する。ゲーム中ではクジラに寄生し、巨大なクリーチャーとしてジルたちを苦しめた。
 
サメのDNAを組み込んだ生物兵器で、ダンテの『神曲』に登場する悪魔”スカルミリオーネ(汚い乱れ髪)”の名を与えられた。数億年前から形態変化がないほどに海の捕食動物として完成されているサメのDNAは、開発当初から有望視されていた。スカルミリオーネはサメのフォルムを残しつつも、槍のような突起状の腕を持つ。楯鱗(じゅんりん)、いわゆるサメ肌の一部が変化し、強固な筋肉繊維と結びついたもので、突き刺す攻撃を可能にしている。また、楯鱗の変化は、装甲車の前面装甲に迫るほどの強度をもたらした。



ゲームでは?

スカルミリオーネの腕は、盾としても使われる。盾には攻撃が通じないうえ、こちらの照準に合わせて動かすため、ガードされると厄介だ。また、上半身か下半身どちらかに攻撃を集中させると部位が破壊するが、半身になっても這いずりながら襲い掛かってくる。


キーワード
「R.P.D.(Raccoon Police Department)」とは、レオンが所属する予定だったラクーン市警察の略称である。署長はブライアン・アイアンズ。 R.P.D.と言えばS.T.A.R.S.が有名だが、意外と知られていない事実として「選抜警官隊」という部隊も存在していた。これは、洋館事件以降、機能を失っていたS.T.A.R.S.の代わりに設立されたR.P.D.版SWATとも言える組織である。だが未曾有のバイオハザードの前では無力で、あえなく全滅してしまった。



バイオハザード2当時のラクーン市警察庁舎。 ホール部分は洋館風の作りになっているだけではなく、石像まであり、警察庁舎とは思えない豪華な雰囲気である。
 
1968年「人々の健康を庇護する」を社訓に、オズウェル・E・スペンサー、エドワード・アシュフォード、ジェームス・マーカスの3人により設立された巨大製薬企業である。しかし、その実態は世界的なバイオ兵器開発企業であり、後にラクーンシティ壊滅を引き起こした「t-ウィルス」、バーキン博士が開発した「G-ウィルス」、南極基地にて開発された「t-Veronica」などのウィルスと、無数のB.O.W.を生み出した。 2003年、ロシアのコーカサス研究所壊滅が決定打となり倒産。災厄の根源は壊滅したが、反面、災厄の種子は世界中にばらまかれることとなった。



アンブレラの共同設立者である、ジェームス・マーカス博士の珍しいアート。バイオハザード0開発時に用意された開発用の設定画である。
 
1968年、オズウェル・E・スペンサーらによって設立された製薬企業、それが「アンブレラ」である。「人々の健康を庇護する」という社訓の普通の製薬企業の顔は表向きで、裏では始祖ウィルスを元にした多くのウィルス兵器開発を行う、言わば死の商人と言う一面も併せ持つ。 しかし、その裏の顔は1998年のラクーンシティ壊滅により、白日の下にさらされる。その後、際限なく吹き荒れる訴訟の嵐に加え、起死回生を狙いロシア・コーカサス研究所で行われていた「T-A.L.O.S」計画が、クリスらの手により阻止されたことにより崩壊してしまう。 だが、アンブレラ崩壊後も彼らが巻いた災厄の種は、世界中で恐怖の香りを放つ闇色の花を咲かせ続けるのであった。



アンブレラは世界的な製薬企業である。当然、各地に支社が存在しているのだが、日本支社もあることはご存じだろうか? バイオハザード5の公式サイト内にある「BSAA」サイトにあるドキュメント内にその記述があるので、少し長いが抜粋して紹介しておこう。

* * * * * * *
製薬企業アンブレラの国内法人、会社解散へ

世界的製薬企業である「アンブレラ」の倒産を受け、日本法人である「アンブレラ・ジャパン(株)」(本社:東京)は、会社の解散を発表、清算手続きに入った。
当社は1984年にアンブレラの日本法人として設立。設立当時は米国で開発された薬品の輸入販売のみを行っていたが、1987年に”アンブレラ日本研究所”を建設。当社の強みであるバイオテクノロジーを活かし、独自の研究、製品の開発を進めていた。

しかし、アンブレラが原因とされる「ラクーンシティの惨劇」を皮切りに株価が暴落。
近年は風評被害も手伝い、売り上げが低迷していた。
ラクーンシティの惨劇に関する数々の訴訟がアンブレラ本社の全面敗訴に終ったため、本社が倒産。
日本法人である当社は、引き取り先を探していたが、国内外の製薬会社だけではなく、他業種の企業も興味を示さなかったため、会社解散に踏み切った。

2004年3月15日 某新聞朝刊より抜粋
 
BSAA(Bioterrorism Security Assessment Alliance)は、アンブレラ崩壊後、止まらないB.O.W.の流出の責任と非難を逃れるために製薬企業連盟が設立した対バイオテロ部隊である。2004年の創設時のメンバーに、クリス・レッドフィールド、ジル・バレンタインなどがおり、彼らは“オリジナル・イレブン”と呼ばれている。当時の代表はクライヴ・R・オブライエン。当初は民間からのオブザーバー的な役割をこなすNGOだったが、“クイーン・ゼノビア事件”をきっかけに国連管轄の実働特殊部隊として再編された。欧州、中東、北米、南米、西部アフリカ、東部アフリカ、極東、オセアニアの8つの支部がある。



クリスは北米支部所属だが、レベル10の行動権を持ち、支部を超えての捜査や作戦に参加可能。同じく北米支部にはピアーズ・ニヴァンスが所属しており、将来のBSAAを背負って立つ存在と注目されている。『バイオハザード5』に登場したシェバ・アローマ、ジョッシュ・ストーンは西部アフリカ支部所属。なお『5』で描かれたアフリカ・キジュジュでの作戦では、レイナード・フィッシャー、カーク・マシソン、ダン・デチャント、デイブ・ジョンソン、ダグなど多くの隊員が殉職した。『リベレーションズ』では、パーカー・ルチアーニ、ジェシカ・シェラワット、クエント・ケッチャム、キース・ラムレイが、クイーン・ゼノビア事件の任務に就いた。
 
東欧に位置するイドニア共和国。冬には雪深くなる山々に抱かれた街には、古い石造りの建物が立ち並ぶ。そんなイドニアは、1980年代後半に、他の東欧諸国と同様に民主化を果たす。それから20年が経ち、徐々に内政に混乱が見られるようになった。この混乱に乗じて一部の将校たちによるクーデターが発生し、イドニア市庁舎の占拠などが行われた。しかし、皮肉にもそれが政府の足並みを揃えることとなった。国民の支持を失いつつあった当時の首相は議会を解散。代わってEU諸国との関係強化を訴える政党が第一党となり、イドニアの内政は少しずつ落ち着きを取り戻し始めた。一方、クーデターを起こした勢力は、次第に追い詰められ、壊滅状態にまで至ったが、それでも過激派は反政府軍となって抵抗を続ける。そして、周辺諸国の不安定な政情に便乗する形で、反政府軍は再起。加えて一部の貧困層が暴徒と化したため、2010年にはついに内戦状態に陥った。



イドニアの内戦に新たな混乱の種がまかれる。ある女性がジェイクの所属する反政府軍の兵士たちに、栄養剤と称してC-ウィルスを配布。感染した兵士たちはジュアヴォと呼ばれるB.O.W.に変貌したため、クリスたちBSAAが介入することになる。こうして、イドニアの内戦はさらに混迷の度を極めていくことに……。
 
中国の湾岸部にある都市・蘭祥(ランシャン)。大きな港を有するこの街は、鉄道やバス、高速道路などインフラも整備され、クアッドタワーに代表される高層ビルが立ち並ぶ一画、達芝(ターチィ)もある一方で、偉葉(ワイイプ)地区のスラム街・ポイサワンでは、建物が迷路のように乱立し、混沌を極めている。その背景には1900年代前半のイギリス植民地時代に、一帯を治めていた清国の施政者が排除されて無法地帯となったため、各地から流民がなだれ込み、バラックを増設していったことが挙げられる。 バイオテロ発生後のポイサワンは、BSAAなどの働きによって住民の多くが避難し、市場や住宅はもぬけの殻となった。住民には戸籍がない人が多いため、正確な数は分かっていないが、残りの人々は消息不明。どうやら、バイオテロ発生以前にネオアンブレラにスカウトされ、報酬と引き換えに実験体となった者が少なくないようだ。加えて、達芝に撃ち込まれたミサイルによってばら撒かれたガスでC-ウィルスに感染、もしくは感染者の餌食となってしまったものと思われる。



東京ゲームショウ2012の『バイオハザード6』ブースでは、蘭祥の街を再現。ブース正面には吊り豚が下がり、上を見上げれば色とりどりの看板が掛けられている。この看板は、実際にゲームに登場するものと同じデザイン。また、ブース内にはジュアヴォが横たわっていたりと、細部までこだわった作りとなっていた。
 
高い樫の木という名を持つ、アメリカの北東部の都市。街の中心にはアイヴィ大学があり、多くの学生たちが通っていた。また、地下鉄の駅周辺にはカフェやガンショップ、ガソリンスタンドなどの店舗が立ち並び、平和な暮らしが営まれていた。しかし、2013年に発生したバイオテロにより、街は都市機能を失い、C-ウィルスに感染した生ける屍たちが闊歩する地獄絵図と化す。人口の9割である約7万人が死亡し、生き残った人々の一部は街のはずれにある教会に避難するが、シモンズ一族が管理する地下研究所から現れたレポティッツァにより、多くが犠牲となる。結果的にかつてのラクーンシティと同様、ミサイル投下による滅菌作戦でトールオークスは消滅する。



トールオークス駅に掲示された市内の地図。よく見ると、川に囲まれた地形だということがわかる。地下鉄の路線も複数本走っていたようだ。
 
生物の血液細胞を浸食し、奇怪な変異を引き起こすRNAウィルス。C-ウィルスを体内に投与された人間は、ジュアヴォと呼ばれるB.O.W.に変異する。宿主が体組織を損傷すると、これを修復するためC-ウィルスが活性化し、さらなる変異をもたらすこともある。急激な変異が起こった場合、宿主はサナギのような殻に包まれ、やがて中から完全変異体として孵化する。C-ウィルスの”C”は、このサナギ(Chrysalid)の頭文字を取ったものである。 C-ウィルスは、トールオークスの教会の地下に広がるシモンズ一族の研究所にて開発されていたようだ。1998年のロックフォート島事件で使用されたウィルス”t-Veronica”を基盤に、DNAを変異させる特性を強化・改良しているため、t-Veronicaに見られる虫や植物の特徴が混ざった変異が顕著である。また、C-ウィルスを投与された者の体温が異常に高く、死亡時には燃え尽きるように消滅するのも、血液が発火するt-Veronicaの特性と関連があるようだ。 さらに、t-Veronicaは投与後に長いコールドスリープを経てなじませなければならなかったのに対し、C-ウィルスは脳細胞への拒絶反応を打ち消すことで人体に適応させることに成功。これにより、投与された者はある程度の命令を遂行でき、精巧な銃器や乗り物の操作も可能となった。



C-ウィルスに対抗するワクチン、通称アンチCが、ジェイク・ミューラーの持つ抗体により開発される。ジェイクは、父親であるアルバート・ウェスカーが有していたさまざまなウィルスへの耐性を受け継いでおり、C-ウィルスを投与しても何ら影響がなかった。アメリカ合衆国はジェイクの血液を精製したアンチCを人々に投与し、事件の被害を最小限に食い止めるよう対処する。アンチCを、C-ウィルスに感染していない人間に投与すれば耐性ができ、感染者に対しても、ジュアヴォの特徴が発症する前に打てば、わずかだが生存の望みがある。また、ジュアヴォやサナギ、完全変異種に打ち込むと直後に死亡することも確認されている。 しかし、C-ウィルスはさまざまな変異をもたらすウィルスであり、C-ウィルス自体も今後変異していく可能性が高い。アンチCが通用しないC-ウィルスが生み出されるのも時間の問題のようだ。
 
1978年に造られた豪華客船。ゼノビアとは古代パルミラ王国の美しき女王の名前で、同船はそれにちなんで”大西洋の美女王”と称された。同型の姉妹船が造られており、クイーン・セミラミスはのアッシリア女王、クイーン・ディードはカルタゴの女王の名前をそれぞれ冠している。クイーン・ゼノビアは80年代後半にパラグアス・ライン社に買い取られ、蒸気タービンからディーゼル電気推進に換装するという大改装工事を経て、最新鋭の設備を搭載したクルーズ豪華船に生まれ変わる。その後は地中海を拠点に世界各国を周遊する航路を就航したが、2003年にパラグアス・ライン社が経営不振から倒産し、廃船となった。その後はテロ組織ヴェルトロの拠点として利用されたが、船内で発生したバイオハザードによりゴーストシップと化す。



クイーン・ゼノビアはレストランやショッピングモール、カジノ、大型屋内プールを完備したガラス張りのソラリウム(日光浴室)までをも備える。また、吹き抜けの3階構造のホールは、総面積1500平方メートルと世界でも類を見ない広さ。シャンデリアがきらめく、ゴシック調の優雅な内装は、1930年代の客船黄金時代を思わせる。これらのデザインは、建築家ジョージ・トレヴァーが失踪前に残した設計案を基にしているという。彼は、初代『バイオハザード』の舞台となった洋館、オズウェル・E・スペンサー邸の設計者である。
 
ジェネシス(GENESIS)は、製薬企業連盟によって試験開発中の高機能バイオスキャナー。特殊な波長の放射光を照射し、物体からの反射を検知する仕組みで、微量のウィルスでも組成を解析できる。同じく放射光の反射を利用して物品の探知も可能。内蔵メモリには試用版として弾薬や薬草などのデータが登録されており、Ver.1.0.4以降のモデルには、ウィルス解析データから簡易的なワクチンを生成する機能が備わっている。ジルたちに配給されたモデルは最新のVer.1.0.9。なお、開発には、BSAA隊員クエント・ケッチャムが携わっている。



ジェネシスは探知可能な物が近くにあれば、モニタ右下のインジケータが点灯して知らせる。物品以外にも、何者かが残した手形を検知することがあるようだ。また、ジェネシスをキャラクターに向けると、人物がちょっとした反応を示すことがある。パーカーなら、「ジル、そんなに俺に興味があるのか?」とジョークを飛ばす。
 
地中海沿岸に11年の歳月をかけて築かれた人工海上都市。テラグリジア(Terragrigia)とは、イタリア語で灰色の大地を意味する。
テラグリジアは最新のインフラを備えているだけでなく、衛星”レギア・ソリス”で集めた太陽光を、島のソーラーパネルに照射して効率的に発電・供給するという、環境に配慮した都市設計で世界の注目を集めていた。
しかし2004年に、開発に反対する組織”ヴェルトロ”により、バイオテロが引き起こされる。
無人飛行機によるT-Abyssウィルス散布および、”ハンター”などの生物兵器が放たれ、街は地獄絵図と化した。
事態の収束に連邦対バイオテロ委員会”FBC”が乗り出したが、被害の拡大を抑えることはできず、最終手段として太陽光集積システムを利用して都市を焼き尽くす滅菌作戦を実行する。
後に、この事件は”テラグリジア・パニック”と呼ばれ、人々にバイオテロの恐怖を刻み付けた。



テラグリジアの中心にそびえるセンタービル。広いエントランスホールから上層はオフィスフロアが続き、屋上にはヘリポートを有する。テラグリジア・パニック発生時には、この1階にFBCの対策本部が設置されていたが、3週間に及ぶ抗戦の後、押し寄せるハンターに封鎖が突破されたことにより放棄される。
 
対バイオテロ組織BSAAの創設メンバーである11人を指す言葉。その11人の中にはクリス・レッドフィールドや、ジル・バレンタインが含まれる。オリジナル・イレブンは組織の中でも、取り分け重要視されている人物であり、それに見合った権限も与えられているようだ。現在、クリスとジル以外のメンバーは明らかになっていない。



クリス、ジル以外のオリジナル・イレブンは明らかとなっていないが、その内の一人は、BSAA欧州本部内に設置されている「バイオテロ評価委員会」の常任委員の一人であると言われている。
さらにその人物は、バイオハザード5で登場したシェバ・アローマに深く関係しているらしいが、その真実が明らかになることはあるのだろうか。
 
海上都市・テラグリジアでのバイオテロ、通称テラグリジア・パニックを引き起こしたテロ組織。ヴェルトロとは、イタリアの詩人ダンテ・アリギエーリの叙情詩『神曲』地獄篇の一節にある、”大いなる猟犬”(ヴェルトロ)を由来としている。指導者はジャック・ノーマン。メンバーはガスマスクで顔を隠しているのが特徴で、その素性は謎に包まれている。元々は、愛国主義を掲げた学生運動の集団であったが、少しずつ活動が先鋭化するにつれ、多くの学生が脱退し、少数精鋭の都市ゲリラグループへと変質していった。しかし、それまで国際的には無名のテロ集団が、どういった経緯でバイオ兵器を手に入れられたのかは不明である。



テラグリジア・パニックの後、連邦対バイオテロ委員会FBCにより、ヴェルトロの残党は掃討され、全員の死亡を確認したと発表された。しかし、公にはされていないが、ジャック・ノーマンの死体のみ発見されていないという。それから1年後、ある機関より対バイオテロ組織BSAAに、ヴェルトロのテロ計画の情報がリークされる。クリスたちは、情報の真偽を突き止め、またそれが事実ならばヴェルトロの復活を阻止するため、彼らのアジトがあるというヴァルコイネン・モッキの雪山へと向かう。
 
新種の魚類病原ウィルスと、かつて製薬会社アンブレラが開発したt-ウィルスの遺伝子を組み合わせた新型ウィルス。この魚類病原ウィルスは、ニュージーランドの北東に位置するケルマデック海溝に生息する深海魚から発見された。フランスのモンペリエ海洋大学研究室が主導で行った無人深海探査機による調査で明らかになったもので、深遠の意味を持つ”The Abyss”と名付けられる。t-Abyssの完成により、海洋生物の遺伝子をベースにした生物兵器の開発が容易なものとなった。



テロ組織ヴェルトロのリーダー、ジャック・ノーマンは、対バイオテロ部隊BSAAに送り付けた動画の中で、t-Abyssの脅威を自ら実演し証明する。彼が水槽にt-Abyssを注入すると、瞬く間にアロワナが変異したことからも、非常に感染力、拡散性が高いことが伺える。ノーマンいわく、彼らが所有している量だけで、世界の海の1/5を汚染させるという。


キャラクター
バイオハザード2当時のレオンは、若干21歳。警察学校卒業後、志願して卒配されたのがラクーン市警察であった。彼が他の同僚警官のようにゾンビ化しなかった理由と言うのが、配属前日、彼女との別れ話でやけになり、モーテルでやけ酒をあおって酔いつぶれたため遅刻したからというのは、有名な話である。今のクールな印象のレオンからすると考えられないが、これが若さゆえの、と言うものなのだろうか。ちなみに彼はゲーム中でもクレア、シェリー、エイダと様々な女性と出会い、そして振り回されている。そういう星の下に生まれついているのかもしれない。 余談ではあるが、彼のミドルネームはスコット。もっとも、こちらはほとんど使われていない。



プレイステーション版バイオハザード2の時代に作られたCGアート(一番上のアートは、ダークサイドクロニクルズの時に制作されたラクーン市警察時代のレオンである)。技術的な面で時代を感じるが、レオンが持つ魅力は、この頃から一切変わっていないことがわかる。
 
兄であるクリスの消息を確かめにラクーンシティへやってきたところ、バイオハザードに巻き込まれてしまった女子大生。街へ到着直後、窮地に立たされたところを救ってくれたのが、レオンである。二人はすぐにタンクローリーの爆発により進路を隔てられてしまうが、最終的には協力して街を脱出。 脱出後も、クレアがロックフォート島の監獄に監禁されていることを、レオンがクリスに伝えるなど、二人の関係はしばらく続いていたようだ。



レオンとクレアのお馴染のアート…に見えるが、じつはこれはパッケージに使われていたアートとは別物で、攻略本等で使われていたアートである。
 
S.T.A.R.S.の有能な隊長として初代「バイオハザード」に登場。その正体はアンブレラから送りこまれた諜報部員であったが、最後には、そのアンブレラさえも裏切った。ゲームの最後には死んだかにみえたが、その後も事件の影にその存在が見え隠れし、世界各地で起きているウィルス強奪やB.O.W.に関する事件の黒幕的存在となっていく。 最終的には、バイオハザード5にて因縁の相手であるクリスにより決着をつけられるが、その影響は、死後もまだ続くのであった。



シリーズ屈指のダークヒーローのため、そのアートも大量に存在する。左から、「バイオハザード(GC版)」「バイオハザード コード:ベロニカ完全版」「バイオハザード5」の時に制作されたアートとなっている(上のものは「バイオハザード0」の時のもの)。 そのイメージはサングラスに金髪のオールバック、黒を基調としたコスチュームで一貫しており、ウェスカーのキャラクター性の強さがよく表れている。
 
バイオハザード5においてウェスカーのパートナーを務めたのが、このエクセラ・ギオネである。その美貌と他人を見下すような態度から手に負えない富豪令嬢と見られがちだが、その頭脳は明晰で、父譲りの経営の才能と遺伝子工学の知識、そして野心とも言える限りない上昇志向により、トライセル・アフリカ支社の支社長にまで上り詰めた才女でもある。 彼女自身はウロボロス計画終了後に訪れる新世界での女王の地位を夢見ていたが、王となる男、ウェスカーの手によりウロボロス・ウィルスを投与され、その生涯を終えることとなった。ウェスカーに利用されるだけ利用されて捨てられた、悲しい女性とも言える。



バイオハザード5開発初期におけるエクセラは、トライセル支社長(男性)の秘書と言う設定であった。このデザインは、その秘書時代のものである。 ちなみに「バイオハザード リベレーションズ」の先着特典DVD「REVELATIONS REPORT」内にある「Jessica’s Report」に登場する「製薬企業連盟特別監査官」は、名前こそ出ていないがエクセラではないかと言われている。
 
元ソ連軍大佐。スペンサーに尊崇の念で忠節を尽くすアンブレラの幹部。 ラクーンシティ地下研究所でT-A.L.O.Sの開発を行っていたが、その後、アンブレラ・ロシア支部のコーカサス研究所にその身を移した。その際、アンブレラの研究資料を含む多くのデータが蓄積されたスーパーコンピューターを同研究所に移送していたため、ウェスカーの標的とされてしまう。自らもクリーチャー化して応戦するものの結果は敗北。彼もまた、ウェスカーの犠牲となった一人と言えるだろう。



左は、セルゲイが”旧い友人たち”と称するB.O.W.「イワン」である。その正体は、t-ウィルスの投与により作り出された「タイラント」だが、衝撃吸収性に優れた白いコートと特徴的なバイザーにより、一般的なタイラントのイメージとはかなり違っている。しかし、コートを着用しているところなどは「バイオ2」に登場した「タイラント T-103型(右)」との類似性が認められ、興味深い。
 
南米の小国で絶大な権力を誇る麻薬王。調査では彼が元アンブレラ研究者と接触を図ったことがわかっている。 暴力や暗殺など手段を問わず、あらゆる権力を我が物にしてきた暴君の顔とは裏腹に、愛娘のマヌエラを溺愛。その結果、マヌエラに病気の治療として「ベロニカ」ウィルスを投与、ウィルスの働きを抑制するため、罪のない多くの少女たちから臓器を奪うと言う暴挙で、溺愛ぶりを示す。



「ダークサイド・クロニクルズ」と言えば、「バイオハザード4」で敵同士となったレオンとクラウザーが共に戦う姿が見られるのも醍醐味と言えるだろう。 固い握手を交わす二人、そしてバイオハザード4でクラウザーの左手があのようになってしまった経緯など。ハヴィエとマヌエラの親子の物語も心打たれるものがあるが、この二人の物語も、シリーズのファンであれば見逃すことはできないだろう。
 
ラクーンシティ壊滅後、シェリーとともにアメリカ政府に保護される。そこで死地を生き延びた経験と戦闘センスを高く評価されたレオンは、大統領直轄のエージェントとなる。その背景には、政府がシェリーの身柄を盾に取って要求していたという、やむない事情もあったようだ。 レオンはその後、数々のミッションで功績を挙げ、最も信頼を置かれる存在となった。しかし、2013年にトールオークスで発生したバイオテロが発端で、大統領暗殺の容疑をかけられてしまう。事件の真相を追って、レオンは突き進む……。



「バイオハザード6」でのレオンは、ラクーンシティ壊滅事件当時と比べ、精悍な顔つきになっている。2002年の”オペレーション・ハヴィエ”、2004年に起きた大統領令嬢アシュリー・グラハム誘拐事件など、B.O.W.との戦いを経て心身ともに成長を遂げたのが見て取れる。 2008年のハーバードヴィル空港での事件では、ベテランの余裕すら感じさせられるほどに。
 
ラクーンシティでの”洋館事件”を生き延びた元S.T.A.R.S.隊員。 正義感に溢れるタフガイで、射撃やだけではなく、空軍経験から戦闘機の操縦も得意とする。 ロックフォート島に捕えられたクレアの救出に単身で乗り込むなど、妹思いな一面もある。 宿敵ウェスカーの野望を阻止した後、2013年現在、過去の作戦により記憶喪失に陥っていたが、対バイオテロ部隊BSAAの隊長として最前線に復帰。 中国の蘭祥で発生した大規模バイオテロに立ち向かうことになるが……。



数多くのシリーズ作品に登場したクリスは、作品によりさまざまな表情を見せる。 GC版『バイオハザード』や『コード:ベロニカ』では、好青年という印象を受けるが、『バイオハザード リベレーションズ』から『バイオ5』ではさらにたくましい体つきになった。 初代『バイオ』のオープニングやイラストに見られるような、ワイルドな男性像への回帰とも考えられる。
 
東欧の紛争地域”イドニア共和国”で、反政府軍に身を置く傭兵。食べることもままならない困窮した環境の中で育ち、死と隣り合わせの日々を生きる彼の胸には、”信じられるのは、己の力と金だけ”という信条が刻まれている。 そんな彼の前に突如、アメリカ合衆国のエージェントであるシェリーが現れ、ある高額報酬の依頼と、信じがたい事実をもたらす。ジェイクは”アルバート・ウェスカー”から呪われた血を引き継いでいること、そして世界を救う存在だということを……。



ジェイクの服装のワンポイントでもある手袋。ジャケットを着ている際は、オープンフィンガータイプの手袋を着けている。ヘンリーネックシャツとサスペンダー姿になると、黒い革手袋にチェンジ。この黒い革手袋は、どこか父であるウェスカーを彷彿とさせる。 また、彼のジャケットには蜘蛛をモチーフにしたエンブレムが付けられている。これは彼の属していた、反政府軍のマークである。
 
素性の一切が謎に包まれた、東洋系の女性。スパイとして暗躍しており、1998年のラクーンシティ壊滅事件の発生時にレオンと出会ってから、彼とは腐れ縁のような関係が続いている。 2013年、とある地下墓地でエイダとレオンは再会を果たす。



(左)『バイオハザード4』 (右)『バイオハザード6』

エイダは『バイオハザード2』ではタイトな赤いワンピース、『バイオハザード4』ではホルターネックの赤いチャイナドレスを纏って登場。『バイオハザード6』では赤いシャツや赤いマフラーを身に付けた姿を見せていることからもわかるように、彼女は赤が好きなようだ。 一方で、『バイオハザード4』に収録されたモード”ADA THE SPY”では、黒ずくめの戦闘服を着用。また、『バイオハザード アンブレラ・クロニクルズ』では、タイラントの攻撃によって負った重傷により、体中に巻かれた包帯が痛々しい姿も見せている。
 
合衆国のエージェント。USSS(アメリカ合衆国シークレットサービス)に出向しており、トールオークスの事件発生時は大統領の警護についていた。そこで出会ったレオンに危機を救われ、行動を共にすることになる。彼女は今回の事態は自分が引き起こしたと告白し、事件の手がかりがあるという教会へといざなう。



ヘレナにはデボラという妹がいる。ヘレナの回想シーンで、デボラは何者かに拘束され、連れ去られてしまったことがわかる。 そしてデボラはC-ウィルスを投与され、クリーチャーとなってヘレナたちの前に立ちはだかる……。
 
対バイオテロ部隊BSAAの若きエース。 クリスと同じく北米支部所属で、20代半ばでありながら、将来はBSAAを背負って立つであろうと一目置かれている存在。優れた動体視力と集中力を併せ持ち、部隊では標的は絶対に外さない、天性の狙撃手として活躍する。思慮深く、真面目で責任感が強いうえ、洞察力も鋭いため、隊長のクリスからの信頼も厚い。しかし、普段は明るく、豊かな感情の持ち主である。



ピアーズは、クリスとともに多くの任務に就いている。幾度となく死地をくぐり抜けた彼らの絆は固い。クリスは半年前の東欧でのミッションで記憶を失い、行方知れずになってしまっていたが、ピアーズは彼を必死に捜し出しBSAAへ復帰させる。また、かつてシンガポールで発生した事件でも彼らの部隊が出動している。その際のピアーズの活躍は、芹沢直樹によるコミック『バイオハザード〜マルハワデザイア〜』で描かれている。
 
合衆国のエージェント。直属の上司である大統領補佐官のディレック・C・シモンズの命により、ジェイクを保護する。シェリーは、G-ウィルスの開発者バーキン夫妻の一人娘である。1998年のラクーンシティ壊滅事件当時、まだ12歳だった彼女はレオンとクレアの助力で街から脱出できたものの、今まで通りの生活には戻れなかった。事件の際、ウィルスを自ら投与し”G”となった父・ウィリアムが、種族保存本能のためシェリーに植え付けた”胚”。それを体内に持つために貴重なサンプルと見なされ、合衆国の監視下で軟禁されることとなった。それから数年が経ち、シェリーは解放の交換条件としてエージェントになる。



『バイオハザード2』で描かれたラクーンシティ壊滅事件の当日。母・アネットの電話で学校を早退したシェリーは、言われた通りにG-ウィルスが隠されたネックレスを自宅から持ち出し、ラクーン市警に避難していた。そこでレオンとクレアに出会うが、保護しようとする彼らから幾度も逃げ出してしまっていた。両親がウィルス研究に没頭するあまり家庭をかえりみず、孤独な幼少期を過ごしていたシェリーは、他人を簡単には信じられなくなっていたようだ。しかし、自分のためにワクチンを取りに行ったりと、手を差し伸べてくれたクレアたちに次第に心を開くようになる。成長してエージェントの道を選んだのも、自分のような存在を二度と出したくないという想いがあったようだ。また、同じようにウィルスや、親の因果に翻弄されるジェイクにも近しいものを感じている様子。
 
合衆国のエージェントをサポートする機関・FOS(Field Operations Support)のオペレーター。レオンとは、9年前の大統領令嬢誘拐事件からの長い付き合いで、互いの信頼は厚い。レオンをサポートし続けてきた影の功労者ともいえる。トールオークスでのバイオテロ発生時、大統領アダム・ベンフォードの死を知った彼女は、驚き、心を痛めながらもすぐさまレオンたちに周囲の被害状況と脱出経路を伝えるなど、冷静かつ聡明な判断で対処している。高度な情報処理能力とハッキング能力を持ち合わせ、同事件において大学構内のセキュリティーロックを遠隔から解除する手腕も見せている。彼女は組織において重要な存在であり、皆から信頼を置かれているため、非常時の越権行為はある程度黙認されているようだ。また、嫌疑をかけられているレオンに、危険を冒してまでも内部情報を伝えるなど、己の信念に従って行動する一面もある。



『バイオハザード4』では通信でレオンをアシスト。ゲーム中盤では事件の中核であるサドラーやサラザールの妨害により、彼女との通遮断されてしまうが、ラストにはまた回線が復帰してその姿を見せてくれる。そこでの彼女はなぜかメガネを外しており、レオンに「メガネをとるとかわいいな」と褒められていた。調子づいたレオンが電話番号を聞いてくるも、ハニガンは「まだ任務中でしょ!」と一蹴。仕事とプライベートはきっちり分けるタイプのようだ。
 
アメリカ合衆国大統領。軍の出身であるベンフォードは、力強い言動で己の正義を貫く政治家であった。しかし、合衆国北東部のトールオークスでバイオテロが発生し、講演先のアイヴィ大学にてウィルスに感染。偽りの情報により身辺警護の人員が割かれ、手薄となった結果、退避が遅れてしまったようだ。生ける屍となった彼は、レオンによって射殺される。レオンとベンフォードは、10年来の友人であり同志とも言うべき間柄だった。ラクーン事件を生き延びたレオンを、合衆国のエージェントとして引き抜いた人物こそが、当時、政府高官だったベンフォードであった。それからふたりはバイオテロの根絶のため尽力し、固い絆を結ぶ。そして、今回のアイヴィ大学の講演で、ベンフォードはバイオテロの撲滅を訴えかけるとともに、元凶であるラクーン事件の真実を公表するつもりだったようだ。



ベンフォードは大統領就任後の2011年に、バイオテロなどの脅威に立ち向かう新たな組織として、大統領直属のエージェント機関DSO(Division of Security Operations)を設立する。DSOは、レオンも立ち上げメンバーとして大きく関与しており、後に、エージェントとなったシェリーもDSOに所属する。また同じく2011年に、ベンフォードはDSOを中心としたエージェントたちのサポート機関・FOS(Field Operations Support)も発案。レオンとハニガンが中心となり、これを発足させた。
 
ヘレナの4つ年下の妹で、容姿端麗な20歳の学生。デボラは、真面目な姉とは対照的に奔放な性格で、やや遊び好きな面がある。ふたりの両親はすでに他界しており、ヘレナは唯一の肉親であるデボラを溺愛していた。その愛情ゆえか、デボラの交際相手が別れ話のもつれから彼女を傷つけた際、ヘレナは男性に対して発砲し、重傷を負わせるという事件を起こした。このことが大統領補佐官ディレック・C・シモンズの目に留まり、ヘレナをテロ計画の手駒にするため、デボラは人質として誘拐されてしまう。デボラはトールオークス教会の地下にある研究所に囚われ、ヘレナがシモンズの要求を呑んだ後は抹殺されるはずだったが、その美しい容姿に魅せられた研究者たちによりC-ウィルスの実験体として利用されることになった。研究室には、C-ウィルスを投与され我を失うまでに綴ったと思われる、姉を大切に想うデボラの手記が残されていた。



地下研究所よりもさらに奥深くにある原初の祭壇に”廃棄”されていたデボラは、ヘレナとレオンに救い出されるも、途中でクリーチャーへと変異してしまう。その姿はかつての美しい面影を残すものの、人間としての理性は失われ、背中から生えた触手と驚異的な跳躍力でヘレナたちを襲う。ヘレナは妹の悲しい運命を受け入れられずにいたが、最後は自らデボラの命を手放し、彼女の仇を討つまでは泣かないと誓った。
 
対バイオテロ部隊BSAA北米支部の新人隊員。イドニア共和国での事件が初任務で、クリス率いるアルファチームのメンバーとして参加。情報伝達や装甲車の運転、バリケードや高射砲の破壊など多岐にわたってメンバーをバックアップする。少し気弱な面もあるが実直な性格で、負傷した仲間を見捨てることなく救護するなど、優しさと勇気を備えた青年である。その背景には、部隊を家族として大切にするクリスへの憧れや影響が垣間見えるようだ。 フィンは今回の任務に赴く前に、母親への手紙で無事の帰還を約束していたが、それが果たされることはなかった。イドニア市内の旧庁舎にて保護したエイダ・ウォンの罠にはまり、22歳という若い生涯を閉じた。



イドニアの任務の後、行方不明となったクリスを捜し当てたピアーズ。ピアーズは、記憶を失ったクリスに殉職した隊員たちの写真を見せる。そのとき彼の端末には、フィンの写真も写っている。
 
対バイオテロ組織BSAAの創設メンバーのひとり。かつてはアメリカ・ラクーン市警のS.T.A.R.S.隊員であり、高い戦闘能力を活かしてバイオハザードが発生した”洋館事件”や、”ラクーン事件”を生き延びた。その経緯でゾンビやクリーチャーには慣れっこらしく、グロテスクなものにも耐性があるようだ。また、一連の事件の黒幕である製薬会社アンブレラを、相棒のクリス・レッドフィールドとともに壊滅させる。2005年にはNGOとなったBSAAで、任務中に消息を絶ったクリスを捜索するため、ゴーストシップのクイーン・ゼノビア号に潜入するが……。



S.T.A.R.S.時代のジルはアルファチームに所属し、リア・セキュリティのポジションでチームの後方支援を担当していた。爆発物処理の技能も持っており、手先が器用なため簡単な鍵ならキーピックで解錠できる。このようにサバイバルスキルに長けている一方で、ピアノの演奏も得意というしなやかな一面もある。 クイーン・ゼノビア号事件の後、ジルはクリスとともにアルバート・ウェスカーを追い詰めた際に崖から転落し、行方知れずになっていたが、製薬会社トライセルにて実験体として拘束されていた。そのときの投薬の副作用により、身体の色素が白化して髪が茶色から金髪へと変化。
 
BSAAの隊員で、ジルの新たなパートナー。かつてはFBCに所属していたが、テラグリジア・パニックの後、BSAAに参加した経歴を持つ。イタリア系イギリス人で、皮肉交じりに冷笑するようなところがあるが、本当は情に厚い熱血漢である。そっけないそぶりでも、なんだかんだと面倒見がよい。また、捜査においては、経験豊富でありながら、妥協を許さない姿勢を崩さず、仲間からの信頼も厚い。



パーカーはサブウェポンに斧を装備している。彼の体重を乗せた一撃は、非常に強力である。しかし、かつてのFBC時代では、ナイフを使用していたようだ。そのほか、銃器の扱いもお手の物。しかしジェネシスこと最新装備のハンドスキャナーにはあまり関心がないのか、事前にマニュアルを読んでいなかったことをオブライエンに指摘されていた。
 
対バイオテロ私設組織BSAAの代表。コードネームは”フォークボール”。喋り出すときに、少し考えたように「あー」と言うのが口癖。ユーモアがあり、オブライエンにハンドスキャナー・ジェネシスを向けると「解析結果はどうだ? あー 色男と表示されたか?」などと返す。そんな彼も有事には、指揮官としてBSAAの個性的なメンバーをまとめ、本部から各隊員に的確な指示を出す。 かつてのテラグリジア・パニック発生時には、事態の収拾に当たった連邦対バイオテロ部隊、通称FBCに意見参考人として協力していた。その際、強引に事件を解決しようとするFBC長官、モルガン・ランズディールのやり方に納得がいかず、以来、ふたりは因縁の中となった。



※ゲーム画面は3DS版のものとなります。
オブライエンは、本編では戦闘するシーンはないが、”レイドモード”に参戦している。彼はハンドガンやグレネードの扱いを得意とし、体術ではチョップを繰り出す。ただ、実戦は久しぶりだった様子で、「この歳になるとこたえる」などとつぶやく場面も。本編でも、医者から運動するように言われていると語っていた。
 
ジェシカは対バイオテロ組織BSAAの隊員。以前は連邦対バイオテロ委員会”FBC”に所属しており、2004年のテラグリジア・パニック発生時は、現場でパーカーらとともに任務に当たっていた。BSAAに移籍後は、テロ組織”ヴェルトロ”のアジトを捜索するため、クリスとともにヴァルコイネン・モッキの雪山へと赴く。ジェシカは、ファッションや自らの容姿に自信とこだわりがあるようで、大胆なデザインのバトルスーツや、ファーをあしらったコートを身に纏う。また、険しい雪山を登ることになった際、(筋肉がガッチリついて)「足が太くなっちゃう」と気にする場面も。そんな今どきの若い女性の感性を持つジェシカだが、戦闘力は高く、ライフルでの後方支援を得意とする。



ジェシカは今回の任務で、クリスに何度もアプローチしている。クリスとジルが固い絆で結ばれていることを知ってか、彼にジルと自分のどちらがいいかなどと聞いたりとしきりに気を引こうとしており、その度にクリスから任務に集中しろとたしなめられていた。もっとも、3DS版『バイオハザード リベレーションズ』の特典DVD”ジェシカズレポート”では、クリスとコンビを組む以前から、彼をヒーローと称し、好意を持っていたことがうかがい知れる。結局、クリスは彼女になびくことはなく、ジェシカとジルがパートナーチェンジとなるときには「あーあ 落ちなかったな カタブツ君」とこぼしていた。
 
ゴーストシップと化した豪華客船クイーン・ゼノビア号にて、BSAA隊員のジルとパーカーの前に現れたエージェント。赤い髪と落ち着きのある佇まいが特徴的な青年である。かつての大規模バイオテロ、テラグリジア・パニックでは、連邦対バイオテロ委員会”FBC”の新人隊員として作戦に参加していた。その際に怪我を負うが、同じく当時FBC所属だったパーカーとジェシカたちの手当てやサポートのおかげで生還する。それから1年を経た今回の事件で、不可解な行動を取るレイモンドにどのような目的があるのか定かではないが、彼の鋭い眼差しから成し遂げようとする強い意志が感じ取れるようだ。



テラグリジア・パニックの当時、パーカーはレイモンドのことを新人と呼び、先輩として任務の何たるかを諭すように聞かせていた。クイーン・ゼノビア号にてふたりが再会したときには、レイモンドは経験を積んだエージェントに成長していたが、相変わらずパーカーは新人と呼ぶ。レイモンド自身は、もうその呼び方をやめてほしいようだが、パーカーはどこか親しみを込めて呼んでいるようにも思える。
 
対バイオテロ部隊BSAAの隊員。特殊傭兵部隊での戦歴があり、強襲任務を得意としている。実戦で鍛えた高い戦闘能力を持ち、エージェントとしての腕はクリスやジルにもひけをとらない。キースは全身にタトゥーを入れていたり、口や態度が軽く、女好きであることから、相棒のクエントからは女たらしという意味の”グラインダー”と呼ばれている。クエントとは非常に対照的で、キースが”動”ならクエントは”静”というように、性格も行動も正反対。しかし、行動派のキースも、クエントの暴走に振り回されることもしばしばあるようだ。ふたりはよく口喧嘩になるが、作戦ではお互いの欠点を補い合う最高のコンビである。



キースは近接戦闘では”ククリ”と呼ばれるナイフを二刀流で使用する。ククリは、くの字型に湾曲した刀身が特徴的なナイフで、インドやネパールなどで使われている。
 
対バイオテロ組織BSAAのエージェント。コードネームはジャッカス。機械の知識に長けたメカオタクであり、彼の特徴的なヘッドセットや、バイオスキャナー”ジェネシス”も自身の開発によるもの。同僚のキース・ラムレイとはまるで正反対だが、ふたりは公私ともによきコンビである。



クエントは何でも映画に例えたり、映画の名ゼリフを引用するクセがある。『ジョーズ』や『スタートレック』、『燃えよドラゴン』などメジャーなものから、『地球の静止する日』など知る人ぞ知る名作までジャンルは幅広い。ピンチの時ですら自分たちを、最高機密を知ったふたりの男が追われる物語になぞらえて「まさしく『コードネームはファルコン』」と口走っている。また、彼のファーストネームは、ある奇才映画監督に由来しているらしい。
 
FBCの女性エージェント。同僚のレイモンドのパートナーとしてクイーン・ゼノビア号内を捜査していたが、生物兵器ウーズの攻撃により負傷。そして、彼女の後から船内に潜入したジルの目の前で、ウーズの餌食となってしまう。その後、t-Abyssウィルスにより彼女自身もウーズへと変異し、ジルたちを執拗に襲うクリーチャーと化す。



変異を遂げた”レイチェル・ウーズ”は、比較的感染して間もないためか、姿に人間だったころの面影を残している。また、支離滅裂だが言葉を喋るのも自我の名残といえるかもしれない。もっとも、ウーズに攻撃を受けた時からすでに感染は始まっていたようで、殺害現場に遺されたメモから彼女が徐々に蝕まれていく様子が見て取れる。そこには自分の大怪我をどこか傍観するような記述がある。
 
連邦対バイオテロ委員会、通称FBCの長官。FBCにおいて絶対の権力者であり、彼に逆らえる者はいない。モルガンは長年に渡って対外諜報活動に従事し、そのカリスマ性から裏社会でも怪物のような存在として見られている。また、銀髪で狡猾なところから、シルバーフォックスの異名を持つ。彼の事件解決に対する姿勢は高圧的で、手段も強硬であるとの声も挙がっている。その最たる例が、海上都市テラグリジアで発生したバイオテロを、太陽光集積システムで都市まるごと焼き尽くして滅却、収束させた作戦である。



FBC(Federal Bioterrorism Commission)は、製薬会社アンブレラの崩壊後、市場に流出した生物兵器や、それらを用いたバイオテロの脅威に対抗するため、2001年に創設された合衆国の組織。2004年に起こったテラグリジア・パニックの対処に当たったFBCは、世界中にその名を知らしめ、確固たる地位を築く。しかし一方で、FBCが対策指揮を独占し、欧州各国の介入を拒否したため、非難の的となっている。